【2022年】ファッショントレンドキーワード|Y2Kとは?
コロナ禍で出掛ける機会の少なかったこの2年間は、ルームウェアなどの一部の製品を除いて、一般的なアパレル製品の需要は落ち込んでいました。
しかし今年2022年に入って徐々に行動制限が解除され始めたため、現在は世界中の消費者が「リベンジ・バイイング」の欲求に駆られています。マッキンゼーの予想では、2022年のアパレル製品のグローバル消費はコロナ禍以前である2019年の103~108%となる見込みです。
そこでこの記事では、せっかくの消費増加の波に乗り遅れないため、2022年のファッション業界のトレンドをお伝えしていきます。時代の流れは別の業界でも共通している部分があるため、ファッションのトレンドを通して2022年の大まかな傾向をつかむことも可能です。
2022年ファッショントレンドキーワード
Z世代を中心に人気「Y2Kファッション」
Y2Kとは「Year2000」の短縮形です。Kはキロという単位でも使われるように、1000を意味しています。今年2022年は、2000年頃に流行していたファッションのリバイバルブームが起き始めています。
ファッションは一般的に20年毎にリバイバルすると言われています。その理由は、流行の中心となる10~20代の若者が20年前をリアルタイムで知らないため、その頃のファッションがちょうど彼ら&彼女らには新鮮に見えるからです。
2000年代といえば、ヒルトン姉妹などのLAのセレブや、ブリトニー・スピアーズなどのポップスターがファッションアイコンで、派手で自己主張の強いテイストがトレンドでした。2022年のカラートレンドもイエローやパープルなどのヴィヴィッドな色が中心であるため、Y2Kファッションとマッチしています。
また、自信に満ち溢れたエネルギッシュな2000年代のムードが、我慢を強いられてきたコロナ禍から脱却したいという現在の消費者の心情ともマッチしているようです。
具体的なアイテムやディテールとしては、ローライズのボトムス、ミニスカート、クロップド丈のトップス、厚底の靴、見ごろや袖の一部を切り開いたカットオフなどが挙げられます。
「自分のため」のファッション
2000年代初頭の日本では、LAセレブ系と類似系統の浜崎あゆみさんなどの歌姫に影響を受けた「ギャル系」ファッションが流行する一方で、男性から好まれることを意識した「お嬢様風」や「女子アナ風」のファッションも流行していました。
これら2つの系統には共通点がないように思われますが、一方ではセクシーさ、もう一方ではフェミニンさと評されるような、女性的なファッションであるという点に置いては似通っています。
Z世代の若者の多くは他者からどう見られるかということではなく、自分が着ていて心地の良い物や気分が高揚する物という基準で衣服を選ぶことが多いため、2000年代風の肌の露出が多めなファッションといえども、他者へのアピールではありません。「ヘルシーな肌見せ」が、2022年の新しいY2Kファッションの特徴といえそうです。
性別は関係ない「ジェンダーレスファッション」
「自分のため」のファッションは、Z世代のファッションにおけるキーワードであるのと同時に、コロナ禍において多くの人たちが求めていたファッションでもあります。外出の機会が減り自宅で過ごすことに慣れたため、他者からの目線を気にしないファッションに快適性を見出した消費者が増えてきているのです。
このようなファッションの代表的なものに「ジェンダーレス」があります。「ジェンダーレスファッション」とは、シフォンやレースなどの柔らかい素材は女性向け、デニムやレザーなどのハードな素材は男性向けなどの固定概念に囚われず、自分が良いと思ったものを性に関係なく着こなすことです。女性が男装をするor男性が女装をするような、自認している性と逆の性別のファッションではなく、性別に囚われないファッションを楽しむということを意味しています。
ジェンダーレスファッションは、2015年にグッチのクリエイティブディレクターに就任したアレッサンドロ・ミケーレ氏が新しく持ち込んだ概念だと言われており、近年では多くのアパレルブランドが、対象の性を絞らない「ジェンダーレス」な製品を展開しています。
たとえば、英国のアパレルブランドRiley Studioは「ジェンダーレスにデザインすること」をコンセプトにしており、シンプルなシャツやニットなどのアイテムを取り揃えています。レディースとメンズで、サイズ展開を分けていないことも特徴です。
アパレルブランドだけではなく、ジュエリーブランドにも同じような傾向が見られます。昨年2021年には、パールジュエリーのミキモトもジェンダーレスコレクションを発表しています。1893年から続く長い歴史の中で、初めて男性モデルを起用したことで話題になりましたが、女性モデルにマスキュリンなスタイリングをしたことも話題となりました。
2022年の消費増加の波に乗るために
世界情勢はなかなか安定しませんが、多くの消費者はショッピングに対して前向きになっています。トレンドを読みながら、せっかくの波に乗ってみてはいかがでしょう。
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