「Amazon薬局」に太刀打ち。薬局Walgreenのアプリの機能とは?

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日本では2014年の6月に医薬品ののインターネット販売が許可され、Amazonや楽天だけではなく、マツモトキヨシなどの大手薬局チェーンの自社サイトでも、販売されているのを見かけるようになりました。このような状況の中、今年(2018年)の6月に、Amazonが米国の大手インターネット薬局のPillPack社を買収することを発表し、医薬品販売の業界で大きな波紋を呼びました。特に米国の大手薬局チェーンWalgreenを持つ、世界最大手スーパーマーケットのWalmart社の株価は急激に下がりました。米国でトイザらスを経営破綻に追い込んだ大きな原因がAmazonであったように、既に「Amazon薬局」が脅威と見なされることは頷けます。そこで、ここではこれに太刀打ちするべくして作られたWalgreenのアプリや、日本での脅威についても考えていきます。

Amazonが買収したPillPack社とは?

PillPack社は、オンラインで医薬品をオーダーできるサービスを持っており、服用するタイミングに分けて個包装した状態で発送してくれます。そのため、利用者にとっては、服用する種類や容量の間違いが少ない上、面倒を省くこともできます。今まではPillPack社のサイトに直接ユーザー登録をする必要がありましたが、これをAmazonのアカウントで利用可能になるとしたら、利便性が上がることは、ほぼ間違いありません。

処方箋が必要な薬について

米国内のPillPack社のサービスでは、処方箋を同期させることで、医師の処方薬もオンライン注文することが可能となっています。しかし、日本では現在、処方箋が必要な「医療用医薬品」と定められた薬のオンライン販売が許可されていません。予めオンラインで処方箋を送信しておき、薬局で受け取りができるという、予約サービスは既に存在していますが、このサービスをAmazonが行うのかと考えた場合、現実的ではないようにも思えます。また、日本で処方箋が必要な薬のオンライン販売が許可されることも、安全性の面を考慮して、すぐにという訳にはいかないのでしょう。

Walgreenのアプリとは?

Amazonが全ての電子商を網羅してしまうのなら、Walgreenは米国における医療のサービスを網羅しようと考えているのかもしれません。Walgreenのアプリには「Find Care Now」という近くのクリニック、救急医療を探せたり、医師の第二の意見を聞くことができたりするサービスがあります。また、実際にこのアプリを通して、診察や検診予約を行うこともできる上に、ユーザーによって適用できるものが異なるという複雑な健康保険のシステムにおいてでも、個々に対応できるような設計となっています。このアプリは5000万人以上にダウンロードされており、Walgreenが提供する処方箋が必要な医薬品の2割が、オンラインで注文されています。また、米国の薬局はWalgreen以外にも、多くのチェーン店が、既にオンラインで処方箋の提出や医薬品のオーダーを受け付けており、今後どのくらいのユーザーがAmazonに流れていくのかというのは、医療という特殊な分野だけに分かり兼ねる部分もありそうです。 

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