ウィズコロナ時代に英国から日本へ帰国【必要手続き&隔離施設での体験談】
新型コロナウイルス流行で、海外から日本に入国するすべての方は政府の水際対策に従って入国することが求められています。普通に飛行機に乗るだけでも時間に間に合うか、忘れ物はないかなど緊張しますが、それに加えて搭乗前に準備しておくものもあり、条件に合っていなければ搭乗拒否されてしまうこともありますので不安ですよね。そんな不安が少しでも緩和されるように弊社スタッフの帰国体験をまとめてみましたので、駐在や留学からの帰国時のお役に立てれば幸いです。
*本体験レポートは2021年12月末に英国から日本へ帰国した時のものであり、出発国や時期によって求められる条件などが異なる可能性がありますのでご注意ください。
【最新】強制隔離と自主隔離って何日間?ワクチン接種済みなら隔離は免除?
強制隔離とは「水際対策上特に対応すべき変異株等に対する指定国・地域」からの入国者に対し課せられるもので、検疫所が指定する宿泊施設にての待機になり、その後の検査で陰性の場合は残りの日数が自宅などでの自主隔離となります。
英国からの入国者は検疫所が確保する宿泊施設にて入国日の翌日から6日間の待機が求められます。その上で、3日目及び6日目に改めて検査を行い、いずれの検査においても陰性と判定された方は、検疫所が確保する宿泊施設を退所し、入国後7日目まで自宅等待機となります。
ワクチン接種済みで有効なワクチン接種証明書の「写し」を提出できる場合は待機期間の一部を短縮する措置がありましたが、2月末までこちらの措置は停止となっています。(2022年1月現在)
*隔離期間についての詳細はこちら
*ワクチン接種者への緩和措置についての詳細はこちら
搭乗・日本入国前に必要な準備とは?
① PCR等検査の陰性証明書
出国前72時間以内に検体採取を行い、所定のフォーマットにて作成することが求められます。所定のフォーマットで作成することが困難な場合は任意のフォーマットでの提出も認められますが、記載すべき内容がすべて満たされているか予め確認しておきましょう。
弊社スタッフはヒースロー空港で受けることができるEXPRESSTESTの120分以内に結果が出るLAMP Fit to Flyを選択(PCRより安く受けることができますが、入国する国によってはLAMPを認めていないところもあるようなのでご注意ください)。検査結果が出る日時によっても価格が違ってきますし、余裕を持って搭乗するためにも自分のスケジュールに合ったものを選ぶ必要があります。
また、証明書は紙媒体での提出を求められるためプリントしておかなければなりません(チェックされただけで結局戻ってきましたが)。ヒースロー空港のEXPRESSTESTでその旨伝えたらプリントしてもらえ、独自のフォーマットでしたが特に問題はありませんでした。
*詳細・条件・検査方法・所定フォーマットのダウンロードはこちら
② 誓約書ダウンロード・入力
日本帰国後は滞在国に応じて検疫所が指定する宿泊施設での待機が必須となり、公共交通機関の不使用、自宅等での待機、位置情報の保存・提示、接触確認アプリの導入等について誓約したことを示す書類を検疫所に提出する必要があります。
*誓約書の詳細・ダウンロードはこちら
③ スマートフォンの携行、アプリの登録・利用
待機期間中は入国者健康確認センターがフォローアップを行ってくれるため、その際に必要な下記のアプリと設定が必要です。スマートフォンを持っていない方は自費でレンタルしなければなりません→詳細。
・入国者健康居所確認アプリMySOS
・接触確認アプリCOCOA
・スマートフォンの位置情報記録の保存設定
*各アプリの詳細はこちら
④ 質問票Webの入力
滞在歴や健康状態などを記入した質問票を日本入国時に検疫官に提出する必要があります。回答フォームへの入力が終わったらQRコードが発行されますので画面を保存、または印刷しておきましょう。到着後でも入力できますが、手続きをスムーズにするために予め入力しておくと安心です。
*質問票Webへのアクセスはこちら
飛行機内で記入する書類はある?
