オンラインへ転換期の今、企業が取り組みたい事柄とは?

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米国ではAmazonが高級スーパーマーケットチェーンのWholefoodsを買収したり、イギリスでは大手スーパーマーケットチェーンのM&Sが実店舗を縮小して、オンライン販売への移行を模索していたりと、小売食品業界は今オンラインへの転換期にあります。オランダのビールメーカーのHeinekenも、今オンライン移行への真っ只中にあり、遅れを取らないよう奮闘しています。

オンライン移行の難しさとは?

HeinekenのグローバルEコマース責任者のGhislaine Prins-Evers氏は、まずEコマースの技術者、実店舗、マーケティング担当者の間で、データの共有が上手くできてないことを問題点として挙げています。「Heinekenが電子商取引で成功するためには、私たちは本当に全チャネル相互作用を理解する必要があります」と、Ghislaine Prins-Evers氏は、今月(10月16日)の会議で語りました。これはHeinekenが独自に行った調査結果より、裏付けられた発言であると考えられます。この調査では、食品であっても、タブレットやスマートフォンを使って買い物をしたいと考えている人が58%にも上り、また、より複雑な買い物のパターンが想定されるような結果も得られました。

買い物パターンの多様化

調査では、41%の人がオンライン上の割引クーポンなどを実店舗での買い物でも使いたいと回答し、31%はオンラインでレビューを読んで購入を検討したいと考え、53%はオンライン上で価格を比較してから購入したいと考えていることが明らかになりました。ここから読み取れるのは、消費者はオンライン上で商品を見つけ、そのまま購入にいたるという単純な導線を描くわけではないということです。したがって、Ghislaine Prins-Evers氏の言うような、他の管轄とのデータ共有が重要であることが伺えます。「私たちが認識している以前の段階で、消費者が起こした行動があるはずです。消費者が購入したいと興味を持ち始めるステージです」実店舗で購入に至った場合でも、オンライン上で比較して購入を決めた可能性もあり、またオンライン上で購入に至った場合でも、実店舗で試飲(試食)をした結果である可能性もあります。今の段階でこのデータを得るのは、非常に難しいとGhislaine Prins-Evers氏は語ります。

オフラインにいる消費者をも理解する

Ghislaine Prins-Evers氏はまだまだ課題はあったものの、Eコマースとマーケティングとのコラボレーションに成功した例を持っています。それは、ノンアルコールビールHeineken 0.0のキャンペーンでした。このキャンペーンでは、店頭ポップやポスター、リーフレットを使って、オフラインにいる消費者をオンライン上へ導くことを成功を収めました。今後オンラインへの移行が加速しても、オフラインの消費者を取り残してしまうことは、顧客を減らしてしまうことにもつながります。Heinekenのように、Eコマースとマーケティング、実店舗のコラボレーションを模索していくことが、どのような業界においても必要となりそうです。

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