ロックダウンの状況下で成長している【海外のビジネス例】まとめ
「コロナ騒動の中で生き残るために。いま業績が伸びている企業の特徴」では、ロックダウンや外出規制下でも伸びているビジネスをご紹介しました。前回の記事でご紹介したビジネスの多くは偶然成功した例でしたが、ロックダウンが始まって2か月近くになる現在のイギリスでは、戦略を立てて上手く切り抜けようとしている企業も増えてきました。この記事では日本の企業や小売業、個人でビジネスを運営する方も取り入れらられそうな海外のビジネス例をご紹介していきます。
手作りやDIYはやはり人気
前回の記事では、イギリスでDIYショップが思わぬ大盛況ぶりとなった例をご紹介しましたが、DIYや手芸など自宅で出来る「モノづくり」系のホビーグッズの人気は続いています。オンラインで手芸用品を販売しているStitch & Storyは、編み物初心者の人でもすぐに始められるような詳しい解説付きのキットを販売し、ロックダウンが開始した3月の売り上げが8倍に伸びました。Stitch & Storyは大手の企業ではなく、たった11人のスタッフで運営されています。個人商店や個人の作家の方でも、説明書付きの手作りキットの販売は可能なのではないでしょうか。小さなビジネスである強みを利用して、キットを購入した顧客向けにオンラインワークショップを行うなど、他のアイディアと結びつけることも可能です。
オンラインフィットネスも好調
日本でも「筋トレ」がブームとなっており、健康的な美しさを求める女性がジムに通うのも珍しくなくなってきています。こういったブームは実は世界的にも見られ、女性向けのフィットネスアプリも続々とリリースされています。昨年の1月にリリースされた Tone & Sculpt appもその一つで、ロックダウン中にダウンロード数を88%増加させました。ジムに通うことのできない状況下でも、自宅で本格的なフィットネスを楽しめるということで人気を集めています。アプリを開発するのは技術や時間が必要ですが、フリーランスのフィットネスやヨガのインストラクターなら、オンラインを使った動画配信やイベントを企画しても良いかもしれません。
ファッション&アパレル業界に朗報
外出する機会がほぼスーパーマーケットへの買い出しのみに制限されている現在、お洒落をして出掛ける必要もなくなり、大幅に売り上げが下がってしまったアパレルメーカーや小売店は多いでしょう。しかし、外出着の需要は減ってしまったものの、自宅で過ごす時間が増えたため部屋着やパジャマの需要は伸びています。イギリスのオンラインファッション通販サイトのBoohooは、自宅でリラックスする際にも着られ、ZOOM飲み会の際にもお洒落に見えるフーディーやジョガーなどのアイテムが多く、この分野で売り上げを伸ばしました。Boohoo.comを検索して気が付くのは、トップページに掲載されている商品がこのような現在の売れ筋で構成されているということです。生産に時間を要するアパレル業界ではありますが、WEBショップを運営してる場合は、現在持っている在庫の中から自宅で快適に過ごせるアイテムをピックアップして、トップページにディスプレイしても良いでしょう。また、オンライン会議の場合は上半身だけオフィス着風に見せる必要があるため、シャツの売り上げは平年並みというメーカーも多いようです。今後、自宅で快適に過ごせる上に、オンライン会議に対応できるストレッチ素材やカットソー素材のシャツを企画すれば、売れる可能性もあるかもしれません。
観光・旅行業界もオンラインで新しい体験を
観光や旅行業界も最も大きな打撃を受けている業界のひとつと言えるでしょう。イギリスのツアー会社のTravel Curiousは、契約している現地ツアーガイドを使いバーチャルツアーを慣行しています。ロックダウン中ではありますが、ヨーロッパの多くの都市ではソーシャルディスタンスを保った上での散歩は認められています。そのため、ツアーガイドが住んでいる街を散歩しながら一人で動画を撮るのは、政府のルールに違反しません。Travel Curiousはツアーガイドが撮影した動画をInstagramのライブで公開し、動画の最後に視聴者がチップを支払うという形式を採用しています。旅行に行くことができない視聴者を楽しませることができる上に、ツアーガイドにとっても貴重な収入元となります。Travel Curiousは設立して12か月の若い会社ですが、このような新しいアイディアが危機を乗り切るキーとなります。
番外編:Facebookの募金システムを使う
「成長しているビジネス例まとめ」というテーマの記事ではありますが、運転資金が底をつきそうで、ビジネス事態の存続が危ういという緊急時に利用できる例もご紹介します。あまり日本では馴染みがないようですが、Facebookには昨年から募金機能が導入されました。自分自身でも友人のためにでも寄付を募ることが可能です。この機能を使えば、一時的に危機を凌ぐことができるかもしれません。ロックダウンが始まって2か月近くになるイギリスでは、このシステムを利用しているレストランやバーのオーナーをFacebook上で見かけることも珍しくなくなってきました。固定客やファンの多い店舗の場合は次々にシェアされ、たった1日で想定した金額を超えるということも珍しくありません。ロックダウン後の来店の際に、ドリンクをサービスしたり割引をしたりするなどの特典を付ければ、顧客へ恩返しもできます。
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