フェムテックとは?フェムケアとの違い❘海外企業の商品事例

流行語のフェムテックとはどういう意味ですか?

フェムテックは2021年の新語・流行語大賞にノミネートされ、現在注目が集まる言葉の一つではありますが、はっきりと意味を説明できない方も多いのではないでしょうか。

フェムテックとは英語のfemale technology(フィーメール・テクノロジー)をfemtechと略して作られた造語で、女性が日常生活で我慢していることや不便に感じていることを技術の力で解決する製品やサービスを指します。

フェムテックはいつから始まった?認知度は?

フェムテックという言葉を最初に使用した人物や時期には諸説ありますが、2013年頃にドイツ発の月経管理アプリ「Clue」の代表者Ida Tin氏が、自身の運営するサービスを表す言葉として用いたことが最初だと言われています。

現在はfemtechがケンブリッジ英英辞典にも掲載されており、英語の一般名詞としても浸透しつつあるようです。しかしながら2021年のStatistaの調査では、イギリスの半数弱の人が「フェムテックが何か分からない」と回答しています。

フェムテックの定義は?どんな分野なの?

フェムテックは新語なので言葉としての認知度はまだまだですが、日本では6~8割程度の女性が月経管理アプリを使用しているというデータがあります。フェムテックを有名にした張本人ともいえる「Clue」も、海外では日本の「ルナルナ」のように多くの女性が利用しているアプリです。したがってフェムテックという言葉を知らなくても、いつの間にか使用している人は多いのです。

月経管理アプリがフェムテックなのは疑いようがありませんが、他のどのような製品やサービスがフェムテックに該当するのかは、今のところ明確な定義づけがないように見受けられます。

フェムテックとフェムケアの違いは

女性向けの製品やサービスで、テクノロジーを使っている場合はフェムテック、そうでない場合はフェムケアと、日本ではなんとなく分野を分けしているのが現状ではあります。

しかし、そもそもテクノロジーを全く使っていない製品やサービスなど、この世に存在しないのでは?という疑問もあります。例えば生理用ナプキンはフェムテック用品ではなく、フェムケア用品だと考えられることが多いようですが、高分子ポリマーのような科学技術が使われています。

また、海外では一般的にフェムケア(Femcare)という言葉がカンジダ症などの治療薬として認知されているので、フェムテックとフェムケアが混同しがちなのは日本語だけかもしれません。ちなみに英国にはFemcare Ltdという医療機器メーカーもあります。しかしながら、今のところ海外でもフェムテックの明確な定義はなさそうです。

フェムテック業界の中でも分野が分かれている?

女性特有の悩みは一つではないため、フェムテック業界もいくつかの分野に別れています。その分野は主に「月経(生理)」「妊娠(妊活や不妊治療も含む)」「更年期」の三つですが、他にもメンタルヘルス、セックス、美容に関する分野もあります。

フェムテックの対義語?男性版のメンテックとは

女性特有の悩みがあるということは、もちろん男性特有の悩みもあります。フェムテックの対義語は最近まで存在しなかったようですが、2022年に入ってからはメンテックという言葉も聞かれるようになりました。

メンテックには主に男性不妊、ED(勃起障害)、薄毛などの分野があります。不妊は女性の問題と捉えられがちですが、メンテックによってパートナー双方の問題と考える人が多くなるかもしれません。                                                                                     

世界のフェムテック市場規模の推移

フェムテックの市場規模は調査会社によってかなりバラつきがあるようですが、少なく見積もっても2025年には世界で約700臆ドルに上ります。また、いずれの調査会社の予測にも共通して言えるのはこの先3~8年で拡大する市場だということです。

海外のフェムテック事例 企業&商品 【アメリカ】

世界のフェムテック企業の約半数がアメリカの企業です。続いてイギリスが6%となるため、アメリカは企業数だけで見ると圧倒的です。このような背景には、アメリカには日本やイギリスのような国の医療保険がないことも上げられますが、フェムテック先進国であることは間違いなさそうです。ここではアメリカのユニークな企業とそのサービスや商品を紹介します。

生理に関する商品のEコマース-Womaness-

2020年に開始された新しいサービスであるにも関わらず、急成長を遂げているオンラインサイトです。

女性の体調不良には生理やホルモンバランスが関わっていることが多いため、サプリやスキンケア用品など、多岐に渡る生理に関する商品を販売しています。

商品の販売だけではなく、医師が監修したコンテンツ配信を行っていることが人気の秘密かもしれません。

 体外受精のサブスク-Future Family-             

アメリカで医療を受ける場合、初診料だけで10~20万円程度、体外受精には150~200万円程度かかると言われています。

Future Familyは体外受精や卵子凍結のサポートを月250ドルから受けられます。不妊に悩む人が費用面で体外受精を諦めなくても済む、日本ではあまり見ないサブスクリプションサービスです。

排卵日予測ブレスレット-Ava-

付けて眠るだけで、妊娠可能な5日間がいつなのかを教えてくれるブレスレットです。スマートフォンのブルートゥースをオンにしておくと、自動で同期してくれる機能もあります。

現在の販売価格は280ドル程度ですが、FDA(アメリカ食品医薬品局)の認証を受けているので、加入している保険によっては対象になることもあるようです。

フェムテックのビジネスは伸びる?

Statistaの調査レポートには日本のフェムテック市場に特化した詳細なデータが存在していたため、海外企業も日本のフェムテック市場に注目している可能性が高いです。

フェムテック市場が広がることで、日本人全体の女性の健康問題に関するリテラシーの向上につながっていくのではないでしょうか。

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