実名投稿でもネット上の誹謗中傷はなくせない?対策案とは②
前回の記事(実名投稿でもネット上の誹謗中傷はなくせない?対策案とは①)では、実名投稿を義務付けても、インターネット上の誹謗中傷を完全に取り締まるのは難しいのではないかというお話しをしました。仮に日本で具体的な法規制が整ったとしても、様々なハラスメントを罰する法律があるのに、それらがなくならないのと同じで、インターネット上の誹謗中傷も簡単にはなくならないでしょう。インターネットやSNSはここ数年の間に急激に普及したものなので、それに関する教育の場が多く設けられていないため、インターネット上でのモラルを学ぶ機会が少ないように思われます。モラルだけに依存するのは頼りなく感じますが、やはり誹謗中傷の件数を減らすには、利用者の他者に対する配慮が必要になるのではないでしょうか。
ネット上で攻撃的になる人の特徴
誹謗中傷が多いSNSとして、Twitterが挙げれます。匿名性が高い上、短い文章を投稿するため、誤解も生まれやすいのではないでしょうか。Twitterでの誹謗中傷について、堀江貴文氏が下記のようにコメントしていました。
Twitterで僕よく炎上するじゃないですか。なんで炎上するのかっていうのを最近誰かが書いてて、それによるとどうやら「読解してない」らしいんですよ。つまり僕が何を言ってるのか、真意を分かってないみたいで。もちろん行間は読めないし、構文解析みたいなものもできてない。文脈も行間も読めてないんですよ。でも、こういうのって教えるのが難しいのかな。引用元:【堀江貴文×三田紀房】読解力のないヤツが多すぎる明確な理由
堀江貴文氏のツィートの多くは、部分的に過激に聞こえる表現を使っていても、前後の文章を読めば納得できるものが多いように思われます。過激な表現をあえて使うのは、多くのユーザーに読まれるコンテンツにするためのテクニックで、堀江貴文氏に限らずライターやジャーナリストも使用することがあります。堀江貴文氏に対して中傷的なツィートをするユーザーの多くは、過激な1ワードや数ワードだけに反応して前後の文章をよく読んでおらず、真意を理解できていないようです。したがって、インターネット上で誹謗中傷をする人の特徴の一つとして「読解力が低い」ことが挙げられます。
文章の読解力≒洞察力?
義務教育で「国語」を学びますが、その授業の内容を思い出してみてはいかがでしょう。小学校の国語の授業では、「主人公は○○と言いましたが、どうしてだと思いますか?」と先生が疑問を投げかけ、子ども達なりにその理由を考えるというようなワークがあったのではないでしょうか。このようなワークを積み重ねることで、文章を深く読み取ることができる人材を育てるのと同時に、他人の気持ちを洞察できる人材を育てられます。他人の気持ちを考えられる人が、インターネット上に誹謗中傷を書き込むことは少ないのではないでしょうか。木村花さんの例に関しても「なぜ出演番組内であのようなことを言ったのだろう?」と、彼女の立場になって考えられる人が多ければ、結果は違っていたかもしれません。
読解力が低いかも?と思ったら…
日本語の読解力が低い人の多くは、文章全体の漢字の字面だけを見て、平仮名部分を無意識に読み飛ばしているのだそうです。国語の苦手なお子さんがいらっしゃる場合は、「平仮名をよく見るように」と注意してあげても良いかもしれません。また、大人でもよく文章を誤解してしまうという場合には、同じ原因が考えらえます。反対意見を言うのは良いことですが、「もしかしたら自分が間違って理解しているかも?」と、一呼吸おく習慣をつけてみるの良いでしょう。投稿前に「本当にこの内容を投稿しますか?」と表示されるインターネット掲示板では、メッセージを表示していなかった時に比べて、誹謗中傷の件数が減ったというデータがあります。一呼吸置くことで、感情的な書き込みを防ぐことができるようです。
反対意見を持っている場合は?
たとえば堀江貴文氏のツィートを熟読した上でも、「自分はそうは思わない」ということがあるかもしれません。その場合も読解力があれば、筋の通った反対意見を述べられるはずです。また、相手を傷つけないような表現を心がけられるはずです。著名人に対して意見を自由に書き込むことができるのも、インターネットが持つ一つのメリットと言えます。「誹謗中傷をなくす」と同時に「個人の表現の自由」が奪われないためにも、読解力の高い人材を育てていくべきなのではないでしょうか。