過激でも良い?トランプ大統領のツィートの裏側のもう一つの真意とは
今年(2017年)11月の頭に、トランプ大統領のTwitterアカウントが、従業員の人為的なミスで11分間停止されてしまったというニュースがありました。これは、削除した日に退社することになっていた社員によるものだということでしたが、この元従業員が何の目的で削除を行ったか(もしくは本当にミスであったか)は、明らかではありません。Twitterは、今後このようなことが起こらないように徹底したいと述べていますが、一部のTwitterユーザーの間では、この元従業員を英雄視する声も上がっており、トランプ大統領の支持率の低さも物語っているかのようにも捉えられます。トランプ大統領のTwitterといえば、歯に衣着せぬとも表現できるような、垂直な発言がしばしば話題になりますが、その分、余計に周りからの批判も多くなるのでしょう。しかし、このような発言を行う裏には、別のもう一つの理由が隠されています。トランプ大統領のデジタル顧問であるBrad Parscale氏の、リスボンで開催されたWEBサミットでの発言からは、それを読み取ることができます。
Twitterの「話し方」から勝利へ…
Brad Parscale氏は、Twitterはトランプ大統領が「どのように人々に話しかけるか」を分かるようにする媒体であり、トランプ大統領の垂直な物言いは、これを広めるのを大いに助けたと考えています。インターネット上では、少々過激かもしれないと思われるようなタイトルのページが読まれやすい傾向にあるのは、倫理上正しいかはさておき、周知の事実です。このようなタイトルのページが増える背景としては、それが閲覧されることによって発生する広告収入などがあります。トランプ大統領の発言は、デジタルマーケティングにおいて、これと同じような効果を発揮しているのです。
ヒラリーに打ち勝った勝因は?
トランプ大統領の「話し方」は、過激であるがゆえに多くの人に広まり、嫌悪感を示す人もあれば、好感を持つ人も現れます。Brad Parscale氏の言葉を借りるならば、「Zune(マイクロソフトの音楽プレーヤー)よりもiPodを売るほうが簡単」なように、知名度が上がれば、その製品のアピールに耳を傾ける人が増えるのです。ここでBrad Parscale氏は、選挙運動の資金調達のためにFacebook広告を利用しました。1日当たり5万枚の広告を打ちだし、1つの広告を1ドル以下で配信し、1ドル以上の寄付を得ること。これによって、驚くほど速く資金の調達ができたのだそうです。デジタルに投資できる資金を集め、Facebookを味方につけたことが、勝因であったとBrad Parscale氏は語ります。
ただ炎上させるだけではなくて……
現在支持率の低いトランプ大統領が、2020年に再選するためにはどうしたら良いかと質問を受けたBrad Parscale氏は、こう語りました。「第一にまず私を雇うこと。第二にTwitterを続けること。危ういことには関与しないという政治家達に、人々はうんざりしています。そんな中で、素直な発言をするトランプ大統領のツィートが、私はとても好きです」Facebookページの運営に関しては、スタッフに人間性の高いものになるように教育を行ってきたというBrad Parscale氏。過激な発言やタイトルの裏で間口を広げたとしても、その内容に人間味や真実味があって初めて、人々の心に届くものになるのでしょう。