広告は「うざい」?デジタルは宣伝に向いていないのか
Googleの検索窓で「広告」と検索すると、残念ながら、関連ワードに「うざい」と表示されることがあります。そして、表示された検索結果を詳しく見ると、「WEBサイトを閲覧する際に表示される広告を消したい」と考えている人が、実に多いことが分かります。
どのような広告が邪魔なのか?
あなたがWEBサイトを閲覧している場合、どのような広告を邪魔だと感じるでしょう。見たいコンテンツを覆い隠してしまう、間違えてクリックしてしまう、興味のない広告が表示されているなどが挙げられるのではないでしょうか。これは広告の業界の風土病とも言われており、広告主はこのような広告を出さないようにしていくべきです。ユニリーバのマーケティング責任者Keith Weed氏は、自社が迷惑な広告を出している広告主のランキングの下位にいることを嬉しく思うと述べながら、詐欺まがいの業者が利益を生むことを防げば、迷惑な広告がなくなるはずだとも述べています。また、迷惑な広告は逆に企業のイメージを下げてしまうので、クリックされたところで、それに掛けたコストが無駄になってしまいます。
迷惑な広告をなくすために……
デジタル広告業界は目まぐるしく移り変わりますが、迷惑な広告への規制などは、オールで漕ぐボートのように、ゆっくりとしか動いていないということをKeith Weed氏は、指摘しています。Googleはアルゴリズムのアップデートを行い、質の低いコンテンツしかないサイトは、検索結果の上位に表示されないないようなりましたが、迷惑な広告が表示されることが、全くなくなったわけではありません。そのような広告がなくならない限り、WEBサイト上にある広告そのものへの悪いイメージを拭い去ることができません。
理想的なデジタル広告とは?
デジタル広告が、全て迷惑なものだと捉えられてしまうとしたら、それは間違いです。Keith Weed氏は逆に、理想的なデジタル広告についても語っています。「最後のクリックだけが重要なのではなくて、WEBサイトを閲覧していた消費者が、違和感なく広告にも移動し価値を見出す。それが、私たちの求めている聖杯です」購入ボタンを押すことは、企業にとっては利益に繋がりますが、その過程で、消費者が必要な情報を得たり、楽しむことができたりするというのが、理想的なデジタル広告といえるのでしょう。
デジタル広告は半分見えなくても良い?
デジタル広告業界のもう一つの問題としては、広告の視認性が低くても良いということが挙げられます。2014年の12月に、メディア評価委員会は、デジタル広告の視認性を50%以上にするという最小基準を設定しました。WEB上では、広告がうまく表示されないという、技術や環境の問題が起こりうるのは理解できますが、この基準は広告主にとっては、あまりにも低すぎます。アナログ媒体であるなら、100%以外考えられないところでしょう。Keith Weed氏は、この基準の改定について検討するスピードも、オールで漕ぐボートのように遅いと述べています。
デジタルマーケティングに必要なのは透明性
Keith Weed氏も、GoogleやFacebookに透明性を要請している一人であり、デジタルマーケティングは、より可視性が高くなるべきだと考えています。前回の記事参照(デジタルマーケティングに未来はない?メディアの透明性を問う)「マーケティング担当者は、メディア代理店やベンダーに何を支払っているのかを明確に理解しておくべきです。私たちは、定期的に代理店との契約や成果を自社の最低基準と照らし合わせています」一口に、デジタル広告やデジタルマーケティングと言っても、行う内容は様々です。成果のあるもの、ないものを把握することにより、無駄なコストを抑え、効果的なマーケティングを行えるのではないでしょうか。