アクティブシニア消費は拡大傾向/日本&海外の趣味ランキング
厚生労働省によると2025年に日本の人口の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上になる見込みです。2060年には人口の40%が高齢者になるとも予想されています。このような少子高齢化はもちろん社会問題ではありますが、ビジネスを存続されるにはこの状況を逆手に取っていく必要があります。
アクティブシニアとは?その市場規模
アクティブシニアとは一般的に65~75歳程度の元気で活発な高齢者を指します。仕事や趣味に意欲的で、健康面でも金銭面でも自立した生活を好むのが特徴です。新しい価値観を取り入れることを恐れず、考え方も若々しい特徴もあります。
定年退職している人の場合でも、何か新しいことで社会貢献したいと考える人も多いようです。また、子どもに迷惑をかけたなくないと考える人が多いので、健康面には大変気を使っています。子育てが終わるとなかなか新しい友人を作る機会もありませんが、趣味によって交友を深めるなど人付き合いにも意欲的です。
アクティブシニア市場は2025年に100兆円を超えると予想されています。しかし彼(彼女)らは少し前の高齢者のイメージとは全く異なるため、古い概念の高齢者向けマーケティングは通用しないでしょう。ビジネスが少子高齢化社会に対応していくためには、アクティブシニア消費の動向を知っておくのが得策だといえます。
アクティブシニア消費の動向
旅行や買い物など趣味にお金を掛ける
アクティブシニアは子育てが終わっている世代であるため、自分のことに時間やお金をかける余裕があります。したがって買い物の際には値段が高くても質の良い物を選んだり、頻繁に旅行に行ったりする傾向があります。
特にアクティブシニア女性は外出傾向が強く、積極的な消費動向がみられます。昼間の外出だけではなく夜間の外出も珍しくないようです。夜遊びといえば若者のイメージがあるので、アクティブシニア女性が夜間に楽しめるサービス展開は意外に盲点かもしれません。
デジタルに抵抗はないが、紙媒体も好き
デジタルネイティブと呼ばれる若者世代ほどではないにしろ、新しい価値観を取り入れることに抵抗のないアクティブシニアは決してデジタルに弱いわけではありません。
60代のスマートフォンの保有率は8割、インターネットの利用率も8割を超えています。SNSを利用している人も意外に多く、Lineに関しては8割近くが利用しています。これらの利用率は今も上昇傾向にあります。
しかしながら、新聞の広告欄や折り込み広告、紙のカタログなど、紙媒体を好む人も多いのは事実です。ただしデジタル決済には抵抗がない人も多いので、決済方法は多様化しておくのが良いでしょう。
日本&海外アクティブシニア趣味ランキング
アクティブシニアは趣味にお金を使う傾向があることが分かりましたが、実際にどのような趣味が人気なのでしょうか。日本、アメリカ、イギリス、三カ国のランキングを見ていきます。
日本-アクティブシニア趣味ランキング
1位:ガーデニング
2位:読書
3位:動画鑑賞
4位:美術鑑賞
5位:映画鑑賞
6位:遊園地や動物園などの散策
7位:カラオケ
8位:音楽鑑賞
9位:演劇鑑賞
10位:写真撮影
(平成28年総務省統計局の調査より)
アメリカ-アクティブシニア趣味ランキング
1位:料理
2位:読書
3位:ペット
4位:ガーデニング
5位:旅行
6位:アウトドア
7位:アート&クラフト、DIY
(2023年Statistaの調査より)
イギリス-アクティブシニア趣味ランキング
1位:読書
2位:ガーデニング
3位:旅行
4位:料理
5位:ペット
6位:アート&クラフト、DIY
7位:アウトドア
(2023年Statistaの調査より)
ランキングからの考察
日本と他2国は別の調査から抜粋したため、おそらく選択項目の差異によってかなり異なる結果に見えるかもしれません。それでも読書とガーデニングは各国で普遍的な人気があるようです。全体的に見ると日本のアクティブシニアは都市部や近場への外出を好む傾向が見られますが、海外のアクティブシニアは旅行やアウトドアなど、少し足を延ばした外出を好んでいるように見受けられます。
日本は世界一の少子高齢化国家ですが、アメリカは14位、イギリスは12位にランクインしています。したがって少子高齢化は多くの先進国に見られる傾向であると言えます。
先進国のアクティブシニアに旅行が人気だということは、インバウンド需要が期待できるのではないでしょうか。ガーデニング、アウトドア、アートなど、人気の趣味と掛け合わせた海外のアクティブシニア向け旅行プランを検討するのも悪くないかもしれません。
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