プラスチックによる環境汚染が話題。意外なところに影響が…

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イギリスではかつてないくらいに、プラスチックごみの環境汚染が話題に上っています。プラスチックは環境に良くないのだろうというのは、何となくは分かりつつも、今まで一般の消費者の間でこれについて話される機会は、あまり多くありませんでした。それがなぜ最近になって、大きな話題になったかというと、それはBBCの人気ネイチャードキュメンタリー「ブループラネット2」の影響が大きいのではないでしょうか。

BBCの「ブループラネット2」とは?

この番組は、今年92歳になる動物学者のデイビッド・アッテンボロー氏がナレーターを務めており、1000万人以上が視聴しています。ここ最近、番組内では、マイクロプラスチックと呼ばれる5ミリメートル以下の小さくなったプラスチックが、海洋生物の生態に悪影響を及ぼすということが、デイビッド・アッテンボロー氏のナレーションによって、分かりやすく語られることが多くなりました。これによって、プラスチックによる環境汚染への知識や、それに対する懸念が、一般の消費者の間に広がり、プラスチック製品を買うべきではないと考える人も増えてきました。グリーンピースの海洋プラスチック・キャンペーンのルイーズ・エッジ氏は、「衝撃的なイメージ映像や統計で、プラスチックに関する懸念が前例になく高まっています」と述べています。

プラスチック製品は売れなくなる?

酒造メーカーのディアジオのグローバル発展責任者のDavid Croft氏は、「プラスチックに関する会話の劇的な増加が、ビジネスと消費者の両方をこの重要な課題に集中させるのに役立っている」述べていますが、その言葉の通り、すでに多くの企業がプラスチック製品のついての見直しを行っています。例えば、マクドナルド、コカ・コーラ、エヴィアンはすべての包装の見直しを約束しており、カフェチェーンのディアジョとコスタはプラスチック製のストローの使用を廃止しました。また、科学的な進歩により、プラスチックの効果的な再利用の方法が編み出され、他のものへの代替も可能になりました。例えば、Bulldog Skincare for Menはサトウキビパッケージングを開発しました。同社の設立者であるSimon Duffy氏は、「プラスチックを廃棄することを止めて、リサイクルすることが必要でしたが、サトウキビパッケージは、プラスチックごみ削減のための、もう一つの方法です」と語っています。

環境に配慮した製品があれば

ユニリーバの環境に配慮したブランド「Sustainable Living」は、同社の他のブランドよりも50%早く成長を遂げ、全体の成長率の60%を担いました。ある調査によると、3人に2人の消費者は、ブランドが社会に対して還元する責任を負っていると感じており、半分以上の消費者が、そのブランドの行動を見て、価値を判断して製品を購入し、反対に行動次第では、使用を中止しています。このように消費者は、自分の信念と一致するブランドを求めているのです。環境に対する意識が広がれば、環境に配慮したブランドが売れ、それによって、本当の環境の改善につながる日も近いのではないでしょうか。

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