ブレクジットで英国が失いつつある予想外のものとは

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先週(2017年3月末)のファイナンシャルタイムズでの、ブレクジット派の見解で、今までEUの規制によって拘束されていた英国の「バイオテクノロジー、農業関連ビジネス、港湾、エネルギー、フィンテック」が、これまでできなかった方法で革新して、拡大すると述べられました。その他のブレクジットのメリットとしては、米国、オーストラリア、インド、中国との新たな貿易なども挙げられました。このようにメリットも挙げれ、悲観するべきではないかのようにも語られるブレクジットですが、多くの人々が予想していなかった意外なものが、少しずつイギリス国内からヨーロッパ大陸へと流れつつあります。

クリエイティブな才能のための戦争

大手広告代理店Y&Rヨーロッパの社長Andrew Dimitriouは、イギリスとヨーロッパの間で、クリエイティブな才能を取り合う戦争が始まったと述べました。その証拠として、実際にパリのY&Rヨーロッパには、ここ2か月で、過去3年間の枚数に相当する数の履歴書が、イギリス国内から送られてきているのだそうです。ロンドンを中心とした英国は、広告やデザイン、制作、デジタルなどの関連分野で常に創造的な才能の温床だと言われてきました。しかし、このような才能が、ロンドンに見切りをつけたかのように、今やヨーロッパへと流れつつあるのです。

クリエイティブな才能が向かう次の都市は?

大きな勝者はドイツだと、Dimitriou氏は語っています。ブレクジットの投票の翌日、ベルリンの代理店は、ロンドン周辺の若い起業家をターゲットに、「落ち着いてベルリンに移動してください」というメッセージを送りました。イギリスと比較した場合、まだドイツには大きな顧客は不足していますが、機会、インフラ、既存の機関などのバランスが整っており、新たな創造性を発揮する場所として、適しているといえます。また、最新のY&Rのコンサルティングとペンシルバニア大学のWharton Schoolの調査によるランキングでは、組織の本部を据えるのに最適な場所は、スイスだと考えられています。スイスに本部を構えた大企業の広告を、周辺国の代理店が扱うというケースも、最近では珍しくありません。ブリュッセルも候補として挙げられます。ブリュッセルは古くから独創的な創造性を持ち、デジタルにも強いと言われています。また、文字通りヨーロッパへの玄関口でもあります。

島国よりも大陸の大きな市場に目を

英国がEUから離れれば、広告代理店を利用する顧客も、ヨーロッパの5億人の市場と調和している英国外の代理店に目を向けるのが当然です。より多くの仕事はより多くの雇用を意味するため、クリエイティブな才能が自然と仕事の多いヨーロッパ大陸へと移動していくことは、目に見えます。ロンドンで仕事することを夢見る、クリエイティブな才能の持ち主がいなくなることはありませんが、今までのように何もしなくても才能が流れてくるというような状況は、長くは続かないのかもしれません。 

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