スナップチャットに見る新しいSNSの在り方とは?
現在日本でも10~20代の若者を中心に、利用者が増えているアメリカ発のSNS、スナップチャット。この人気の理由を考えると、これからの新しいSNSの在り方が見えてきそうです。
これまでのSNSにない逆転の発想
スナップチャットが生まれたきかっけは、2011年のスタンフォード大学の授業でした。当時、大学生であった創始者のエヴァン・シュピーゲルが、最後の研究として発表したアイディアが元となっています。しかし、そのアイディアは当時のクラスメートの間では不評でした。なぜなら、現在のスナップチャットの最大の特徴とも言える、投稿した写真が時間と共に消えてしまうという機能が、理解されがたいものであったためです。
なぜ若い世代に人気になったのか?
他の学生の酷評をものともせず、シュピーゲルはスナップチャットを一般のユーザーに向けて、同年2011年にリリースしました。翌年2012年には、1秒間に25枚の写真のアップロードが可能になり、その今までにない速さから、若者の間で話題になりました。また、現在はスマートフォンにスナップチャットのアプリをダウンロードし、アプリを通して写真を撮影することで、写真を簡単に加工することが可能なため、セルフィーを撮って送りあうというような、若者の文化にもマッチしています。
SNSに疲れてきた層にも浸透していく?
スナップチャットに投稿した写真や動画や文章は、見る側が開いたら数秒で消えてしまいます。そのためFacebookやTwitter上で、日々増えていく投稿に飽き飽きしはじめた一般のユーザーにも、徐々に浸透しつつあります。また直接誰かに会って話す場合、当然ですが、その会話が記憶に残っても、どこかに保存され記録されるということは、あり得ません。スナップチャットは、そういった意味では、実際に会って会話をしているような感覚に近いのかもしれません。2011年は、まだSNSが新鮮だと感じられ、投稿が記録されないということをメリットだと捉える層は、ほんの一部でした。しかし、今後はこの機能を理解し、使用したいと考える一般ユーザーが増えていくのではないでしょうか。
ヨーロッパの拠点も他SNSとは対照的
スナップチャットは、イギリスで着々とユーザーを増やしており、ヨーロッパの拠点をロンドンに構えました。FacebookやTwitterが拠点をダブリンやアイルランド、ルクセンブルクに構えたことと比較しても、対照的な拡大のしかたをしていると言えるでしょう。
日本やアジアでの拡大も
スナップチャットは、昨年9月に社名を「スナップ」に変更しており、チャットを取ったことから、会話に焦点を当てるSNSから遠のき、写真加工アプリという方向性にシフトしたかのように思われました。日本には「プリクラ」などの文化もあり、最近では「自撮り棒」と呼ばれる、セルフィーを撮影するための長い棒を持ち歩く習慣のある層も増えており、若い女性を中心に、顔写真を撮るという習慣が根付いています。他のアジアの国々でも、このような文化が広がっているため、スナップチャットはアジアでますます拡大していくことが予想されます。このようにFacebookやTwitterとは一線を画する、写真加工アプリの側面も持つスナップチャット。今までにないSNSという意味でも、今後の方向性からは目が離せません。