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【インバウンド課題】外国人観光客は迷惑?京都の料亭が困ったこと&改善法

2019.06.06

京都

現在、インバウンド事業には日本政府も力を入れており、「2020年までに訪日外国人を4000万人に」という具体的な数字のスローガンまで掲げています。

その努力の甲斐あって、2018年には訪日外国人数が3119万1900人と、過去最高に達しました。

同様に過去最高を達成した前年度からも8.7%増ということで、東京オリンピックが開催される来年末には、4000万人も夢ではないかもしれません。

しかし、このような喜ばしい成果の裏では、「外国人観光客のマナーが悪い」という困った声も、よく耳にするようになったのではないでしょうか。

マナーが悪いという例の筆頭として、ごみのポイ捨て、トイレの使い方に清潔感がない、声が大きくて騒がしいなどが挙げられていますが、その他の課題点も浮き彫りになってきました。

外国人観光客の増加は迷惑?

最近では個人のブログやSNSで情報が飛び交っており、以前では情報が手に入りにくかった遠い国である日本に、海外からでも一般の観光客が足を延ばしやすくなっています。

「どうしたら安く海外旅行に行けるか?」といったテーマは、日本人が海外に行く際と同様に、海外の人もリサーチしています。

「2020年までに訪日外国人を4000万人に」というスローガンを達成するためには、日本政府も、海外の一部の富裕層ではなく、大衆に向けたPRやマーケティングに力を入れざるをなりません。

これにより、訪日外国人数は増えたものの、「一人あたりの消費額が減少しているのではないか?」ということが問題となりつつあります。

「マナーが悪い」迷惑な例として…

当然のことですが、ビジネスには大衆を狙った薄利多売のものもあれば、一部の富裕層を狙ったラグジュアリーなサービスを提供するものもあります。

訪日外国人の増加に伴い、後者のビジネスであるべきはずの京都の料亭で、ひとり当たり1000円程度の消費しかしないという外国人観光客が目立つようになってきたのです。

ラグジュアリーなサービスを提供する場に、マナーや配慮のない客が訪れれば、客単価が下がるだけではなく店舗の品格も下がり、経営側から見たら迷惑に感じてしまうことでしょう。

混乱を招くのを防ぐため注意しておかなければならないのは、ここで論じるのは、「京都という街そのものを高級志向にして、富裕層以外を排除するべき」ということでありません。

「料亭を訪れる際のマナー」として、外国人観光客に対しても、「高級料亭に見合う消費を促すべき」なのではないかということです。

外国人に文化の違いがあっても

外国人観光客は、日本の文化や風習を完全には理解していないことが多いため、「京都の料亭でどう振る舞うでべきか」ということを感覚で理解するのは難しいかもしれません。

そこで、外国人観光客の意識の改革が必要になりますが、ゴミのポイ捨てやトイレの使い方といったマナーとは異なり、多言語の張り紙をしたりリーフレットを配ったりという、直接的な方法で解決できる問題でもありません。

この問題に関しては、時間がかかるかもしれませんが、間接的な方法で改善していくしかないのでしょう。

リッツ・ホテルに行く際のマナーは?

例えば旅行でロンドンに行って、リッツ・ホテルでアフタヌーンティーをすると想像してみてください。

決してリーズナブルに済まそうとは思わないでしょう。また、リーズナブルな旅をしたいと考えているなら、リッツホテルでアフタヌーンティーをしようとは、そもそも考えないかもしれません。

いざ出かけることになった場合、普段はカジュアルな服装で食事やお茶をすることが多い人でも、男性ならシャツを着用したり、女性ならワンピースを着用したりと、おそらく最低限のマナーや配慮は心がけるのではないでしょうか。

万が一カジュアルな服装で出向いてしまったら、「場違いかもしれない」と、自分自身をマナーのない人だと恥じるかもしれません。「予約がいっぱいですから…」と、遠回しに入店を断られてしまっても、仕方がないと感じることでしょう。

なぜ配慮する必要があるように感じるのか?といえば、リッツ・ホテルが世界的に有名な高級ホテルというイメージで定着しているからです。

京都の料亭もリッツ・ホテルに劣らぬ権威がありますが、外国人観光客には、今のところそれが理解できていないのかもしれません。

富裕層の外国人観光客を掴むには?

一般の大衆に向けて、「畏まって出かけなければ、場違いになりますよ」というイメージを植え付けるには、実際に多くの富裕層を顧客に取り込んでおくのが近道でしょう。

店内に一歩入って、顔なじみそうな常連さんと、美しく着飾った富裕層しかいなければ、「その場にあった振る舞いを」と考えるのが自然だからです。

ここでは、海外の富裕層の行動パターンを読み解きつつ、彼らにアピールする方法を考えていきます。

行動パターン1. 決定に時間を使わない

一般大衆は「お得な旅を…」と考え、それを達成するためのリサーチや、それに費やす時間を惜しみません。こういったリサーチをするのが好きな人も多いでしょう。

一般の旅行客が旅行会社を通さず、自分で旅の手配をする傾向が強くなっているのは、インターネットの検索で、多くの情報が得られるようになったからだとも言われています。

これに対して、富裕層はこういったリサーチに時間を費やすことを好まない傾向があります。

そのため、旅行会社に電話1本するだけで、旅行の予約を済ませたいという人も多いのです。

以前の記事(イギリス人女性CEOのインタビューから学ぶ。新しい働きかた)でご紹介した、イギリスのITCという旅行会社のように、電話で丁寧に旅行をプランしてくれる、オーダーメイド感覚の旅行会社が富裕層に人気なのも頷けます。

したがって、こういった旅行会社と業務提携するというのも良いかもしれません。

行動パターン2. 身内の口コミに敏感

富裕層は横のつながりを大切にしている場合が多く、親戚や友人が行ってみて良かったという場所に、紹介されて訪れるということも少なくありません。

1組でも富裕層の顧客ができれば、知り合いに紹介してもらえる可能性も高くなり、少しずつ顧客を増やしていくことも可能でしょう。

ロンドンの会員制クラブやバーは、その品位を保つために、かつては貴族や著名人、またはメンバーからの推薦がなければ、年会費を払えてもメンバーになることができませんでした。現在でも、そのようなルールを保っている店舗もあります。

このように、富裕層には身内のコミュニティーを作りたいと考えるような傾向があり、インターネットの口コミではなく、「知り合いの○○さんの意見」を重視する傾向があります。

行動パターン3. プレミアムなフライトを利用する

富裕層を狙ったマーケティングとしてトレンドとなりつつあるのは、航空会社とコラボレーションして、ファーストクラスやビジネスクラスの長距離フライトの利用者に、グッズを配るなどのサービスを提供することです。

スキンケアブランドがアメニティーグッズを配るというのは定番になりつつありますが、運送会社が手荷物の配送を行うなどのサービスもあり、コラボレーションできるものの幅は広そうです。

アイディア次第では、一気に知名度を上げることができるかもしれません。

マナーの改善にはイメージの改善を

ひとり当たりの消費額を上げるためには、富裕層を顧客として取り込むことが近道となりますが、富裕層の顧客が増えることで、一般の観光客のマナーも少しずつ改善されていくのではないでしょうか。

「1000円しか使わない人に来られても…」と思いたくなってしまうかもしれませんが、外国人観光客が増えてきている今だからこそ、長い目で見て「1000円しか使わないで帰るのはマナー違反だ」と、感じてもらえるようなイメージを作り上げていくべきなのかもしれません。

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