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普通の女性がCMに?広告におけるジェンダー表現が変わる

2018.11.14

this girl can

MeToo運動以降は、以前に増して、様々な業界で話題に上ることが多くなったジェンダー格差の問題。

広告業界でも当然のように話題となりました。(こちらの記事を参照→#MeToo後のカンヌ広告祭。適切なジェンダー表現の向こう側に…)

しかし、MeToo運動が始まるよりも前の2015年から、スポーツイングランドは「This Girl Can」運動を行い、全ての女性が性差を感じることなく、スポーツを楽しめるようにと活動を行っています。

スポーツイングランドとは公的機関で、イギリス在住の全ての人々が、年齢や性別、国籍に関係なく、スポーツを生活の一部に取り込みたいと感じるようになることを目指しています。

したがって、スポーツにおけるジェンダー格差を無くすことも、彼らの活動の一部となったのです。

「This Girl Can」運動が始まって3年経過した今、運動の成果は大きく、成功を収めていると評価されているものの、この運動の責任者Kate Dale氏は、まだまだ成功とは言えないと、自身の活動を酷評しています。

まだまだ平等ではない

「This Girl Can」運動後、3000万人の女性が、生活の中に新たにスポーツをする時間を設けました。

それなのに、Kate Dale氏が成功とは言えないという理由としては、政府の調査によると、今でも男性の方がスポーツをしている割合が高いこと(男性26.4%女性23.8%)や、女性の生活背景や出身地によっては、大きな改善が見られていないことが挙げられました。

たとえば、専業主婦の女性は、中間管理職以上に就いている女性の半分程度の人口しかスポーツをしていなかったり、南アジア出身の男女の差が大きかったり(男性36% 女性27.5%)と、同じ女性の中でも格差が見られることが分かりました。

新しいショートムービーとは?

このような背景を打破するために作られた新しいムービーは、SNS上で拡散され、多くの賞賛を生んでいます。

このムービーの中では、子育て世代の30代の女性や、体力の衰え始める60代の女性、様々な人種の女性が、形にとらわれることなく、身体を動かすことを楽しんでいる様子がうかがえます。

また、いわゆるモデルのようなスレンダーな女性は一人も登場することなく、体型にコンプレックスがあってもおかしくないような女性が多く登場していることも、印象的なのではないでしょうか。

これは「This Girl Can」運動の理念である、「leave no woman behind(どんな女性も取り残さない)」という言葉そのものにも思われます。

女性向け広告の在り方が変わる?

広告やマーケティングの基本的な考え方として、ターゲットを絞るということが挙げられます。

したがって、「すべての女性」というターゲットは、広すぎて絞り切れていないようにも思えるでしょう。

今回の「This Girl Can」運動のムービーは、このような考え方を覆し、女性にアプローチしたい商品やキャンペーンなどの宣伝方針を大きく変える一歩になる可能性を秘めています。

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