MealPalがロンドンに上陸。ランチタイムに革命が起こる?

StockSnap_1DILGG9DVG-1-1024x677.jpg

オフィスワーカーにとっては、ランチライムは限られており、混んでいるレストランに並んでいる余裕はありません。社内食堂があるオフィスならば問題ありませんが、そうでない場合は、オフィスから近くて、あまり待たないで食事を済ますことができるレストランやお惣菜店など、少ない選択肢の中で、毎日のランチを賄っているのではないでしょうか。もちろんランチをすることが目的でオフィスにいるわけではないので、これはあまり大きな問題ではないかのように思えます。しかし欲を言うならば、毎日異なるメニューのランチを安価に楽しむことが出来ればと、そう願うオフィスワーカーは少なくはないでしょう。

お惣菜屋さんにお気に入りのレストランのメニューがあったら……?

オフィスから離れた、お気に入りのレストランのメニューを近くの惣菜店や弁当販売店で買うことができたら、誰だって嬉しいに違いありません。MealPalの発案者メアリー・ビギンズは、Wholefoods(アメリカやイギリスで展開されている食料品店)を訪れた際に、「お気に入りのレストランのパイをここで買えたら……」と、ふと考えました。レストランの規模はそのままでも、色々な場所で買うことができたら……。このアイディアが定期購入ランチ販売サイトMealPalを生みました。

MealPalがランチタイムのオフィスを変える?

MealPalのサービスは大変シンプルで、言うなれば会社で注文できるお弁当や、学校給食に似ています。まず初めにMealPalサイト上で会員登録を済ませ、次に定期ランチの回数を選びます。現状では12回コースと20回コースを選ぶことができ、1色あたり5ポンド(700円程度)以下と安価です。メニューはMealPalの提携している100以上のレストランから、前日までに1種類を注文します。そして、あとはランチタイムに最寄りのMealPalの店舗に受け取りに出かけます。

忙しいオフィスワーカーはシンプルな行動を

MealPalのランチメニューは、1日1種類を選択することしか出来ないようになっており、オプションはありません。これは、100店舗以上のレストランからメニューを選択できる幅の広いサービスと、一見矛盾しているかのように捉えられます。しかし選択肢が多いことは、喜ばしい場合もあれば、時に面倒だと感じる場合もあります。それは顧客のターゲットによっても変わります。MealPalはターゲットをオフィスワーカーに絞っているため、1人の顧客に対して、1食を平日のランチタイムに提供するという以外のサービスを行いません。

出前サービスは競合になり得るのか

MealPalはオフィスへの配達には対応せず、近くの店舗での受け取りのみ可能です。それならば、出前サービスのUberEATやDeliverooの方が便利なのではないかと、感じるかもしれません。しかし、これらの出前サービスの1色あたりの平均コストは12ポンド(1680円程度)だと言われており、平日のオフィスワーカーのランチとしては、手の届きにくい価格と言えます。MealPalは、宅配をしないことによってもコストを抑えることに成功しており、平日のランチを安価に済ませたいというニーズにも応えます。また、ランチタイムに少しだけでも外出することは、オフィスワーカーにとっては気分転換になり、あまり面倒に感じません。面倒に感じるのは、ランチを買い求めに来ている他のオフィスワーカーの行列に並ぶことであり、MealPalの前日にランチを注文しておくシステムなら、これを省くことが可能になります。

ターゲットを絞ることで顧客満足を

MealPalはマイアミに設立され、現在は、ボストン、ニューヨーク、ワシントンDC、シカゴ、フィラデルフィア、サンフランシスコで展開されており、今年2月にロンドンにも上陸しました。今までありそうでなかったサービスだけに、顧客に浸透しないのでは?という懸念もありましたが、順調に規模を拡大しています。成功している要因は、ターゲットを徹底的にオフィスワーカーに絞っていることにより、顧客のニーズを把握してサービスを展開していることです。これは、新しいサービスをスタートさせる際にも、従来のサービスを見直す際にも、大切な要因と言えるでしょう。

Previous
Previous

ミレニアル世代の心をつかむ方法。ファッションブランドから学ぶ

Next
Next

英国スーパーマーケット業界が震かん。Aldiの革新的な戦略