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ダイバーシティ & インクルージョン【経営における4つの戦略】

2021.06.15

前回の記事でダイバーシティのメリットや必要性を書きました。ダイバーシティは日常生活や教育など様々なところで関係することですが、近年、企業のマネジメントにおいても取り入れることが推進されています。多様性の面で誰もが働きやすい環境にするためには、具体的にはどのようなことをすればいいのでしょうか?

※前回の記事はこちら →ダイバーシティ & インクルージョンの意味【英語を元に徹底解説】

ダイバーシティ&インクルージョンマネジメントとは?

人材だけでなく働き方の多様性も考慮に入れて

ビジネスにおいては、「ダイバーシティ&インクルージョン(Diversity & Inclusion)」という2つの言葉をセットにした概念があります。ビジネスでのインクルージョンとは、多様な人材が互いの違いを受け入れ、個々の能力を最大限に発揮できる組織のあり方を指しています。つまり、多様性(ダイバーシティ)を包容(インクルージョン)し、ひとりひとりの人格を大切にしようという経営のことです。

現代のようなグローバル社会では、違いをもつ者同士がお互いの違いを受け入れ、協力し合いながら働くようサポートすること、それぞれが活躍できる環境や体制を整えてチームワークを高めることが企業に求められています。

また、労働環境においては、働く条件の違いが存在することも多様性となります。雇用形態、働く時間や場所の違いといったものです。コロナ禍で働き方が模索されるようになり、リモートワークでも問題なく業務ができると気づいた企業もあるでしょう。また、日本では週休3日制の導入について議論が進むなど、多様な働き方の推進が広がり始めています。少子高齢化による人材不足の解消、介護や子育てによる離職防止など、さまざまな理由から、改めて働き方の多様性、すなわちワークライフバランスの向上についても考えなければならない時代が来ています。

多様性を受け入れることで企業の生産性が上がる?

前回の記事でも触れましたが、2019年にアメリカのMcKinsey & Company(マッキンゼー・アンド・カンパニー)が発表したレポートでは、ダイバーシティが高い企業の方が業績が良いとの分析結果が報告されています。

人種・民族の多様性において上位25%以内に入る企業は、同業界の中央値よりも30%以上、性別においては15%以上財務パフォーマンスが高い傾向にあるそうなのです。

SNS同時投稿サービスで知られているBuffer(バッファー)は、世界中にいる社員に対してフルリモートワークという働き方を採用しています。世界中に社員がいることで、ユーザーからのメール80%に対して1時間以内に回答できるようになったそうです。多様な働き方を受け入れたことによって、ユーザーの利便性が上がったということです。

多様な価値観を受け入れる組織では、従業員ひとりひとりが活躍でき安心して働けるだけではありません。硬直化した組織ではできないイノベーションを生み出すことができます。多様な価値観がさらに社会を豊かにし、経済を活性化させると考えられているのです。

ダイバーシティ経営をするための4つのインクルージョン戦略

多様性を包括する組織にするために企業ができることは何でしょうか?カルチャーイベントを開催する、会社のリーダーを教育する、社員のフィードバックを定期的に収集するなど様々ですが、あまり気づかれていないような以下の4点を挙げてみました。

1. 無意識のバイアスをコントロールする

人間には、何からも影響を受けずに何かをしようとする意思を自由に生み出す能力、「自由意思」があるという研究結果があります。自由意志の大部分は無意識のうちに起こると言われています。

バイアス(偏見)もそのような自由意思によるものの1つと考えられており、悪意の有無に関係なく存在しているからこそ厄介です。無意識のバイアスは誰でも持っているものです。例えば、古代から根付く性別の役割について。「男性=仕事」「女性=家庭」といった連想を、なんとなく持っている方は多いのではないでしょうか。

2018年、世界最大級のHR Techイベントで優勝したBlendoor(ブレンドア)が提供するアプリが話題となっています。そのアプリとは、性別や人種などの「採用には必要のない偏見」を取り除くマッチングアプリで、応募者の性格や能力などから平等に採用することを可能にしました。

このような企業の多様性を後押しするような開発は喜ばしいことですが、実際の労働環境では、やはり個人の努力が必要と言わざるを得ないでしょう。

無意識のバイアスはレベルをテストで可視化し、認識することでコントロールできるとも言われています。自分ごととして認識することが、行動を変えるための第一歩となるのです。

2. 包括的な言語を使用する

Bufferはコンピュータープログラマーの仕事説明に「hacker(ハッカー)」という言葉を使用していたことがあり、当時、その仕事に応募した女性はわずか2%だったそうです。その後、調査を重ね、より包括的な言葉がより多くの女性に応募を促す可能性があることを発見しました。

「hacker」という言葉が多くの女性に「男性」を連想させたのでしょう。この場合では、包括的でない言葉を使用したことで優秀な人材を逃してしまった可能性があります。

一部の人のみを連想させる言語は、それに含まれないと感じてしまう人のポジティブな行動を妨げることもあるということを忘れてはなりません。

3. メンタリングコミュニティを構築する

ダイバーシティ推進企業などでは、マイノリティのキャリア形成や人材を育成する手法としてメンター制度を導入しています。メンター(指導・相談役となる経験豊富な人)が、メンティ(対象者)と信頼関係を築き、命令ではなく助言や対話による気づきを与えて自発的な行動を促します。

メンター制度は、メンティの組織対応力の強化やモチベーションの向上に効果的です。

4. ソーシャルメディアのアクティビティを確認する

ビジネス英語のトレーニング会社TALAERA(ターレーラ)がブログで、ソフトウェア会社Glitch(グリッチ)の男性CEOに纏わる、こんなエピソードを述べています。

男性CEOは、自身のツイッターのフォロワー80%が男性であることに驚き、その後1年間女性だけをリツイートするようにしたということです。一体このことが、どうダイバーシティに関係しているのでしょうか。

彼は男性に偏りがちであった自身の無意識のバイアスに気づき、女性の声をリツイートすることで援護し、過小評価されがちだけれど重要な議論にスポットを当てたということです。

SNSをやっている方は、まず自分のアクティビティに偏りがないか確認してみましょう。無意識のバイアスが見つかるかもしれません。リツイートのような小さな行動でも、マイノリティの声を掬い上げ照らし出すことができます。SNSは個人ができる身近なダイバーシティ推進活動のツールとも言えるかもしれません。

多様性を受け入れることで起こる問題点と課題

多様な人材を受け入れると、その分組織の中に違いの要素が増えます。価値観の違う者同士の対立やハラスメントが起きやすい環境と言えるでしょう。

こうした問題を解決するためには、企業のトップに立つ者がダイバーシティ宣言をし、責任を持って実行すること、さらに、メンター制度のような社員へのフォロー環境を整えることが必要となってきます。

また、待遇・評価が複雑になり、従業員の不満や離職につながる可能性も出てきます。人材が多様化すると人事評価も複雑になります。それぞれの個性や状況を尊重し、働きやすさのための待遇を提供しなければならないからです。

そのためには、評価方法などについて十分に周知し、社員の理解を求める必要があります。過激な透明化とも言われていますが、Bufferのように全社員の給与を公開することも、1つの対策になるかもしれません。

次回の記事では、多様性を考慮して具体的な取り組みを始めたファッション業界の事例についてご紹介します。

Yasuko

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