自然食品とは何なのか?「誤解を招く広告」が企業に与えた弊害

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ここ数年は、世界的に自然食品やオーガニックの食品に注目が集まっており、ファーストフードチェーンでさえも、自然派志向の企業が伸び、そうでない企業も自然派を意識するという傾向が見られます。そんな中で、いまだに「自然食品」という表記に対する明確な定義がないというのはご存知でしょうか。したがって「自然食品」と表記して良いのは、「普通に市販されている同種の食料品よりも、自然に近いと考えられるもの」だとされており、非常に曖昧な表現だと言えます。しかし現在、イギリスの大手サンドウィッチチェーンの「natural」という表現が波紋を呼び、将来的に「自然食品」という表現に明確な定義が与えられるのでは?とさえ、考えられています。

ロンドンで人気のサンドウィッチチェーン

そのサンドウィッチチェーンとは、実は2002~03年に日本でもチェーン展開されたことにあるプレタ・マンジェで、ロンドン市内には200店舗以上も展開されており、街中で見かけないということはまずありません。また、手ごろな価格で質の良いサンドウィッチやサラダなどの軽食を買うことができるため、ランチライムにはレジに列ができるほど混み合います。プレタ・マンジェは1986年にロンドンに1号店をオープンして以来、手作りの自然派サンドウィッチのイメージを貫き通し、成功し続けている企業であると言えるでしょう。

「自然食品」のイメージで成功したがゆえに

プレタ・マンジェのパッケージやナプキン、店内のディスプレーなどには、「natural」と書かれており、よく見ると「化学調味料などを使用していない」とも読み取れる文句も書かれています。しかし、サンドウィッチに使用されているパンには、数種類の化学調味料が使用されており、3年前に食品慈善団体サスティンの一員であるReal Bread Campaignが、それを直接プレタ・マンジェに指摘しました。これに対し、プレタ・マンジェは「自然派」は目標であり使命だと考えていると回答し、現地点でそうでないことを認めたとも、今後具体的に改善していくとも、明確ではありませんでした。先週、広告基準庁が16週間に渡る調査の後、これに対する判断を下し、「natural」は消費者の誤解を招く表記で、今後プレタ・マンジェは、その文字を取り除くか、無添加の食材を提供するかの、どちらかの方向性を取らざるを得なくなりました。「自然食品」のイメージで成功したチェーンであるがゆえ、そのイメージを失うことが大きな痛手となるのは、言うまでもありません。

どうして添加物を入れるのか?

添加物を入れざるを得ない理由は、明らかにコストだと言えます。プレタ・マンジェが無添加のパン工場を探した結果、現状の2~3倍のコストがかかることが分かりました。しかし、プレタ・マンジェのサンドウィッチや他の食材は、大規模な自社工場で手作りされており、ここには嘘がないように思われます。したがって、パンを自社工場で生産すればコストカットできるのでは?という声も上がっています。ロンドンのオフィスワーカーにとって、なくてはならない存在であるプレタ・マンジェがゆえに、この難しい問題を早く解決してくれたらと、多くのロンドナーが願っています。

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