ペット家族化は世界的にトレンド?あったらいいなサービス例

ペット 家族化 あったらいいな サービス

ペットは家族じゃない?飛行機事故で論争が過熱

今年の羽田空港での飛行機事故では貨物室に預けられていたペット2匹が犠牲になりました。これに伴い、ペットは荷物ではなくて大切な家族だという意見がある一方、動物が苦手な人やアレルギーの人への配慮も必要だという意見も見られました。「ペットは家族」の声に対して違和感を覚える人や反対の人がいるのは確かですが、このような論争が巻き起こるということは、いずれにしてもペットに対する関心が高まっていることが伺えます。

世界&日本のペット業界の市場規模

Bloombergの調査によると、昨年2023年の世界のペット市場規模は3200億ドルでした。2030年までには5000 億ドルに上るとも予想されています。The Economistによると2019年のペットケア用品の消費額は金額の多い国から順に、1位米国、2位英国、3位フランスとなり、日本は7位にランクインしました。

日本だけを見ても2023年のペット市場は前年比4.1%増の5,802億円が見込まれており、物価の上昇率を加味しても成長市場であることが分かります。コロナ禍でペットを飼う人が増えた上、ペットにお金をかける人も増えています。この背景にはやはりペットの家族化/人間化があるといえるでしょう。

ペットの飼い主の「あったらいいな」

ペットを家族の一員だと考えている人にとって、食事や医療などペットの健康管理はとても大切です。健康管理に付随して、急な病気の際などにかかる出費を心配している人も多いようです。また、ペットを飼う人の悩みとして旅行など長期不在の際の世話があります。

このような悩みは日本だけでなく、世界中の飼い主の間で共通しています。そこでペットの飼い主の「あったらいいな」を叶える国内外のサービス例を紹介します。

「あったらいいな」を叶えるサービス例

ペットの健康を守るフード

ペットを家族だと考える人の多くはペットフードを「えさ」と呼ぶことに違和感を覚えます。このような考え方から、人間が食べても健康的で美味しいと感じるようなフードを与えたいという人も少なくありません。

米国のThe Farmer's Dogは人間が食べられるくらい安全なペットフードをサブスクリプションで注文できるサービスです。注文の際に簡単なアンケートがあるので、パーソナライズされたフードが届くことも人気の秘訣のようです。

また、ペットフードは意外に重いので買い物に手間がかかります。サブスクリプションサービスなら、自家用車のない人や一人暮らしの女性でも安心してペットを飼うことが出来ます。

ペット保険

2023年の日本のペット保険の加入率は10%程度となっており、それほど高いとはいえません。しかし70%以上のペットの飼い主がペット保険は必要と考えているため、今後伸びていく市場だと考えられてます。ペットの医療は通常では保険適用外になるため、医療費が高額すぎて治療を諦めざるを得ないケースもあります。米国では以前、ペットが病気になった際は安楽死させるという選択肢が主流でしたが、ペット保険に加入することで人間の家族のように治療を続けられるようになりました。

日本で今のところペット保険の加入が伸び悩んでいる要因としては、どの保険が自分のニーズに合うのか分かりにくいことが挙げられています。しかしながら様々な保険を比較するサービスなども出始めているので、このような不満も徐々に解消されそうです。

ペットテック

ペットテックとは、最先端の技術を駆使してペットの世話を支援する商品やサービスを指します。現在ペットテックで人気が高いのは、デバイス付きの首輪、専用アプリなどを通して体調管理を行える商品、外出先から自宅にいるペットの様子を見られるカメラなどです。

米国のButterfly Networkが開発した動物専用デバイス「Butterfly iQ + Vet」は、大手ペット小売業Petcoの店舗内にある動物病院で使用されています。このようにペットテックの主流もやはりペットの健康や安全を守る商品やサービスです。

スタートアップ企業によるペットシッターサービス

飼い主が旅行など長期の外出をする際、身近に世話を頼める人がいない場合、最初に思い浮かべるのはペット用のホテルではないでしょうか。しかしこのようなサービスがあっても、長い時間狭いケージに入れられるのは可哀そうだと旅行自体を諦める飼い主もいます。

そこで誕生したのが米国のスタートアップRoverによる、ペットの世話が必要な飼い主と、ペットの世話をしたいシッターのマッチングサービスです。現在は英国やヨーロッパでも展開しており、他にも類似サービスが続々と誕生しています。

ペットの預かりだけではなく、シッターが飼い主の家に滞在してペットの世話をするサービス、滞在ではなく訪問してフードの提供やトイレの掃除等をするサービス、散歩の代行などがあり、ペットの性格や必要に応じて選択することが出来ます。シッターの評価を見ることが出来るので、安心して任せられると評判も高いです。

強みを生かしてペット業界に参入してみては?

このようにペット業界は成長している市場で、続々と新しい商品やサービスが誕生しています。健康食品や加工食品を提供するビジネスなら、そのノウハウを生かしてペットフードに参入してみたり、テック系のビジネスならペットテックにも手を広げて見たりと、強みを生かしながらペット業界に挑戦するのも悪くないのではないでしょうか。

Previous
Previous

リターナブル容器は普及しない?国内・海外の対策事例&問題点

Next
Next

補助金活用で海外進出!ヨーロッパの展示会情報一覧【2024-2025】