「ファム・ファタール」的な女性は経営者に向いているのか?

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「ファム・ファタールなセレブ」や、「どうしたらファム・ファタール風になれるか」など、女性向けメディアで特集されているのを見かけ、「ファム・ファタールとは何なのだろう」と、疑問に思ったことはないでしょうか。「ファム・ファタール」に対する解釈は、幾通りもあるようですが、元々はフランス語で「運命の女性」を意味しているのだそうです。映画や小説に登場する小悪魔的な魅力を持つ女性が、「ファム・ファタール」と称されることも多いですが、自分の意志を貫き通す「気の強い女性」というイメージもあるのではないでしょうか。そういった意味では、「女性経営者はファム・ファタールなのか?」と、ふと疑問に思われることもあります。

女性が決定を下している?

意志を貫き通すのが「ファム・ファタール」の一つの形だとしたら、実は多くの女性はすでに「ファム・ファタール」なのかもしれません。なぜなら、購買や消費の際に、最終の意思決定を下すのが女性である場合が多く、ある調査では約80%にも上るという結果も出ています。たとえば、家族旅行の行先、ファミリーカーの購入、保険の加入など、男性が支払いを行う場合でも、女性が最終的に承認しない限り、購買や消費に繋がらないケースが多いからです。したがって、どういった商品や企画がより収益に繋がるかを考える場合、それが女性の心を動かすかどうかを考えることが、大変重要になります。女性の目線で考えられるという意味では、「ファム・ファタール」は経営者に向いているのかもしれません。

コミュニケーション能力&変化に対して寛大

「ファム・ファタール」の例として、西洋ではカルメンやサロメが挙げられますが、日本版としては谷崎潤一郎の「痴人の愛」に登場するナオミがよく挙げられます。ナオミは主人公の譲治を翻弄する女性として描かれていますが、実はコミュニケーション能力に長け、環境の変化も物ともしません。知らない者同士を男性グループと女性グループに分けて、対話をするというという実験を行った場合、女性グループの方が早く打ち解けたという結果も出ており、ナオミに限らず、女性の方がコミュニケーション能力に優れているのではないかという見方があります。また、女性は結婚、出産、子育てなどにより、環境が大きく変わる機会に迫られることが多く、それに適応することが当然だと考える傾向があります。したがって、「ファム・ファタール」は、経営者に必要な素質である、「コミュニケーション能力」と、「環境の変化に順応する」という2つを持っていると言えそうです。

「ファム・ファタール」は成功する?

以前の記事「世界的なファーストフードチェーンのオーナーが女性なら…?」や、「イギリス人女性CEOのインタビューから学ぶ。新しい働きかた」では、女性CEOの考え方を紹介しました。これらの記事からは、女性ならではの視点があったからこそ成功したという一面もある一方で、女性であるがゆえに苦労をしたという一面も読み取ることができます。全ての女性がある意味、「ファム・ファタール」的な要素を持っているとも考えられ、また同時に全ての女性が経営者の素質も持っているのかもしれません。意識の持ち方ひとつで、女性が企業を経営することにおいて、リーダーシップを発揮できる機会は、少しずつ増えていくのではないでしょうか。

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