簡単&格安。航空会社Easy jetの革新的なマーケティング

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 Easy jetは、イギリスのルートンに本拠地を構える航空会社です。機内食や荷物の預かりを有料にしている反面、フライトそのものを低価格で提供しています。ヨーロッパ内の旅行や出張なら、フライト時間も短く、手荷物も機内に持ち込み可能な範囲で済む場合が多いため、無駄なサービスを省いているという点で成功を収め、ヨーロッパ第2位の格安航空会社として君臨しています。以前はヨーロッパ第1位のライアンエアと価格面での競争を図っていましたが、現在は様々な面で差別化を図ることにも成功しています。

全席指定。郊外の空港は使わない

ライアンエアは郊外の空港の発着便を多く持っているのに相反して、Easy jetは街の中心地に近い空港を使うというポリシーを持っています。ライアンエアの郊外の空港の使用率が38%であるのに対して、Easy jetは6%です。そのため、郊外へ移動するための時間や交通費を削減したいという顧客のニーズに応えられます。また、以前は搭乗した人から座席を選ぶというシステムでしたが、現在は全席指定となりました。Easy jet側に座席指定を委ねる場合は無料、顧客が自ら選択する場合は有料となります。機内食や手荷物の預かりと同様で、有料のサービスに幅を持たせるという点で、顧客ひとりひとりのニーズに応えるサービスを可能にしました。

テロやブレクジットにより業界が不振の中で…

昨年2016年はフランスやドイツでのテロ、イギリスのブレクジットなど、不安定な状態が続き、旅行業界や航空会社は困難な状況でした。そんな中でEasy jetは9月に「Why Not?」と呼ばれるキャンペーンを実施し、テレビCMや印刷物、SNSにて宣伝を打ち出しました。このキャンペーンでは、どのような状況であっても、家族や大切な人とホリデーや旅行を楽しんだり、普段通りに出張をしたりという、普段の行動を変える必要はないということを呼びかけました。これによって、結果としてEasy jetのブランドの価値や信頼を築くことにも成功を果たします。また、このキャンペーンの目的には、期間中に利用客を増やすということだけではなく、フライトを簡単に検索できるEasy jetのシステムを体験してもらうということも含まれていました。

マーケティング部門とデジタル部門を統合

Easy jetのサイトは過去12ヶ月間に3億5,000万人の訪問者があり、アプリは1,700万人にダウンロードされました。また、スマートフォンなどのモバイル機器を使用した予約は全体の20%にも上りました。これによって、「マーケティングはデジタルとの融合が不可欠である」という結論が導き出され、2つの部門の統合が決定されました。また、これとは別に、顧客個々に焦点を当てたカスタマーサービスも強化していく方針です。Easy jetの顧客の約20%が出張などのビジネスシーンでの利用客になるため、それらの利用客に向けての利便性のあるサービスも、ますます強化されていくことが期待できます。

マーケティングにはデジタルの利用が欠かせないものに

航空会社だけではなく、様々な分野でデジタルの利用率は高まっていくことが予想されます。キャンペーンを打ち出し、それを利用してデジタルの利便性を顧客に体験させることで、定期的な利用客を増やすというEasy jetのマーケテイングは、ぜひ参考にしたい戦略といえるでしょう。SaveSave

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