訪日外国人の目的は?国籍別インバウンド消費額2023
訪日外国人数推移2023年(JNTOのデータより)
日本政府の掲げていた「2020年までに訪日外国人4000万人」の目標はコロナ禍によって達成できませんでしたが、2019年には累計3100万人とコロナ禍以前は順調に目標に近付いていました。
今年2023年に入ってからの訪日外国人は大幅に回復傾向にあり、日本政府観光局(JNTO)によると6月の訪日外国人旅行者数(推計値)は207万3300人で、コロナ禍後で最も多い数字になりました。2023年1~6月の累計では1071万2000人となり、年末までに2000万人到達も難しくはなさそうです。
訪日外国人数の国・地域別ランキングは、1位:韓国 54万5100人(2019年比10.9%減)、2位:台湾 38万9000人(同15.6%減)、3位:米国 22万6800人(同29.2%増)、4位:中国 20万8500人(同76.3%減)、5位:香港 18万6300人(同10.9%減)でした。2019年には1位だった中国が4位にランクダウンしましたが、2019年には5位だったアメリカが3位にランクアップしており、人数で見ても約3割増と大幅に増加しています。
インバウンド需要がある業界としては、観光、レジャー、宿泊施設、飲食などが挙げられますが、国籍や地域別で訪日の目的や消費の動向が異なることが分かっています。
訪日外国人の目的は?
GMOリサーチが海外在住の20~69歳の男女3000人を対象に行った調査によると、行きたい旅行先に日本を選んだ理由として「独自の文化体験」(22.6%)、「伝統料理」(18.5%)、「観光名所が多い」(14.4%)が挙げられました。実際に日本を訪れた外国人には「食事の美味しさ」「治安の良さ」「買い物」「宿泊施設」「清潔さ」が高く評価されています。
観光庁の調査では、「日本の歴史・伝統文化体験」「日本の日常生活体験」「日本のポップカルチャー体験」の実施率はアジア諸国からの訪日外国人よりも、ヨーロッパ・アメリカ・オーストラリアからの訪日外国人の方が高いことが明らかになっています。アジア諸国からの訪日外国人は「買い物」が目的であることが多いようです。また、オーストラリアからの訪日外国人にはスキーなどのレジャーも大変人気です。
国籍&地域別 訪日外国人の旅行消費額ランキング
2023年4~6月に実施された環境庁の調査では、訪日外国人1人当たり旅行消費額は20万5千円と推計されました。国籍・地域別、訪日外国人の消費額ランキングでは、1位英国(35万9千円)、2位中国(33万8千円)、3位オーストラリア(33万7千円)となりました。
費目別では、宿泊費・交通費は英国、飲食費はフランス、娯楽等サービス費はオーストラリア、買物代は中国が最も高いという結果になっています。中国からの訪日観光客の1人当たりの消費額はコロナ禍以前よりも上がっていますが、渡航人数がなかなかコロナ禍以前の数値に回復しないため、買い物のインバウンド需要の回復がやや遅れていると感じるかもしれません。
インバウンド消費額を伸ばすには
インバウンドの目標は訪日外国人数で掲げられることが多いですが、最近では観光客が増えすぎることによるオーバーツーリズムも懸念されています。これに関しては各々の観光地で対策が実施されたり、政府も新しい対策を講じたりしているようですが、訪日外国人1人当たりの消費額を増やすことを目標として掲げてみるのも悪くないでしょう。
そのために例えば、宿泊の消費額が多い英国向けには宿泊施設のPRを行う、同様に飲食の消費額が多いフランス向けに食に関するPRを行うなど、国別に異なるマーケティングを行うのも良いかもしれません。
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