世界的なファーストフードチェーンのオーナーが女性なら…?

ヒースロー空港やロンドンの中心地など、イギリス国内に50近い店舗を持ち、昨年、アムステルダム、ノルウェー、スエーデン、アメリカにも店舗をオープンしたファーストフード店の「Leon」。その創始者のひとりは、Allegra McEvedy(以降アレグラ氏を表記) というロンドン生まれの女性です。ここではアレグラ氏のファーストフードのビジネスに対する考え方や、女性の起業に対する考えについてまとめていきます。

人気のレストランが店舗を増やすと

評判の良い人気のレストランが2店目、3点目…と、店舗数を拡大していくにつれて、味やサービスの質が、少しずつ落ちていくように感じたことはないでしょうか。この原因のひとつには、1店舗目を始めたオーナーが、徐々に従業員にビジネスを任せ、少しずつそのオーナーのアイデンティティーが薄まっていくことが挙げられます。オーナーの手を離れても、ビジネスが展開されていくのなら、それが喜ばしいことであるのは事実です。しかし、アレグラ氏や「Leon」のCEOのJohn Vincent氏は、これを良しとしませんでした。

健康的で自然派のファーストフード

ミシュラン星のレストランでシェフとしてキャリアを積んでいたアレグラ氏が、「Leon」のコンセプトを聞かされた時、このチャンスに飛び乗らなければと、直感的に思ったのだそうです。そこで、運営や運用に関してはマクドナルドを見習い、フードや店舗の雰囲気は健康的で快適なものにという信念を持ち、13年経った今でもそれを貫いています。こうした信念があれば、顧客にとって、「なんとなく行くファーストフード店」ではなく、「足を運んででも行きたいレストラン」でいられるのかもしれません。

アレグラ氏のもうひとつの活動

アレグラ氏は、Leonのビジネスの他にも、MicroLoan Foundationという慈善団体と協力し、女性の起業を支援する活動にも情熱を注いでいます。MicroLoan Foundationは、サハラ砂漠より南に住む貧困女性に、ビジネスのスキルの指導や、そのツールを提供する活動を行っています。アレグラ氏いわく、「女性が起業家であることが難しい国に住んでいたら、女性の自立はほぼ不可能です」と語りつつも、西洋の先進国であっても、女性が依然として平等に扱われていないということも指摘しています。

女性が起業するのは難しい?

シェフとして働いていたアレグラ氏は、飲食業界が男性によって支配されていることを目の当たりにし、他の業界で働く女性よりも、強い不平等を感じていました。その経験は、アレグラ氏の起業をより慎重にさせました。慎重になることは悪いことではありませんが、慎重すぎる女性は起業を諦めてしまうのではないかと、アレグラ氏は心配しています。また実際に、女性オーナーのビジネスは、融資の承認率が15~20%と非常に低いという現実もあります。ここから見ても、まだまだ社会的な信用において、男性と女性が平等であると言い難いのではないでしょうか。アレグラ氏は、「問題は男性の多くがこれに気づいていないこと」だと述べ、女性が男性と同じように力を与えられる社会になるためには、女性が自らを推し進めていかなくてはならないと、考えています。

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