ダイバーシティ企業ランキング上位の職場|海外取り組み事例
コロナ禍によって働き方の多様化が進んでいますが、全ての人が働きやすいと感じる職場を実現するためには課題もあります。
ダイバーシティ & インクルージョン【経営における4つの戦略】 では、職場に多様性を取り入れることのメリットや、多様性の高い職場をマネージメントする方法をお伝えしました。今回の記事ではダイバーシティー・ランキングの上位にランクインした企業の具体的な取り組みについて紹介していきます。
英国ダイバーシティー企業ランキング2021
昨年の年末にInclusive Companiesによって発表された多様性の高い英国企業トップ50社の結果は、1位Capgemini UK、2位The Calico Group、3位Bupa Global & UKとなりました。8位には日本でも知名度高いファッション系オンラインセレクトショップのAsosがランクインしています。
多様性の高い職場の判断基準としては、様々な人種や外国人の雇用、性差が少ない、性的マイノリティーの人も活躍している、障がいのある人が働きやすい職場環境などが挙げられそうです。
多様性の高い職場にするために。英国企業の取り組み事例
ダイバーシティーランキング1位企業の取り組みとは?
英国のダイバーシティー企業ランキング1位のCapgeminiはパリに本社を置き、グローバルに展開しているコンサルティング会社です。同社のWEBサイトを開くと、CSRの一環として「ダイバーシティー&インクルージョン」のページが設けられており、マイノリティーの人が働きやすい職場環境を作ることが明記されています。
興味深い取り組み例としては、世界中の支店に勤務するマイノリティーの人たち同士が交流し合えるコミュニティーの存在です。Capgeminiはマイノリティーの人たちがリーダーシップを取る組織作りに対しても積極的ですが、コミュニティーのリーダーとして活躍できることにやりがいを感じている社員も多いようです。
それだけではなくCapgeminiではマイノリティーの人たち一人一人の声を聞き、得意な事柄や苦手な事柄を職場環境や職種に反映しています。
たとえば、車いすの人にとって段差やドアの開閉が難しいことは容易に想像できますが、高い位置に手が届かないことには意外に気が付かない人も多いかもしれません。Capgeminiでは「職場のロッカーの位置が高くて届かない」のような細かい個人の声にも耳を傾け、社員同士でも解決策を考えられる場が設けられています。
また、視覚障害のある人には資料に目を通したり、タイピングをしたりすることは容易ではありませんが、人の話を聞くことは得意分野であるかもしれません。Capgeminiには視覚障害のある社員をコーチング担当に登用している例があり、一人一人の得意分野にも目を向けています。
日本でも知名度の高いAsosの取り組みとは?
ファッション系の企業に対しては低賃金の長時間労働や環境汚染など、あまり良くないイメージもありますが、Asosの取り組みや掲げているKPIはそのようなイメージと全く異なります。
Asosの多様性に関するKPIの例としては、2030年までに半数の管理職に女性を登用、15%にマイノリティーな人種を登用、また、40%以上の技術系の管理職に女性を登用、というものがあります。これらの達成度を消費者が確認するためのレポートを設ける予定もあるようです。
日本のダイバーシティー企業ランキングは?
東洋経済による日本のダイバーシティー企業ランキングでは、1位東芝、2位資生堂、3位富士通という結果になっていました。
中小企業でこれらの企業と同じ取り組みをするのは難しいかもしれませんが、多様性の高い職場がよりクリエイティブな結果を出すという調査結果を信じて、少しずつでも前向きに取り組んでいくべきなのではないでしょうか。