コロナ収束後のニューワールドのトレンド2「企業にとってのサステナビリティとは」

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前回の記事(コロナ収束後のニューワールドのトレンド1「実店舗のあり方が変わる」)では、トレンドの1つになるであろう「実店舗とオンラインの両立」についてお話しましたが、今回の記事では他にもトレンドの1つになるであろう「サステナビリティ」についてお話ししていきます。

サステナビリティとは何か

ここ最近になって日本でもよく耳にするようになった「サステナビリティ」という言葉ですが、Oxford Learner's Dictionariesによると英語のsustainabilityは、下記の2つの意味に定義されています。

1.the use of natural products and energy in a way that does not harm the environment2.the ability to continue or be continued for a long time

1.天然の製品やエネルギーを環境に差し支えない方法で使用すること2.長い期間持続可能であること

企業にとってのサステナビリティとは

企業にとっての「サステナビリティ」は、CSR(Corporate social responsibility企業の社会的責任)と同義語として使われることも多いようです。日本の企業にとってのCSRは、「できる限り環境に配慮しながら、消費者に良いサービスや商品を提供して納税する。利益の一部を社会貢献に充てる」というイメージが強いかもしれません。しかし、欧米の企業では「長期的に見る」と「社会や環境への貢献と財務リターンは矛盾してはならない」という考え方が加えられることが一般的です。CSRではなく、コーポレート・サステナビリティという言葉が使用されることも多いようです。簡単な例を挙げるなら「社会に貢献する活動にはコストがかかるものの、長期的に見れば企業イメージが向上して利益を生む」というマーケティングが考えられます。

どうして今「サステナビリティ」なのか

「サステナビリティ」は数年前から注目され始めた事柄ではありますが、コロナウイルスの感染拡大に伴って、個人レベルでも社会のためや他の人々のためにどう行動するべきかを考える機会が増えました。このようなマインドが、社会や環境に配慮したものを求める消費者が増える傾向を生むと予想されます。

イギリス企業の取り組み

コロナウイルスの感染拡大によって先進国での需要が激減すれば、その影響は下請け工場の労働者の生活環境の悪化にもつながります。世界中のアパレル製品の工場があるバングラデシュでは、現在100万人以上の労働者が職を失ったり、給料が支払われなかったりという状況に置かれています。大手アパレルメーカーが自社の損害を最小限に抑えるために、オーダーをキャンセルしたというニュースも伝えられています。生産が終わった商品もキャンセルになっており、それらの商品は廃棄処分という末路をたどります。イギリスでは、こういった商品を流通させ、さらに向上の労働者へ売り上げを還元するというサービスが話題を呼んでいます。

季節はずれのイギリス版福袋?

イギリスのオンラインショッピングサイトとアプリ「Mallzee」は、「Lost Stock」という新たなサービスを始めました。「Mallzee」のサービスは、まるで出会い系アプリのTinderのようにショッピングを楽しむということをコンセプトにしているため、「Lost Stock」では注文する前に、まずは買い手の趣味趣向をチェックする質問に答えます。質問に答えて注文すると、6~8週間後に3着以上の商品が入ったボックスが届けられます。この商品は行き場を失った在庫(Lost Stock)から選ばれたもので、倍以上の価格で販売される予定だったものを1箱£35(約4500円)で購入することができます。ボックスを1つ購入することが、生産地の家族1週間分の生活の支援になります。商品を選ぶことはできませんが、福袋を購入するような感覚で楽しむこともできるのではないでしょうか。現在はイギリス国内の発送のみ販売されていますが、既に6万箱を超える注文が入っています。

アイディア次第で面白い活動に

社会に貢献し、企業の利益を生み、さらに消費者を楽しませるような活動にはアイディアが必要になります。弊社は海外進出のサポートを行っていますが、日本ではまだ珍しいビジネスのアイディアをご紹介することも可能です。「お問い合わせ」より、お気軽にご相談ください。

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