東京に住む意味はあるの?田舎に移住しても仕事できるとしたら

東京住む意味東京の人口の約44%が東京出身ではないというデータがある通り、都市部に住む人の半数近くが別の地方出身です。弊社のオフィスのあるロンドンの場合、人口の44.9%がイギリス生まれの白人、37%がヨーロッパ出身、24.5%がその他の国の出身で、ロンドン出身のイギリス人に絞るとさらに低いパーセンテージとなることが予想されます。

東京に住むメリットは?

東京やロンドンのような都市部へこれだけ多くの地方出身者(ロンドンの場合は外国人も含む)が移住するのには、それ相応のメリットからなのでしょう。都市部に住むメリットとしては、雇用が多く賃金が高いこと、利便性が高いこと、エンターテインメントが多いことが挙げられます。実際に、東京に住む人の平均年収と地方に住む人の平均年収には100万円以上の差があるといわれています。賃金の面だけを見ても、東京に住むことのメリットは大きいように思われます。しかし、地方や田舎でも同じようなメリットが得られるとしたら、都市部に住む意味を見出すことはできるでしょうか。

東京などの都市部に住むメリットは本当にあるの?

コロナウイルスの感染拡大やロックダウンが起こる前から、日常的な会話の中で「都市部に住む意味とは?」という議論が交わされることがありました。ここでは都市部に住むデメリットについて考えていきます。

便利なようで…

都市部は交通網が発達しており、どこへ行くにも不自由はないように思われます。しかし満員電車での通勤や帰宅から逃れるのは難しく、道路事情を見ても渋滞が多発しており、むしろ不自由だとさえ感じるかもしれません。コロナウイルスの感染拡大によって、混雑する公共交通機関を利用することへ恐怖感を覚える人も増えてきているのではないでしょうか。必要な物資を得るということに関しても、必ずしも都市部が便利だとは言えなくなってきています。オンラインで必要なほとんどの物を購入することができるようになった現在、離島や山間部でない限り、どこでもほぼ同じように物資を手に入れることができます。また、今回のコロナウイルスの感染拡大の際には、地方にはまだ在庫があるにも関わらず、都市部の方からマスクや消毒液などの物資が不足していきました。流通のシステムに改善の余地があることは否めませんが、緊急事態においては、都市部に住んでいることがデメリットになり得ることがわかります。

エンターテインメントが消えた今、思うのは?

都市部のメリットとして、エンターテイメントが多いことも挙げられます。しかし、バーやレストランが閉鎖され、多くのイベントも中止となっているロックダウンの状況下ではこのメリットを得ることができません。英ガーディアンのコラムニストRhiannon Lucy Cosslettさんは、ロンドンでロックダウンしていると、地方でロックダウンしている家族がうらやましく思えるというコラムを寄稿しています。Rhiannon Lucy Cosslettさんは、ロンドンで生まれたものの少女時代を地方で暮らし、14年前に再度ロンドンに住み始めたため、地方出身者の感覚を持っているロンドン在住者のひとりと言えるでしょう。ロックダウンの状況が永遠に続くわけではありませんが、繰り返す可能性もあります。同じような状況となった場合、東京の小さなアパートに住むより、地方の自然に囲まれた家で暮らした方が豊かな気持ちになれるのではないでしょうか。

都市部の危険性

都市部はコロナウイルスの感染者も多く、人口の密集度から考えても感染のリスクは地方ようにも高いと言えるでしょう。2015年にはパリでテロの起き、ロンドンでも同じようなテロが起こる可能性があるのではと心配する声が上がり、実際に都市部を離れる人も増え始めました。地方の静かな街でも感染のリスクや犯罪のリスクはゼロではありません。しかし、都市部に比べれば低いといえるのは事実なのではないでしょうか。

田舎移住は失敗しそう?仕事がない?

多くのデメリットがあるにも関わらず、人々が都市部を離れられないのは、田舎移住した場合の「仕事が見つからない」、「賃金が低くなる」という心配があまりにも大きいからなのでしょう。また、「エンタテインメントがない」というのも大きいかもしれません。しかし、今後はこのようなデメリットが解消され、実際に田舎や地方に移住する人が増えるのではないかと予想されます。次回の記事では、その理由をご紹介していきます。

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