世界のスタートアップ企業等が開発!「サステナブルな製品」事例

「スタートアップ」とは、一般的には「開始」「始動」「起動」などを意味する言葉ですが、IT企業が集まるシリコンバレーにおいて「革新的なアイデアで急成長する企業」を指すようになったことから、ビジネスにおいてはそのように用いられることが多くなった言葉です。

一方、「サステナブルな製品」とは、どのような商品でしょうか?それは、単に環境にやさしいだけでなく、社会や経済に与える影響も配慮された製品のことを指します。例えば、公正な労働環境で生産された製品や売り上げの一部が発展途上国の子どもたちを支援するために寄付される製品などです。

さらに、材料の調達から生産、販売から消費者によって廃棄されるまでのすべての過程においてサステナブルである必要もあります。

このように多方面に配慮が必要なサステナブル製品ですが、今回は「環境にやさしい」点に注目し、世界のスタートアップ企業の革新的なアイデアで生み出されたものをご紹介したいと思います。

 

スタートアップ企業等が生んだ「サステナブルで環境にやさしい製品」事例

サステナブルな製品事例① 芽が出るサステナブル鉛筆

スタートアップ企業Sprout World(デンマーク)

アメリカ、マサチューセッツ工科大学の学生グループが発明し、文具メーカーSprout World(スプラウトワールド)が商品化、特許を取得したスプラウトペンシル(植栽可能な鉛筆 / 芽が出る鉛筆)は、プラスチック製のペンや鉛筆に代わる環境にやさしい代替品として世界中で人気が高まっています。

スプラウトペンシルの末端部分は水溶性の黒いカプセルになっていて、植物の種が入っています。そのため、鉛筆が短くなって使えなくなった際に土の中に埋めて水をやると、カプセルが溶けて種が土の中に露出し、ハーブや野菜、花などが育つというわけです。

さらに、鉛筆の木製部分には認定された天然の木材を、軸の部分には鉛ではなく、炭に熱処理を加えることで生成される炭素のみで構成されたグラファイトを使用しています。

役目を終えた物が新たな命に生まれ変わる、持続可能なエコフレンドリーアイテムと言えます。

サステナブルな製品事例② りんごの木になるサステナブルスニーカー

スタートアップ企業Johnny Footwear(カナダ)

Johnny Footwear(ジョニーフットウェア)開発のスニーカー、Johnnyは、100%生分解可能な素材でできているため土に埋めることができるだけでなく、ソール部分にりんごの種が入っていることで注目されています。履きつぶした後土に埋めると、最長3年かけて自然に分解され、最終的に肥料でコーティングされたりんごの種が残るため、上手くいけばりんごの木が育つことになっています。

「Johnny」という名前は、19世紀初頭のアメリカ合衆国でリンゴの種を植えて回った開拓者、Johnny Appleseed(ジョニー・アップルシード)に因んで名づけたそうです。

他にも、撥水加工のために自然由来の蜜蝋を、靴底には消臭効果とクッション性を備えた天然のコルクを使用するなど、機能性と持続可能性を兼ね備えた工夫が細部にまで施されています。

サステナブルな製品事例③ 海藻など天然素材でできたスニーカー

スタートアップファッションブランドFlower Mountain(日本)

中国と日本出身のシューズデザイナー2人によって、2015年にスタートしたシューズブランドFlower Mountain(フラワーマウンテン)。今はなき伝説のセレクトショップ、Colette(コレット)を皮切りに数々の有名ショップバイヤーが買い付けたことで、瞬く間に著名なブランドに。日本ではなく海外市場から攻めたことで、日本では逆輸入ブランドとしてご存知の方も多いのではないでしょうか。

当ブランドが手掛けるYamano Kaisoスニーカーシリーズは、「Kaiso」と名の付く通り、海藻などの天然資源をリサイクル素材や生物由来の素材と併用することで、化石資源由来の製品の使用量を減らし、結果的に二酸化炭素排出量を削減するようにデザインされています。

また、フラワーを思わせる穴飾り、滑らかな曲線が重なり合った自然を思わせる絶妙な配色のディティールは、職人の手仕事でこそ表現できるものであり、工業製品というより工芸品に近いものづくりである点も高く評価されています。

サステナブルな製品事例④ 寒天由来の梱包材

デザインユニットAMAM(日本)

※企業ではありませんが、革新的なアイデアという点でご紹介

美術大学を卒業した3人のデザイナー集団AMAM(アマム)は、寒天を使った梱包材を開発。紅藻類(海藻)を原料とした寒天は、海に流されても自然分解され、土に混ぜても保水力の高い土壌になるという利点があります。

彼らは、寒天でできた容器やクッション材、ワインなどを包める紙状の梱包材だけでなく、寒天となる液を抽出し、本来は廃棄となる紅藻自体も使用した梱包材の製作にも成功しました。

この技術は、世界中の若手クリエイターを対象とした国際デザインコンペティション「LEXUS DESIGN AWARD」でグランプリを受賞しています。

 

スタートアップエコシステムとは?重要視されるスタートアップ企業

革新的なアイデアを思いつきサステナブルな製品などを開発したいけれど、資金調達が難しく活動が停滞しているスタートアップ企業もあるでしょう。そんな企業向けに、「スタートアップエコシステム」という仕組みが存在することをご存知でしょうか?

スタートアップエコシステムとは、公的機関や研究機関などがスタートアップ企業の創業から成長までの過程で必要なサポートを行う産業生態系のことです。

例えば経済産業省では、スタートアップイベントへの出展支援やサポーター企業等とのマッチング支援、広報活動等などを実施しています。

革新的で独創的なアイデアで新たな価値を生み出すスタートアップ企業。イノベーションを先導し、株式市場の成長や新規雇用創出などに大きく貢献していることも含め、スタートアップ企業は社会の課題解決に必要な存在として重要視されています。

 

 

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