サステナブルツーリズムのメリットとは?日本と英国の成功事例

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旅行をしたくても出来ないという状況が続いていますが、安全な環境が整えば旅行に行きたいと考えている人は、多いのではないでしょうか。

コロナ禍以前から既に、単純に有名な観光地を巡るだけの旅行よりも、地元の文化や自然環境を体験できるようなサステナブルツーリズムが人気となっていました。

コロナ禍によって、混雑する場所を避けたいと考える人が増えてきているため、今後はそのような形態の旅行がますます人気となることが予想されます。

マスツーリズムによる弊害。富士山がゴミだらけ?

第二次世界大戦以前、観光旅行は富裕層だけのものとされており、マスツーリズムというものは存在しませんでした。

一般の人々にも経済的な余裕が生まれたことでマスツーリズムが誕生し、それによって多くの観光地が経済的な恩恵を受けました。

その反面、観光客によるゴミ問題、バスや自家用車の乗り入れによる大気汚染などの問題を引き起こしました。

たとえば、年間約3000万人の観光客が訪れる富士山は、以前はゴミだらけだったそうです。

ボランティアや山梨県と静岡県の自治体の努力によって、ようやく2013年に世界文化遺産に登録されましたが、それには20年の歳月を要しました。

山は自然遺産として登録されることが多いにも関わらず、富士山が文化遺産として登録されたのは、文化的な価値を認められたという肯定的な理由もある反面、環境問題のせいではないかと言われています。

サステナブルツーリズムとは?そのメリット

サステナブルツーリズムとは、観光地の本来の姿を保つように配慮された旅行のことです。

観光地の文化や自然環境に配慮しながらも観光客が楽しめる、体験型などの旅行が主流です。

観光地に住む住民と観光客の相互のメリットを考えたツーリズムであるともいえます。

世界の富裕層の多くがサステナブルツーリズムに関心を持っているため、サステナブルツーリズムの国際認証を取得した地域には、多くの観光客が訪れる可能性があります。

サステナブルツーリズムの国際認証とは?

サステナブルツーリズムの国際認証は、GSTC(グローバル・サステナブルツーリズム・カウンシル)が認定する機関によって精査されます。

宿泊施設、旅行代理店、観光地の自治体等が認証の対象となりますが、海外の機関による審査の言語の壁や、認証の費用も安いとは言えないため、日本の認証例は欧米に比べると多くはないようです。

自治体で認証に取り組む場合でも、観光課だけではなく他の課と協力し合う必要があるため、縦割りのシステムでは取得が難しいと言われています。

サステナブルツーリズム国際認証【日本の事例】

GSTCの認定機関の一つであるオランダのNPOグリーンデスティネーションズが選ぶ「2020 TOP 100 DESTINATIONS」には、京都市や沖縄県など6つの日本国内の地域が選出されました。

その中の一つが、ユネスコの世界遺産に登録された合掌造り集落のある白川村です。

白川村の合掌造りの集落は単なる建物ではなく、地域住民の暮らす住居であるため、その生活を守っていく必要があります。

白川村では、オーバーツーリズムが発生する前に車の乗り入れを規制したり予約制を導入したりと、地域住民に配慮した取り組みを実施しています。

住民と自治体が対話できる場を設けて、懸念される事態を未然に防いでいるのだそうです。

このような取り組みがあれば、今後も地域住民が生活や伝統を守り続けることが出来るので、サステナブルな街づくりも実現できます。

サステナブルツーリズム国際認証【英国の事例】

英国で唯一「2020 TOP 100 DESTINATIONS」に選定されていた北アイルランドのカウンティ―・ダウンでは、豊かな自然や伝統を守りながら、それを体験するアクティビティーを多数用意しています。

たとえば、ベテランのサイクリストがガイドになって、観光名所や絶景を自転車で廻るツアーや、伝統工芸の籠を編むワークショップなどがあります。

サステナブルツーリズムがインバウンドの主流に?

今後はSDGsに取り組まない企業が消費者の支持を集められなくなっていくことが予想されますが、旅行業界やインバウンド事業でも同じ流れが予想されます。

今のうちにサステナブルツーリズムについて理解を深めることで、今後のインバウンド事業が変わってくるのではないでしょうか。

弊社ではインバウンド事業に関するアドバイスが可能です。ページ下の「お問い合わせ」から、お気軽にご相談ください。

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