SDGsの意味とは?【17の目標&ロゴと問題点】
SDGsとは?
SDGsとは「Sustainable Development Goals」の頭文字を取った略称で、持続可能な開発目標を意味しています。最後の「Gs」はGoals(ゴールズ)の略を表しているため、「エス・ディー・ジーズ」と発音します。
これは、2015年9月の国連サミットで加盟国193ヶ国によって全会一致で採択された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。地球環境保護、貧困・飢餓問題、経済成長などの幅広い課題が網羅され、「誰一人取り残さない」ことが協調されています。
SDGsが採択された背景には
SDGsが採択された背景には、1970年代から続く地球資源の枯渇や環境問題への危機意識があります。1987年の時点で、「環境と開発に関する世界委員会」で公表された報告書内において「Sustainable Development(持続可能な開発)」が課題として取り上げられていました。「サステナビリティ」という概念は、近年あちこちで耳にするようになりましたが、実は30年以上も前に既に存在していたのです。
※「サステナビリティ」についてはこちらをご覧ください。
→ サステナブルってどういう意味?エコとの違い【3分でわかる使い方】
その後、2000年の国連ミレニアムサミットにおいて、SDGsの前身であるMDGs、すなわち「Millennium Development Goals (ミレニアム開発目標)」が採択され、2015年9月、その後継としてSDGsが誕生しました。MDGsが貧困などの限定された社会問題を対象としていたのに対し、SDGsでは先進国も含むすべての国の気候変動、経済成長など、より幅広い問題解決を対象としているのが特徴です。
SDGsとパリ協定との関係は
同年11月に採択されたパリ協定は、気候変動を抑制するために世界各国で協力して取り組む事を定めた国際的な協定です。SDGsと単純にイコールで結ばれるものではありませんが、2019年に国連経済社会局(UNDESA)と国連気候変動枠組条約(UNFCCC)が、当協定の目標とSDGsの両方を相乗効果を生みつつ達成する方法に関する報告書を公表し、関連付けて捉える風潮にあります。
SDGs【17の目標とロゴ一覧】
SDGsは、17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。日本語版ロゴとともに簡単に一覧にしました。
sdgs 1 貧困をなくそう
あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
sdgs 2 飢餓をゼロに
飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する
sdgs 3 すべての人に健康と福祉を
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
sdgs 4 質の高い教育をみんなに
すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
sdgs 5 ジェンダー平等を実現しよう
ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
sdgs 6 安全な水とトイレを世界中に
すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する
sdgs 7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに
すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネ ルギーへのアクセスを確保する
sdgs 8 働きがいも経済成長も
すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する
sdgs 9 産業と技術革新の基盤をつくろう
強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る
sdgs 10 人や国の不平等をなくそう
国内および国家間の格差を是正する
sdgs 11 住み続けられるまちづくりを
都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする
sdgs 12 つくる責任 つかう責任
持続可能な消費と生産のパターンを確保する
sdgs 13 気候変動に具体的な対策を
気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
sdgs 14 海の豊かさを守ろう
海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する
sdgs 15 陸の豊かさも守ろう
陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
sdgs 16 平和と公正をすべての人に
持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する
sdgs 17 パートナーシップで目標を達成しよう
持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
SDGs【169のターゲットと232の指標】とは?
17の目標それぞれに大体10くらいのターゲットが定められています。各項目のターゲットを合計すると169個あるため169のターゲットと言われています。
例えば、「sdgs 1 貧困をなくそう」のターゲットには、「2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる」「2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、全ての年齢の男性、女性、子供の割合を半減させる」などというものがあります。
このターゲットには具体的な数値で示されているものもあれば、そうでない曖昧なものもあったため、更に詳細な数値目標が決められた232の指標(重複を除き)が定められました。
※69のターゲットと232の指標の詳細はこちらをご覧ください。
外務省:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/statistics/index.html
SDGsに企業が取り組む場合の問題点
自社の事業を通じてSDGsにコミットすることができなければ、持続可能な活動にすることができません。本業と別枠で活動すれば、利益にならない限り続けていくことが難しいからです。そのため、製品の原材料をサステナブルなものに変更したり、サプライチェーンの見直しが必要となってきますが、コストも人材も余分にかかることになります。新たな業務が発生し、社員の中には理解ができずに会社への信頼を失くす人もでてくるかもしれません。
また、SDGsには今のところ認証規格がありませんので「SDGsウォッシュ(うわべだけの取り組み)」にならないように気を付けなければなりません。企業イメージを高めるために意図的にしている訳でなくとも、下請け企業での不適切な労働など、気づかないところで行われている可能性もあります。
このように問題点はありますが、SDGsへの取り組みには企業イメージの向上や生存戦略に繋がるなどのメリットも、もちろんあります。環境配慮型のサプライチェーンの構築は、持続可能なビジネスモデルを再構築することでもあるため、長期的に見れば自社に利益を生み出すことに繋がるとも言えるからです。
次回の記事では、SDGsに取り組みたい企業の方向けのより詳細な内容を想定しています。ロゴの使用方法についてもこちらをご覧ください。