サステナブルとは【わかりやすく簡単に】エコとの違い&使い方
ここ数年、「サステナブル」という言葉をよく耳にするようになりましたが、その背景には、2015年9月に国連で採択されたSDGs(サステナブル・ディベロップメント・ゴールズの略)があります。
国連は1987年から「サステナブル・ディベロップメント」の提唱を始めており、欧米では度々話題に上ることもありましたが、日本では急速に普及した言葉であるため、意味や使い方がよく分からないという方も多いのではないでしょうか。
「サステナブル」は一時的な流行語ではなく、今後も社会全体で意識していくべき大切な事柄です。
ここでは、簡単にわかりやすく「サステナブル」という言葉について解説していきます。
↓SDGsに関してはこちらの記事で詳しく解説しております。
サステナブルの意味&使い方を簡単に解説
「サステナブル」は英語のsustainableが元になっており、日本語には「持続可能な」と訳されます。
「持続する」を意味する動詞のsustainと、「~できる」を意味するableの2語を足して1語となったと考えると、分かりやすいかもしれません。
カタカナでは「サスティナブル」と小さい「ィ」を入れて表記されることもありますが、どちらも意味は同じです。
また、類似の言葉では「サステナビリティ」があります。「サステナブル」は形容詞ですが、「サステナビリティ」は「持続可能性」という意味を持つ名詞です。
それぞれの品詞を考慮した使い方の例としては、同じ「製品」を説明する場合なら、「サステナブルな製品」または「サステナビリティのある製品」という表現が妥当です。
エコとの違いとは何?
「サステナブル」は、「エコ」と近い意味合いで使われることが多いにも関わらず、日本語訳が「持続可能な」であるため、なぜ?と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
エコな物や行動のほとんどがサステナブルでもあるため、言葉の意味はイコールではないのに、同じような状況で使われることが多いのです。
たとえばプラスチックは一般的に、環境に配慮したエコな素材ではないのと同時に、サステナブルな素材でもありません。
なぜなら海洋ゴミ等の環境問題を引き起こすため、「将来的に使い続けることが望ましくない≒持続可能ではない」からです。
プラスチックごみを減らし、土に還る素材やリサイクル可能な素材に置き換えることは、エコであるのと同時にサステナブルであるといえます。
エコ以外の意味合いもある?
「サステナブル」は「持続可能な」と訳されるのですが、「“何が”持続可能であるべきか」分かりにくいため、理解が難しい言葉になってしまっているのかもしれません。
持続可能であるべきものは、地球とそこに住む人類だと考えると納得がいきます。
そのためサステナブルな活動には環境への配慮以外にも、貧困や社会の格差をなくす人類全体の幸福実現があります。
「倫理的な」と訳される「エシカル」に近い考え方です。
「サステナブル」は、「エコやエシカルと何が違うの?」と考え込んでしまうより、その両方を取り入れた概念だと考えた方が理解しやすいかもしれません。
サステナブルな社会のためにできること
冒頭で触れたSDGsは、日本語に訳すと「持続的な開発目標」となるため、消費者である自分には関係ないとも感じられるかもしれません。
しかしレジ袋が有料化されたことからも分かるように、消費者が使用をやめない限り、環境に悪いものであったとしても、開発する側は同様の製品を作り続けてしまいます。
サステナブルな社会を実現するためには、環境への配慮はもちろんのこと、流通している製品の生産背景を学び、信用できる製品を選んで購入することも大切です。
なぜなら、思わず買いたくなる安価な割に見栄えの良い物は、工場の人が低賃金で長時間労働を強いられて作った物かもしれません。
欧米では、サステナブルな生産背景の製品でなければ買わないという人が増えており、企業側は資材の調達ルートなどを含めた生産背景を見直すことが、必要になってきています。
消費者ひとりひとりが「サステナブルな人」を目指すことで、社会全体を変えていけるのではないでしょうか。
サステナブルについてもっと詳しく
SGDsって意味あるの?と思う方へ
●メディアのゴリ押しでしょ?という声もありますが…
テレビや雑誌など、様々なメディアで急に騒がれ始めたようにも見える「サステナブル」や「SDGs」。騒ぐことによって誰かが得しているのでは?と、不信感を抱いている方も多いかもしれません。
たしかに得する人がいないと言い切ることはできませんが、個人で取り組むことにも意味があるはずです。詳しくはこちらの記事で解説しています。
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●企業にとってのメリットは?