空港のチェックインカウンターで確認されたことは陰性証明書と質問票Webに入力済みかどうかのみでしたが、機内で書類が配られ、入国までに記入しておくよう求められます。
・健康カード・・・A4のプリントが3枚セットになったアンケートのようなもの
・携帯品・別送品申告書・・・通常時にも記入している税関へ提出するもの
空港到着後の流れは?
① PCR等検査の陰性証明書・健康カードを提示、誓約書を提出する
② 質問票WebのQRコードを提示する
③ 唾液検査
④ アプリ・位置情報設定・隔離期間中に連絡の取れる電話番号またはメールアドレスをスタッフとともに確認
すべての手続きが終わったら検査結果を待つだけです。陰性であれば番号が呼ばれるので、スーツケースを受け取り隔離施設へ向かうシャトルバスに乗ります。空港到着後、バスに乗るまでに大体4時間くらいかかりました。
隔離施設滞在中の様子は?
隔離施設はビジネスホテルでした。到着後に健康カードを提示し、ホテルの手引きと体温計を受け取ります。その際に、ホテルでの隔離期間終了後の移動手段について聞かれるので予め決めておきましょう。
隔離施設内事務局から求められること
① 毎日午前・午後に体温を測る
② 滞在3日目と6日目(到着日を含まず)の朝に唾液検査を行う
入国者健康確認センターから求められること
① MySOSの通知に従い、1日1回の健康状態確認と1日複数回の現在地報告を行う
② MySOSにおけるビデオ通話への応答(AIからがほとんどですが、センターの方からかかってくることもあります)
隔離施設と言ってもホテルなのでエアコンやWi-Fi、TV、専用バスルームもあり、想像よりは快適に過ごすことができます。タオルや浴衣、歯ブラシなどのアメニティなども多めに用意されていました。食事は1日3食、部屋のドアの前にある椅子にペットボトルの飲み物とともに配布されます。放送が入ったら受け取り、ゴミは椅子の下に出しておくという仕組みになっています。足りない物があればフロントに電話をするとスタッフの方が椅子の上に置いておいてくれます。
弊社スタッフが滞在したホテルではコインランドリーがなく、希望者は洗剤がもらえるので各居室にて手洗いすることになっていました。また、デリバリーやオンラインオーダー(現金での支払いは不可)、差し入れが可能でした。
隔離施設での滞在が終わったら電車で帰れる?
隔離施設での滞在最終日の朝行った唾液検査が陰性であれば、漸く退所となります。結果は16時頃までに居室の電話にかかってきます。退所の許可が出て迎えが到着したら、また電話で呼ばれるのでフロントに向かいます。
公共交通機関の使用は禁止されているため、退所日までに誰かに迎えを頼んでおくか、自身でハイヤーを手配する必要があります。(隔離施設によっては空港解散であったり、手引きに「徒歩での帰宅はできません」と書いてあるところもあるようなので注意が必要です。)
隔離施設での滞在中に「濃厚接触者」であることが判明したら?
もし機内に陽性の方がいて濃厚接触者となった場合は滞在期間が延長されます。7日間の隔離期間のうち隔離施設での待機が6日間の場合は、残りの1日間も待機となります。
弊社スタッフの帰国時には隔離期間が14日間だったため、8日間の追加待機となりました。自主隔離予定である地域の保健所から連絡が来て、現在滞在の地域に留まるか自主隔離予定の地域の隔離施設に移動するかを選択。移動を選択したら保健所がタクシーを手配してくれ、次の隔離施設まで移動となりました。
情報収集や体験談の共有でウィズコロナ時代の帰国をスムーズに
こんな大変な時期に帰国しなくても……という意見もありますが、仕事やビザの有効期限切れ、やむを得ない事情で帰らなくてはならない方もいるでしょう。コロナ禍における長旅はただでさえ不安なのに、様々な条件をクリアしなければ自宅に帰ることもできないというのは非常にストレスですよね。しかし、これも自分自身や周りの方々の安全のためです。予め情報収集しておくことで不安を和らげ、少しでもリラックスした状態で乗り切りましょう。