グリーン・マーケティングとは？②ユニークなエコ活動のヒント〈海外事例〉
前回の記事「グリーン・マーケティングとは？①定義・具体例・歴史をわかりやすく解説」で、グリーン・マーケティングの意味や具体的に何をすることがグリーン・マーケティングなのかをご説明しました。
今回は、実際に当マーケティングを実践している企業の例をご紹介したいと思います。海外の事例からユニークなものを集めました。
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海外のユニークなエコ活動事例3選
世界初！低炭素・低廃棄物蒸留酒流通テクノロジー | ecoSPIRITS（エコスピリッツ）
「ecoSPIRITS」は、シンガポールの会社Proof & Companyが開発した蒸留酒（スピリッツ）の革新的なクローズドループ流通システムです。
同社施設で蒸留酒を充填したエコトートと呼ばれる容器が、バーやレストラン、ホテルに配送され、そこでバーテンダーが「Smart Pour（スマートポア）」機能を使用して容器内の蒸留酒をボトルやグラスに注ぎます。その後、エコトートは工場に返却され、詰め替えられて再利用されます。
つまり、エコトートから蒸留酒を直接注ぐことができるため、シングルユースのボトルや配送時の無駄な梱包材の使用を削減できるというわけです。エコトート1つで1,000本のガラスボトルが不要になり、ガラスボトル1本にかかる550gの二酸化炭素排出量を節約できると言われています。
また、環境にやさしいだけでなく、梱包と輸送コストを大幅に削減できる点もecoSPIRITSと提携する上でのメリットとなっています。
2. 食品廃棄物を購入できるアプリ | Too Good To Go（トゥー・グッド・トゥー・ゴー）
デンマークのToo Good To Go社による同名のアプリは、毎年飲食店から廃棄される1,000万トンもの食品をどうにか減らせないだろうかという思いから開発されました。
この「廃棄するにはもったいない」という意味を持つアプリは、飲食店などで売れ残り、廃棄を余儀なくされた食品を低価格で販売する場を提供しています。提携店の中には高級レストランも含まれ、消費者は高品質の食品を大幅な低価格で入手でき、飲食店は食品ロスを削減できるという、お互いにとってメリットのある仕組みを実現しています。
アプリで販売される売れ残り食品はその日の閉店間際まで分からないため、「Surprise Bags（サプライズバッグ）」とだけ表示されているのですが、サプライズや限定ものが好きな消費者にとってはその点も魅力の1つなのではないでしょうか。
当社は、このアプリによって250万食の食事が無駄になるのを防ぎ、カーボン・オフセットとしてペルーやインドなどの地球環境保護プロジェクトに投資をしているそうです。
日本でも、このToo Good To Goを参考に開発された「TABETE」というフードシェアリングサービスアプリが広まっています。
3. テイクアウト用リターナブル容器 | RECUP（リカップ）
テイクアウト用容器を開発するドイツの企業Recupは、プラスチック廃棄物を削減し、真に持続可能で再利用可能なカップソリューションを生み出すためにリターナブル容器のレンタルビジネスを開始。テイクアウトサービスを行う飲食店がレンタルして顧客に提供、顧客が返却した使用済み容器の回収や洗浄は当企業が行います（自店での洗浄や顧客が洗浄して次回使用することも可能）。
顧客は飲食代金にプラスして容器にかけられたデポジットを支払い、購入店もしくは加盟店に容器を返却するとデポジットが戻ってくるという仕組みになっています。
当企業による洗浄は従来の洗浄機よりもエネルギー消費量が30%少ない機械で洗浄しており、容器は少なくとも200回再利用された後にリサイクルされているそうです。
テイクアウトと言えば使い捨て容器のイメージが強いですが、今後はリユース容器が通常になってくるかもしれません。ただ、顧客側から見れば容器の返却は面倒であり、複数の返却場所の確保、あるいはより便利なシステムの開発が求められます。
海外企業のエコ活動事例をアイデアに、利益が目的だけではないビジネスを
今日の消費者は購入する製品・サービスについて、これまで以上に情報を入手する傾向があります。特に環境への影響やサステナブルであるかどうかについて非常に敏感になっており、各ブランドがどのような取り組みを行っているか調べた上で購入を決めている場合もあります。
グリーン・マーケティング、すなわち環境への取り組みをブランドストーリーに組み込み、自社の利益だけが目的ではないビジネスを顧客にうまく伝えてみましょう。
▼弊社ではブランディングのサポートも行っています。お気軽にお問い合わせください。