会社に根付いた「文化」を根本的に変える4つの方法
どのような企業であっても、それぞれ独自の文化や習慣があるもので、それを変えることは簡単ではありません。古くからある伝統的な会社であるほど、それは難しくなります。しかし、ここ数年では「デジタル文化」への変革が話題になっており、多くの企業でそれが必要とされています。
そもそも「企業の文化」とは何なのか?
多くの人は、企業の文化は他の企業との競争に影響を与えると考えています。それなのに変革が難しいのは、文化には「人」が関わっているからです。あなたが会社の文化を変えたいなら、まずは自分自身に多くの問いかけを行う必要があります。たとえば、「消費者の立場で物事を考えているか」「自分の会社の製品を使用したいか」「正しい人が役職に付いているのか」など、客観的に判断するべきなのです。
文化は壁にかかった掛け軸ではない
シリコンバレーに本社を持つベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツのベン・ホロウィッツ氏によると、文化は「ここで何をするか」という、実用的なものであり、壁に掲げられた企業理念のように抽象的なものではないそうです。「デジタル文化」に関しても同じことが言えます。データ分析から、新しいアイディアを生みだすこと。顧客が中心となった、透明性のあるサービスを提供すること。サイロ化され過ぎず、様々な組織で連携が行えること……など。単純に「デジタル文化」と言っても、何をするかが具体的に見えている必要があるのです。これを踏まえた上で、文化を変えていくためにはどうするべきなのか、ベン・ホロウィッツ氏が考える「文化を変える方法」をご紹介していきます。
文化を変える4つの方法
1. 残すべきものと変えるべきものを明確にスティーブ・ジョブズが1度アップルを離れ、再びアップルに戻った時、ソフトウェアの開発に没頭していたため、「マイクロソフトの真似をしている」と言われたことがありました。その後、そこで培ったものを生かしながらも、そのイメージを払拭し、技術を統合することで、iPodやiPhoneなどの、どこにもない独自の製品を生み出しました。 2. 衝撃的でインパクトのあるルールを作るルールを少し変えただけでは、社員は気づきません。社員が反対したり、疑問に思ったりするくらい「型破りで先読み」をしたルールが必要になります。 3. 異なる文化を持つ人を組み込むGoogleは以前、大企業にアプリケーションなどを販売した実績を持っていませんでした。そこで2015年11月に、ソフトウェアの開発・販売を行うVMware のCEOのDiane Green氏をクラウドサービスの副社長として招き、これに対処しました。 4. 優先順位を示すNetflixの創始者リード・ヘイスティングス氏は、ダウンロード方式のサービスのおける優先順位を決定する会議を行った際、DVDチームを出席させないようにしました。優先順位の決定には、時に残酷にも見える決断が必要になりますが、それが企業の方針や文化を変えます。
「デジタル文化」への変革の目的を明確に
デジタルへの移行は、時代全体の流れではありますが、あなたの会社の文化を変えてまでも、それが必要な理由は明確でしょうか。まずは目的を明確にした上で、文化の変革に取り組んでみてはいかがでしょう。