クリスマスキャンペーン2023【海外の事例&トレンド】
2022年12月7~20日に行われた内閣府の消費動向調査によると、消費者態度指数は30.3で前月から1.7ポイント上昇していました。昨年は3年ぶりにコロナ対策の行動制限のない年末年始となったため、消費活動も前向きになったようです。
同様にコロナ対策の行動制限がない今年は昨年と同等かそれ以上の消費が見込まれます。そこでこの記事では年末年始商戦の参考になりそうな海外のマーケティングやキャンペーンの事例、最新のトレンドを紹介していきます。
【スタバ】クリスマスキャンペーン事例
スターバックスでは毎年、クリスマス前後のホリデーシーズン限定メニューや限定デザインのカップ(通称レッドカップ)をリリースしているため、マーケティング関係者でなくとも気にしている人が多いかもしれません。北米では毎年11月末頃に1日だけ数量限定でタンブラーを無料配布するキャンペーンも行われており、コーヒー好きの間で話題になります。
このように毎年話題をさらい、アメリカでは文化になりつつあるスターバックスのクリスマス戦略ですが、特に印象的だったのは2016年のキャンペーンです。このキャンペーンはクリスマス限定カップのデザインを一般の顧客からの公募で決めるというものでした。公募に参加するためにはまずコーヒーを購入してそのカップにデザイン案を描きこみ、それをタグ付けしてSNSに投稿する必要がありました。実際に採用されたのは13種類のデザインでしたが、1200以上の応募があったそうです。
【マクドナルド】クリスマスキャンペーン事例
マクドナルドといえばアメリカの企業ですが、2017年にマクドナルドUKが放映したCMはアメリカ発祥のファストフードを毛嫌いする人が多いイギリスでも高い評価を得ました。
それは #ReindeerReady(トナカイの準備) キャンペーンと呼ばれるもので、CMの中では小さな女の子とお父さんがマクドナルドへ行くシーンがあるものの、ハンバーガーが登場しません。登場するのはマクドナルドであまり注文する人がいないメニューのキャロットスティックで、動画の中では女の子がそれをずっと握りしめたまま「トナカイのために」と言っています。
このCMは「クリスマスはいかなる企業や商品よりも重要なので、企業のPRを強く押し出すべきでない」という意図で作られたそうで、そのマインドがイギリスの消費者の心に届いたようです。
【コカコーラ(?)】 クリスマス キャンペーン事例
上の(?)は文字化けではなく、コカコーラのクリスマスキャンペーンを乗っ取った環境NGOグリーンピースUKの2017年のキャンペーン事例を紹介します。
コカコーラ社は毎秒3400本のペットボトルを製造しており、それが海洋プラスチックごみの一部になっているとグリーンピースは主張しています。しかしグリーンピースUKにはコカコーラ社に太刀打ちできるほどの資金力はなかったため、コカコーラがクリスマスCMをリリースするタイミングを狙って、同じハッシュタグを使ったクリスマスCMをリリースしたのです。
結果的にCMを発表した当日のSNS上のコカコーラに関する話題の66%が、グリーンピースUKに関するものになりました。
【レゴ】 クリスマス キャンペーン事例
昨年2022年のレゴのキャンペーンのコンセプトは「完璧を目指すホリデーシーズンではなく、遊び心のあるホリデーシーズンを」というもので、動画CMだけでなくSNSやWEBサイトなど、様々なツールを使って展開されました。
インスタグラム上では#LEGOtakeover(子ども達がレゴを乗っ取る)というハッシュタグで、顧客が作ったレゴの作品やクリスマスギフトのアイディアなどが投稿されました。WEBサイト上ではクリスマス特設ページが作られ、そこでも顧客の作品やギフトのアイディアが掲載されました。さらに顧客のニーズに合わせたおすすめ商品が表示されるように、適格にパーソナライズ化もされています。
2023年クリスマスキャンペーンのトレンドは?
インフルエンサーやSNSを使ったキャンペーンは継続的なトレンドなので、印象的なハッシュタグを用意しておく必要があります。ゲームを使ったマーケティングもトレンドになる見込みです。
その他の新しいトレンドとしては、AR(拡張現実)を使ったものが予想されます。ARとは実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示する、現実世界を仮想的に拡張する技術です。分かりやすい例ではポケモンGOなどがあります。
この技術を使った比較的簡単なマーケティング方法にARカードがあります。ARカードにはQRコードが印刷されており、それをスマートフォンで読み取ると画面上でさまざまな3Dコンテンツを閲覧することができます。簡単なものなら個人でもアプリを使って作成することが可能です。
クリスマス向け商品のタグや、顧客に送るダイレクトメールなどにQRコードを印刷するマーケティングは、今後トレンドになりそうです。
独自性の高いクリスマスキャンペーンに
クリスマスシーズンは様々な企業がキャンペーンを実施するため、オリジナリティの高いアイディアでないと埋もれてしまう可能性もあります。海外企業の面白いアイディアを参考にしながら、今年2023年の消費者の心に届くキャンペーンを模索してみてはいかがでしょうか。