ジョン・ルイスの2017年クリスマスCMが公開。昨年からの変化は?

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イギリスでは、街のイルミネーションが点灯し、テレビではクリスマスCMが公開されはじめ、いよいよクリスマス商戦が始まるというムードになってきました。昨年もこのシーズンに「英・百貨店「ジョン・ルイス」クリスマスCMから読む2016年」で、百貨店「ジョン・ルイス(John Lewis)」のテレビCMについてご紹介しましたが、11月10に公開されたばかりの2017年版について、昨年との比較も交えながら、ご紹介していきます。

2017年ジョン・ルイスのクリスマスCMは?

CMのタイトルは「Moz the Monster(モンスターのモズ)」と名付けられ、11月10日の夜8時にジョン・ルイスのWEBサイト上で放映が始まり、その後、9時半ごろにチャンネル4でテレビ初放映が行われました。バックミュージックには、ビートルズのGolden SlumbersをイギリスのバンドElbowがカバーしたバージョンが起用されています。2分に渡るCMのストーリーは、小さな男の子(ジョー)と、彼の想像上のモンスターのモズによって展開されます。夜中に目が覚めてしまうジョーは、ある夜、ベッドの下にモンスターのモズを発見します。夜中に目が覚めてしまうことは、幼い少年にとって、寂しい気持ちになってしまうに違いありませんが、モズと一緒に遊ぶことで、その時間を楽しく過ごせるようになります。しかし、どうしても日中に居眠りをしてしまうジョー。それを見かねたかのように、ジョーへのクリスマスプレゼントは、「しっかり眠れるように」と、ナイトライトが贈られます。よく眠れるようになったジョーですが、それはモズと過ごす時間がなくなってしまったことを意味します。しかし、ナイトライトを消すと、再びモズの声が。これは、ジョーの想像の中にはモズが住んでいて、遊びたい時にはいつでも遊べるということを意味しています。

昨年と異なる点は?周りの反応は?

昨年はバックミュージックの効果も手伝って、コミカルな印象で、その他の年の感動的な印象とは異なりました。今年はモンスターのモズを登場させているので、コミカルな印象もありますが、以前の感動的で心温まるような印象に戻っているのではないでしょうか。ジョン・ルイスの顧客責任者の Craig Inglis氏は、「今年のクリスマスキャンペーンは、子どもの想像力と友達がいることの素晴らしさに焦点を当てています。モズとジョーのストーリは、心が温まり、大人にも子どもにも愛されるでしょう」とコメントしています。その予想通り、大半の一般の視聴者にも、マーケティング担当者にも、好評ですが、中には否定的な意見もありました。それは、モズのグッズをジョン・ルイスは販売することは目に見えていて、CMのコンセプトに従えば、それが子ども達の睡眠を妨げるのでは?というものです。しかし、そこまで深読みしているのは、ほんの一部の人だといえるでしょう。

CMとソーシャルの連携も

モズのストーリーをダウンロードできるようにしたり、スナップチャットのように、モズのフィルターをかけた写真を撮れるアプリで、それをSNSに投稿可能にしたりと、去年にも拍車をかけて、今年は、ソーシャルとの連携が進んでいます。クリスマスキャンペーンが、テレビCMだけを媒体にしないで、SNSを巻き込んでいくという流れは、今後もますます色濃くなりそうです。

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