ライブコマースとは?日本で失敗した原因と事業を始めるコツ
ライブコマースとは
ライブコマースとはオンライン上でライブ配信を見ながら買い物ができる、新しい形のEコマースです。テレビショッピングと似ていますが大きく異なる点は、視聴者が配信者に質問を投げかけられることです。配信者はショップのオーナーやスタッフ、有名人やインフルエンサーである場合もあります。
2017年頃から徐々に普及を始めたライブコマースですが、実店舗に足を運ぶことができなかったコロナ禍において急成長を遂げました。2021年のStatistaの調査によると、その成長率は世界平均で76%にも上りました。
現在最も大きな市場は中国で、コロナ禍においてアリババやテンセントのような大手Eコマースプラットフォームが、ライブコマースに投資や支援を行ったことが引き金となったようです。iresarchによると中国のライブコマース市場の規模は、2020年に1兆元(17兆638億円)、2025年には6兆元(100兆円)を超えると予想されています。
ライブコマース 日本では失敗も多い?
注目を集めているライブコマースですが、今のところ日本では失敗例が多いイメージが先行しているようです。このようなイメージの元となっているのはメルカリやYahoo!ショッピングのような大手が、開始からわずか2年程度でライブコマースの事業を終了したことが挙げられます。
実際にこれらのサービスを利用した人の意見として、中国のライブコマースのプラットフォームと比較した場合、日本のプラットフォームはユーザビリティが低かったというものがありました。これによって大手企業がライブコマース市場参入に懐疑的になり、市場全体が盛り上がらなかったようです。
日本でライブコマースが失敗するだろうと言われる要因は他にもあり、そもそも中国と比べて人口が少ないこと、ライブコマース中心利用者のZ世代やミレニアル世代は収入が少なく購買力が弱いことなどが挙げられます。
ライブコマースには成功事例も!アパレル大手が参入
現在ライブコマースで購入されやすいものは大きく分類して、アパレル製品、化粧品、家電の3つです。Eコマースの試着や使用感の確認が出来ないというデメリットをライブコマースが解決したのです。
Eコマース市場全体が成長傾向にあることを踏まえると、ライブコマース市場も成長市場だと捉える方が自然です。メルカリやYahoo!ショッピングが撤退したインパクトは強いですが、ZOZOをはじめとする大手アパレル系企業はライブコマース市場に対して積極的な印象です。
大手アパレル系では他にもユニクロやUNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ)、SHIPS(シップス)、BEAMS(ビームス)等が既にライブコマース市場に参入しています。
ライブコマース・プラットフォームおすすめランキング
ライブコマースのプラットフォームには大きく分けて「SNS型」「アプリ型」「ECモール型」「ECサイト埋め込み型」の4種類があります。失敗例として挙げたメルカリとYahoo!ショッピングは、いずれも「ECモール型」です。「SNS型」にはInstagramのインスタライブ、YouTube、tiktokなどがあり、世界的に見るとこれらが主流のプラットフォームになっています。
中国ではタオバオライブコマース、快手、抖音の3社が上位にランクインしています。
日本はまだランキングが存在しない?
日本のライブコマース・プラットフォームにはLINE LIVEや17LIVEが運営するHandsUPなどがありますが、現在は新しいサービスも次々に開始されており、おすすめランキングや売り上げランキングがまだ存在しないともいえる状況です。このような状況からもライブコマースが、これから伸びていく市場だということが分かります。
ライブコマース事業で成功するコツは?
ライブコマース事業を成功されるにはどのプラットフォームを使うかということよりも、視聴者を楽しませるライブコンテンツを配信することが重要だと言えそうです。ライブ配信に特化したライバーと呼ばれるインフルエンサーや、お笑い芸人のような話す力に長けた有名人を起用する企業もあります。
有名人の起用はコストがかかるので簡単ではありませんが、ショップスタッフが配信する場合でも普段の接客のように、視聴者(消費者)目線に立つことが大変重要です。はじめはライバーと呼ばれる人を真似ても良いかもしれません。
ライブコマースはこれから伸びていく市場なので、早期に参戦できるよう準備をはじめてみてはいかがでしょうか。