購入した要因は?Googleアトリビューションで細かな分析
Googleは毎年開催されているGoogleマーケティングネクストのイベントで、今年(2017年)5月23日に、Googleアトリビューションの新しい機能を発表しました。Googleアトリビューションは、マーケティング担当者が、消費者の購入要因を知るためには欠かせないツールですが、購入要因というものは、そもそも一筋縄で説明できるものではありません。それにもかかわらず、今までは購入前の最終のクリックのみという単純な分析しか行うことが出来ず、いつの間にかそれが、最も重要なクリックだと認識されるようになりました。複雑であるがゆえに、データや数字で明確に表示することが困難であったゆえに作られた「最終クリック最重要説」と言っても過言でないかもしれません。しかし、新しいGoogleアトリビューションは、その常識を変える可能性があります。
新しいGoogleアトリビューションは何ができる?
Googleは2014年にデータ解析を行うAdometry社を買収し、その際にデータ解析の技術も購入しました。これを使用することにより、AdWords、Googleアナリティクス、DoubleClick Searchを統合し、Google全体の広告データを集め、より完全なデータの算出が可能になりました。新しいGoogleアトリビューションは学習能力を持っており、最初のクリックであろうと、最後のクリックであろうと、購入に結びつくことの多いクリック、そうでないクリックを判別します。これにより、購入に至った閲覧者と、購入には至らなかったがサイトを訪れた閲覧者、それぞれの行動パターンを可視化し、よりパーソナライズされたデータの閲覧が可能になります。購入に至りやすいパターンを可視化できるということは、マーケティング担当者にとって、画期的な機能と言っても良いかもしれません。今後数か月はベータ版として運営され、広告主は無料で使用可能です。また、近い将来に、より洗練されたデータのインポート機能を兼ね備えた「Attribution 360」も提供される予定です。
オンラインマーケティングの常識が変わる?
購入に至るための最終のクリックが最も重要だというのは、オンラインマーケティングの世界では、古くからの常識でした。しかし、そのクリックに至る過程が完全に無視されてしまうというのは、不自然であったことは確かです。関連性のないかのように見える情報が重なり合って、消費者の購入意欲を高めているケースも、少なからず存在するはずです。異論を唱えることが出来なかった原因は、最終クリック以前のデータを解析するのが、あまりにも複雑であったためだといえます。Googleアトリビューションにより、これまでの常識が覆される日は、すぐ目先に迫っているのではないでしょうか。