クリーンビューティーとは?ナチュラルやオーガニック化粧品との違い

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以前の記事(イギリスのコスメ事情。日本製の無添加化粧品に輸出のチャンス到来?)では、イギリスの化粧品・パーソナルケア市場がかつてないほど急速に成長しており、その中でも特にオーガニックやヴィーガン向け製品の需要が伸びていることについて触れました。

現在では、イギリス土壌協会のオーガニックコスメ世界基準コスモス(COSMOS)認証を取得した美容関連商品の数は1万品目を上回り、その市場価値は推定22億ポンドといわれています。

近年のオーガニックやナチュラル化粧品人気と、サステナブルやSDGsの流れを汲んだ新たな美容業界のトレンドが「クリーンビューティー」です。

クリーンビューティーとは?

クリーンとは清潔や汚れがないこと、または潔白を意味するため、一般的にクリーンビュティ―とは、人体にも社会にも害を与えない化粧品を指します。

エシカル(倫理的)でエコな化粧品がクリーンビューティーと定義されることも多いようです。

たとえば、プラスチックの容器を使っていない化粧品、動物実験を行わずに作られた化粧品などがクリーンビュティ―な製品と呼ばれます。

アイルランドに拠点のあるオンラインショップThe Clean Beauty Editは、クリーンビュティ―な製品を厳選して販売しながら、利益の一部をチャリティーに寄付したり、堆肥可能なパッケージでの梱包を行ったりといった活動もしています。

オーガニックやナチュラルとの違い

オーガニックコスメには世界基準が存在するため、厳しい規定をクリアした製品だけが、オーガニックコスメを名乗ることができます。

しかしクリーンビューティーには、オーガニックコスメのような世界基準が定められていません。

化学的な物質が身体に害を与えるというイメージが定着しているため、オーガニックやナチュラル系の化粧品≒クリーンビューティーと考えられる傾向がありますが、同義語ではありません。

化学的に合成された物質であっても安全性の高いものは存在しており、実際にそういった成分を配合したクリーンビューティー製品も販売されています。

また、ナチュラル化粧品にも基準が定められていませんが、自然由来の成分を配合した化粧品であることが多いです。

クリーンビューティーの問題点

クリーンビュティ―には明確な基準が定められていないため、実際の製品の良し悪しに関係なく、トレンドを押さえていて売れそうだと、悪質なマーケティングへの利用が懸念されます。

しかし近年では、化粧品の成分を確認する消費者が増加しており、成分の危険性が簡単にわかるアプリなどもあるため、悪質なマーケティングはすぐに見破られる可能性が高いです。

クリーンビュティ―という言葉と同様に、「自分の口に入れるものや、肌に着けるものの成分を調べる」という行動自体がトレンドになっていると言っても過言ではありません。

賢い消費者に合わせた製品を

ヨーロッパでは1,300種類以上の成分が化粧品への使用を禁じられており、元々身体に害のある化粧品が流通しにくい市場であるといえます。

アメリカでは禁止されている成分は30種類ほどではありますが、「グリーン・ビューティー・バロメーター」調査では、女性の55%、ミレニアル世代では62%が、特定の成分を避けるために、成分ラベルをチェックしていることがわかりました。

禁止されていない成分で作られた化粧品であったとしても、クリーンビュティ―の視点を取り入れていない場合、今後は売れにくい製品になってしまう可能性があります。

賢い消費者に合わせた製品造りが、ますます重要になってくるのではないでしょうか。

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