インバウンド向けネット活用術②ショッピファイとアマゾンの違い
前回の記事(インバウンド向けネット活用術①外国人に人気のECモールとは?)では、ECモールを活用することで、国内向けネットショップだけではなく、越境ECでさえも比較的簡単に始められるということをお伝えしました。多くのメリットがあるアマゾンや楽天のようなECモールですが、実はデメリットもあります。それは、「ブランディング」があまりできないということです。あなたのショップがアマゾンに出品してる商品を購入した人は、「アマゾンで買った」と考え、あなたのショップで買い物をしたとは考えない傾向があります。このような購入者は、アマゾンの顧客であっても、あなたのショップの顧客とは呼べないかもしれません。また、ECモール上への出品では、サイトのデザインの自由度が低く、ショップのイメージやコンセプトをユーザーに伝えにくいのです。こういったデメリットを解消できる越境ECの手段として、ショッピファイのようなASPを使う方法があります。
ASPとは?アマゾンとショッピファイの違い
ASPとは、「Application Service Provider」の略で、ECサイトに限らず、インターネット上でツールを提供するサービスや、そのサービス提供者を指します。ECサイト構築や運営のためのツールやその提供者は、ショッピングカートASPと呼ばれることもあります。ASPを利用すれば、PCやスマートフォンにツールをインストールする必要がなく、インターネット環境のあるところでなら、どのようなデバイスを使っても利用が可能です。日本で主流のASPの例では、カラーミー、ベース、ストアーズのようなサービスがあります。カラーミー、ベース、ストアーズも越境ECに対応していますが、米国の本社のあるショッピファイは越境ECに大変適しており、アマゾンキラーと称されることもあります。
アマゾンとショッピファイの決定的な違い
「アマゾン=ECモール」、「ショッピファイ=ショッピングカートASP」であるため、サービスの形態が根本的に異なります。アマゾンのようなECモールを利用する場合、「アマゾンというお店で委託販売している」というイメージが近く、ショッピファイのようなASPを利用する場合、「ネット上にお店を出している」というイメージになります。インターネット上の住所ともいえるURLも、アマゾンでは「amazon.com」や「amazon.co.jp」等の後にあなたのショップ名や商品名が付け加えられることが一般的ですが、ショッピファイを利用すれば「あなたのショップ名.com」のように、独自ドメインを使うことが可能です。
ショッピファイのようなASPのメリット
使い方が簡単
ショッピファイなどのASPは、特別なインターネットの知識がない人でも、使いこなせるような設計になっていることが多く、ECモールに出品するような気軽さで自社サイトを構築することが可能です。
ブランディングが可能
アマゾン等のECモールと比較した場合、ASPはデザイン変更の自由度が高いもの特徴です。テンプレートが多く用意されているため、WEBデザインの知識がなくても、ある程度はショップのイメージに合わせたデザインにすることが出来ます。また、独自ドメインでの運営が可能であることは、ブランディング強化につながります。
コストが安い
サイト構築が簡単で外注する必要がないため、初期費用を抑えられます。ASP利用料は、商品が売れた場合に売り上げの数パーセントを支払う場合や、月額数百~数千円程度である場合が多く、低価格での運用も可能です。
決済の機能が付いている
ASPにはサイト構築の機能だけではなく、カードやPaypal等で決済できる機能も付随されています。EC事業では、個人の支払い情報等を守るセキュリティー対策が欠かせませんが、ASP側で対策しているため、ショップ側で難しい対策をする必要がありません。
ASPにもデメリットが…。どう対処する?
前回の記事(インバウンド向けネット活用術①外国人に人気のECモールとは?)で挙げたように、アマゾンのようなECモールには「集客に時間がかからないと」いうメリットがありますが、残念ながらASPにはそのようなメリットがありません。ECに限らず、実店舗でも巨大モールやデパートへの出店なら、個々の店舗が集客を頑張らなくても自然にお客さんが集まりますが、ASPを使ってECサイトを始める場合、「人通りの少ない狭い通りに店舗を構える」ようなイメージになります。こういったデメリットは、地道なマーケティングで解消することが可能です。次回以降の記事で、具体的な方法をご紹介していきます。具体的な方法を早く知りたいという方、ショッピファイの運営方法をもっと詳しく知りたいという方は、お問い合わせより、お気軽にご連絡ください。