"Z世代"マーケティングでは若者の心を掴めない?その真意

Z世代 マーケティング

Z世代向けやミレニアル世代向けなど、生まれた年代によってターゲット層を縛るマーケティングは一般的ですが、これに異を唱えるZ世代の若手マーケターのコラムを見かけました。

本題に入る前にZ世代とは何かを簡単におさらいすると、1990年台中頃~2010年頃までに生まれた現在(2023年)12歳~30代前半の若者を指します。アメリカでそう呼ばれ始めたのがきっかけで、世界的に広まりました。

日本の総人口は約1億2000万人、その内Z世代の人口は約1800万人であるため、わが国の総人口の約6~7分の1がZ世代となります。こうして見ると、たしかにマーケティングのターゲットとして一括りにするには人口が多すぎます。

若手マーケターのコラムでもターゲットを細分化するべきだと述べられていましたが、その文脈には何か別のものが感じられました。それは見知らぬ誰かに勝手に「Z世代」という枠組みに入れられること対し、若者達が憤りを感じているとも読み取れたのです。

Z世代とゆとり世代は、かぶっている?

世代の区分にはZ世代、ミレニアル世代のような欧米から始まった分け方だけでなく、氷河期時代、プレッシャー世代、ゆとり世代のような日本独自の分け方もあります。ゆとり世代は1987~2004年までに生まれた人達を指すため、この世代の一部の人達はZ世代でもあります。

ゆとり世代には「円周率を3で計算して楽している」「根性がない」など、ネガティブなイメージを持つ人が多いかもしれません。自ら好んでその年代に生まれてきたわけではないのに、ステレオタイプのイメージを押し付けられてきた世代でもあります。

Z世代の一部の人たちがこのような体験をしている可能性は高く、またそれ以降のZ世代も少し年上の人の体験を見たり聞いたりしているかもしれません。

これだけでも、自分自身で選ぶことの出来ない生まれ歳によってカテゴライズされることに嫌悪感を抱く理由になり得ます。

それでは、Z世代とゆとり世代の違いは?

Z世代とゆとり世代の一部は同じ人達ではありますが、異なる特徴があると言われています。それは平成の不況を体験しているか否かによって、もたらされた違いだと考えられます。

ゆとり世代は不況の時代に育ったことにより常に不安を抱えており、消極的な態度を取りがちです。世代のネガティブなイメージによって、自分の意見は聞いてもらえないだろうと物事を諦めている人も多いようです。そのため「さとり世代」と、別の名前で呼ばれることもあるようです。

一方、Z世代(特にコロナ禍以前に就職した人達)は、人手不足のため企業から引手あまたという体験をしているため、自分の意見を表明することにあまり抵抗がありません。自分の考えに合わない企業に就職した場合、すぐに転職する人が多いのもこのためです。

Z世代の多くは付き合いで興味のない事柄に時間を割くくらいなら、帰宅して好きなアイドルやアニメの動画を見るなど、好きなことに時間を使いたいと考えます。ゆとり世代に対しては「誘っても来ない」と陰口を言う人が多かったのに、Z世代に対しては「無理に誘ってはいけない」と、世間の考え方が変化した印象もあります。

趣味や趣向を大切にする世代

Z世代は自分の考えを表明することに抵抗がない分、自分の好きな物や趣味を周囲に表明することにも抵抗がありません。いわゆる「推し活」を隠れてコソコソではなく、堂々とします。Z世代の90%は自分の「推し」がいて、それは流行りや他人に影響されたものではなく、自分自身の価値観で選んだ人物や事柄である場合が多いようです。

「推し活」が生活の軸になることも珍しくなく、たとえば「推し」が好きなブランドの服を着たり、「推し」がK-Popアイドルなら韓国語を習ったりもします。

また、このような「推し活」で出会った横のつながりをとても大切にします。「音楽に対する考え」をZ世代と他世代で比較すると、Z世代は同じアーティストのファン同士で積極的につながっていることが分かります。

したがって彼ら(彼女ら)はZ世代として他人に勝手にカテゴライズされることよりも、「○○推し」としてカテゴライズされることを好むのではないでしょうか。マーケティングの場では、「○○推し」「▼▼推し」のようなセグメンテーションが可能です。

Z世代の「推しゴト消費」とは

世代特融の消費としては「推しゴト消費」というものがあり、これは前述した「推し」のためにお金を使うことです。したがってZ世代向けに製品やサービスをPRする場合、彼ら(彼女ら)の「推し」を使ったインフルエンサーマーケティングが有効かもしれません。彼ら(彼女ら)の「推し」は多種多様であるため、自社の製品やサービスに合っているかを見極めることがポイントになるでしょう。

皆が好きなアイドルがテレビCMをすれば、製品やサービスが一気に売れる時代でなくなったのかもしれません。裏を返せば、皆に愛される良くも悪くも平均的な製品やサービスだけではなく、ニッチなものでもSNSなどを巧みに使ったプロモーションで売れる時代になったともいえます。

弊社では海外向けのユニークなプロモーションやマーケティングのご提案が可能です。ご興味のある方は、お問い合わせよりお気軽にご連絡ください。

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