Airbnbが求めるのはビジネスライクでない少しお節介なホスト?

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日本でも最近はメジャーになりつつある「Airbnb」。空いている部屋を持っているホストと、休暇などの宿泊先を探しているいるゲストとをマッチングさせるサービスとして、世界192ヶ国で展開されています。ゲストとして利用する場合は、ホテルよりも安く宿泊できる上に、現地に暮らしているかのような感覚が味わえると、日本ではどちらかというと、旅慣れている人に人気のサービスと言えそうです。また、日本でホストをしている場合は、あえてAirbnb用の物件を用意し、ビジネスとして運営している人も多い印象があります。このようにビジネスとして取り組む場合、Airbnbの本来求めるホスト像とずれが生じている可能性があるかもしれません。ここでは、Airbnbが掲げるホスト像について紹介しながら、今後の展開のされ方も考えていきます。

良いサービスを提供できるかはホスト次第?

Airbnbの運営側は、サービス全体の向上を目指しつつも、それはホスト次第になってしまうという考え方を示している傾向があります。留学経験のある方や、留学を考えたことのある方なら想像がつくかもしれませんが、滞在先のホストファミリーによって、同じ地域に留学するのであっても、全く異なる体験をするものです。しかし、たいていの場合、留学の仲介会社はホストファミリーに対して、ある程度の要求や規則を提示し、ゲストの評判なども詳しくチェックしています。Airbnbも、それに近いと考えて間違いはないでしょう。英国のAirbnbのマーケティング責任者ベン・ケンドール氏は、「あなたの旅の経験がどのようなものになるかは、ホスト次第ですが、私たちも最大限の努力をしていきます」と、述べています。

今後はホストの人間性をより重視していく

Airbnbは2016年9月に行われたイベントで、「デジタルを基盤としつつも、人と人の繋がりに重きを置きたい」と明言しました。たとえばイーストロンドンのホストなら、近くにあるブティックやショップをめぐるツアーをゲストのために行うなど、おもてなしの精神を大切にするゲストを必要としているのだそうです。そういった意味では、最近はAirbnbの物件の予約ページに、ホストのおすすめの観光地を紹介するコーナーが設置されているなど、ホストの人間性を垣間見ることのできる工夫が施されています。

国に合わせて異なるサービスを展開

Airbnbがヨーロッパ圏内で最初に苦戦した国が、ドイツでした。産業大国であるドイツは、「シニカルな市場」とも呼ばれており、海外からの新しいものが受け入れられにくいと考えられています。しかし、そんなドイツでも、Airbnb体験キャンペーンや、大物アーティストと組んだ宣伝などにより、今では見事に参入を果たしました。

日本での今後の展開が気になるところ

英語を日常で使っている人が少なく、また内気な人が多いといわれている日本。住宅事情や法律も欧米とは異なるため、ホストがビジネスとして運営していることがあっても、他国に比べたら利用者が少ない印象です。しかし、東京オリンピックに向けて、外国からの宿泊客が多くなることが予想されるため、法律の緩和すら噂されている状態。そうなった時に、おもてなしの精神を大切にするホストが多ければ、Airbnbにとってだけではなく、日本の観光産業にとっても、良い影響を与えることが期待できます。すでに日本でもメジャーになりつつあるAirbnb。今後は国内旅行で気軽に利用する人増えるなど、ますます定着していくのではないでしょうか。 

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