SDGs取り組み事例|サステナブルな経営は企業にもメリットあり?
現時点では認証規格のないSDGsですが、すでに「SDGsウォッシュ」という、うわべだけの取り組みを揶揄する言葉があります。
うわべだけの取り組みとは、たとえば「環境に配慮し、無農薬で生産したオーガニックコットンです」と謳いながら、無農薬であるがために農家の人が不眠不休で働かざるを得なくなっているというような状況を指します。
SNS等と通して一般消費者が情報発信できる時代であることが相まって、このような企業側が隠したいと思っている事実も明るみに出てしまう例は少なくありません。
そうなると、「SDGsなんて、よく分からないものには初めから手を出さない方が良い」という声が聞こえてきそうですが、SDGsに取り組まない企業は取引先をどんどん失っていく可能性があります。
SDGsに取り組む企業しか取引しない?
今月初頭(2021年7月)にポルシェは、「グリーンエナジーに切り替える意思のないサプライヤーとは、今後契約を結ばない」と公式に発表しました。
部品などを提供する企業は事実上、サステナブルなエネルギーを使う(SDGsに取り組む)か、大手メーカーとの取引を失うかという二択に迫られています。
ポルシェは日本のメーカーではないから関係ないと感じるかもしれませんが、日本の多くの大手企業もSDGsに取り組んでいます。
そのような企業にとっては、SDGsに取り組まないサプライヤーとの契約はイメージダウンにつながるため、あまり好ましくありません。
SDGsに取り組む大手日本企業とは?
未来の都市づくりに貢献するトヨタ
少子高齢化の進む地方都市では赤字路線のバスが廃止されたり、バス停から離れたところに高齢者の方が暮らしたりということが、珍しくありません。
このような状況を解決するために、トヨタが開発したのが多目的の電気自動車「e-Palette」です。
自動運転機能を搭載しており、車椅子での乗り降りでも苦労の少ない作りになっているため、高齢者の方の送迎に適しています。
また、「e-Palette」を移動スーパーマーケットのような店舗として活用することも可能であるため、買い物に出向くのが難しい方でも、生活しやすい環境を作ることができます。
SDGsの11.「住み続けられるまちづくりを」を実現するのに大きく貢献するのではないでしょうか。
AIの活用でSDGsに取り組む三菱電機
2050年までには、世界中の都市部に人口の68%が密集すると言われています。
少子高齢化の進む日本では都市部の高齢者の数が増加し、それに対して働く世代の人口が少ないため、人手不足が懸念されています。
三菱電機の映像解析ソリューション「kizkia」は、監視カメラの映像をAIがリアルタイムで解析するため、高齢者や障がい者、立ち止まっている人、ふらふらしている人など、手助けが必要な人を瞬時に検知します。
また、不審者や犯罪の発見にも役立つため、安全で住みやすい街を実現します。
SDGs経営調査で星4.5のソフトバンク
第2回日経「SDGs経営」調査で、ソフトバンクは「SDGs戦略・経済価値」の分野で最高評価を獲得しました。
ソフトバンクの経営理念は「情報革命で人々を幸せに」であるため、SDGsの理念にも近いと言えます。
多岐に渡ってSDGsに貢献しているソフトバンクですが、10.「人や国の不平等をなくそう」や11.「住み続けられるまちづくりを」を達成するために、電波の届かない地域をなくして情報格差をなくすという取り組みが有名です。
SDGsに取り組む企業のメリットは?
上記で事例を挙げたような大手企業だけではなく、現在は多くの日本企業がSDGsに取り組んでいます。
そのメリットは、・取引先から信用を得やすい ・製品やサービスに付加価値を付けることで、価格競争に囚われる必要がない ・志の高い人材を得られる ・社員に一体感が生まれる……など、枚挙に暇がありません。
せっかくSDGsに取り組んでいるのなら、企業としてそれを消費者にもアピールしたいのではないでしょうか。
SDGsロゴやアイコンのダウンロード方法
SDGsに取り組んでいることを視覚的に伝えるために、企業のWEBサイトなどでSDGsのロゴを使いたいと考えている方も多いかもしれません。
実はSDGsのロゴは商用目的でないなら、使用許可を取得しなくても自由に使うことができます。
下記のURLにアクセスすれば、ロゴのダウンロード、ロゴの使い方の詳しいガイドラインの入手が可能です。
SDGsのポスター・ロゴ・アイコンおよびガイドライン(国際連合広報センター)https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/sdgs_logo/
SDGsの取り組みをもっと知りたい
今回は日本の大手企業のSDGsの取り組み事例をご紹介しましたが、他にももっと面白い事例があれば参考にしたいと思った方も多いかもしれません。
次回の記事では、海外企業のSDGsの取り組みをご紹介していきます。