ここ最近では企業の公式HPなどに、各々の企業が取り組むSDGsが明記されていることも少なくありません。企業にとっては、時間やコストのかかるサステナブルやSDGsに関する取り組みですが、企業側にとってメリットもあります。
こちらの記事では、日本の大手企業の取り組み事例や、そのメリットを解説しています。
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SDGs取り組み事例|サステナブルな経営は企業にもメリットあり?
●SDGsランキングから見る海外の取り組み
日本でも政府や多くの企業がSDGsに取り組んでおり、2021年SDGsランキングには18位というまずまずの成績を収めました。しかしながら、1~10位にはずらりとヨーロッパの国々がランクインしています。
こちらの記事では上位にランクインした欧州の国々の取り組みを紹介しています。日本ではあまり見かけない取り組みや、そんな取り組みもSDGsなの?と驚くような取り組みもあるため、新しい発見につながります。
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【2021年最新】SDGsランキング & 課題と「欧州の取り組み事例」
様々な業界のサステナブルな取り組みまとめ
観光・旅行業界のSDGs
●コロナ後の新しいツーリズム?
少しずつ自由に観光や旅行のできるムードにはなってきていますが、それと同時に観光地のごみ問題や地域住民への配慮などの課題も見えてきます。国内外の成功事例をまとめました。
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食品業界のSDGs
●ビーガンが環境を守る?
ビーガンというと、美容や健康のために動物性の食品を避けている人たちというイメージがあるかもしれませんが、動物性の食品を避ける意味はそれだけではありません。動物愛護はもちろんのこと、環境保護にもつながっているのです。
ビーガンがよく分からない!という問題は、こちらで解決できます。
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●ビーガンでも食べられる肉について
欧米ではビーガン人口の増加に伴って、肉や乳製品の代替食品の需要が伸びています。代替フードにはどんなものがあるの?という疑問には、こちらでお答えします。
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ソイミートもサステナブルフード?英国で人気の代替食品と市場の現状
●日本食はサステナブルフード?
サステナブルへの関心が高まる中、日本人は元々サステナブルフードを食べているのでは?と、海外から注目が集まっています。
日本食のどのような部分がサステナブルなのか分かれば、海外向け食品ビジネスにも生かせます。
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●個人の取り組みも重要な食品ロス問題
日本では、1日1人当たり茶わん1杯分の食材が廃棄されているというデータがあります。SDGsにあまり関心がなくても、食べ物を無駄にしてはならないと考える人は多いのではないでしょうか。
家庭の食品ロスを減らすことで、世界の飢餓をなくすことに貢献できるかもしれません。
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SDGs 日&英企業の食品ロスへの取り組み。個人でも出来ることは?
ファッション・アパレル業界のSDGs
●SDGsを知る前に繊維の基本知識も
世界2番目の汚染産業と言わせているアパレル業界。SDGsな新素材に関する情報に加えて、実は業界の人以外にはあまり知らせていない繊維の基本知識もまとめました。
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●汚染産業と呼ばせない「SDGsな繊維開発」
環境に良い物を求める消費者が増える中、ファッション業界にも変革が求められています。メーカーやブランドがSDGsに取り組むに当たり、環境に負荷の少ないマテリアルの需要が伸びています。こちらの記事では、海外企業の新素材について詳しく解説しています。
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SDGsな再生繊維。リサイクル循環を可能にする海外企業の繊維技術例
●SDGsな素材といえばオーガニックコットン
環境や人権に配慮した天然繊維であるオーガニックコットンは、ナチュラル志向の消費者に大変人気の高い素材です。こちらの記事では、なんとなく環境に良さそうというイメージのオーガニックコットンの現状についてまとめました。
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オーガニックコットンとは?メリットと日本の問題点(6月27日公開予定)