抹茶が海外で人気の理由/紅茶の国イギリスで定番の飲み物に!?

抹茶 海外 人気 理由

海外の日本食ブームの一環として、最近では抹茶も人気です。緑茶は以前からGreen tea(グリーンティー)として親しまれていましたが、ここ数年はMatcha(マッチャ)という単語が海外の国々にも浸透しつつあります。

抹茶が海外で広く知られるようになったきっかけは、日本限定商品だった抹茶キットカットやスターバックスの抹茶ラテなどが、海外で販売されるようになったからかもしれません。裏を返せば、海外の大手企業はかなり前から抹茶に注目していたとも言えます。

現在、海外ではこれらの商品をきっかけに抹茶を知った人達が、日本の抹茶スイーツやお茶そのものにも興味を持ち始めています。

 海外日本茶ブーム。輸出先ランキング

2022年の日本茶輸出先は金額の多い順に、1位アメリカ合衆国、2位台湾、3位ドイツとなっており、8位にはフランス、12位にはイギリスと、アジア諸国だけではなく欧米諸国が上位にランクインしています。

紅茶ばかり飲んでいるイメージのイギリスが上位にランクインしているのは、とても興味深い結果なのではないでしょうか。

抹茶が海外で人気のある理由。海外セレブ御用達?

抹茶が海外で人気になった理由には健康志向ブームが挙げられます。多くのメディアが抹茶の栄養価の高さや、様々な健康への良い影響を報じています。

例えば米国の医師の監修した記事では、がんの抑制効果、糖尿病の予防、うつ病の予防、脳機能の保護、男性の生殖機能の改善など、抹茶には様々な医学的な効果がある(かもしれない)とされていました。

またイギリスでは抹茶の抗酸化作用や、ダイエットやデトックス効果にも注目されていて、健康だけでなく美容に興味のある人たちからも人気を集めています。抹茶スイーツは他のスイーツに比べてヘルシーで、食べても罪悪感がないという人も多いようです。

抹茶の様々な栄養価の中で特に注目されているのは、高い抗酸化作用を持つカテキンだと言えます。酸素は人の身体に必要不可欠な物質ですが、過剰な活性酸素はがん、心血管疾患、生活習慣病などのリスクを高め、美容の点においては老化や肌荒れの原因になるともいわれています。カテキンは緑茶や紅茶にも含まれていますが、抹茶には緑茶の10倍以上含まれているという実験結果もあるようです。

このように栄養価が高い上、抹茶にはコーヒーと同じくらいのカフェインも含まれているため、米国には抹茶を使ったエナジードリンクまで存在しています。また、ジャスティンビーバーなどの海外セレブも好んで抹茶を飲んでいるようです。

日本vsイギリス お茶の文化&歴史

日本でお茶が飲まれた最初の記録は日本後記に記されている815年で、中国から伝わったとされています。お茶の起源である中国では有史以前から飲まれていたようです。それに比べるとイギリスのお茶の歴史は遥かに短く、17世紀に中国や日本と貿易していたオランダ人によって、ヨーロッパにもたらされたのが最初だと言われています。

当時のヨーロッパ人たちはお茶の中でも特にウーロン茶を好む傾向があったため、製造業者がさらにヨーロッパ人の趣向に合わせたお茶の開発を進め、現在の紅茶が作られたと言われていますが詳細は不明のようです。

イギリスでは上流階級の人たちの間にお茶を楽しむ習慣が生まれ、植民地で安定した生産が出来るようになると、徐々に庶民の間にも広がっていきました。イギリスの水が硬水であることや、ペスト流行下でのお茶の殺菌作用などが紅茶人気を後押ししたようです。

現在のイギリス お茶文化&習慣

お茶の歴史は日本よりも短いイギリスですが、2022年の一人当たりのお茶の年間消費量はイギリスが2.o9キロで世界3位、日本が1.06キロで世界17位となっており、イギリス人は日本人の約2倍のお茶を飲むことが分かります。(※一人当たりの消費量なので、国別の消費量とは異なります)たしかにイギリスで生活していると、一般的なイギリス人は1日に4~5杯程度のお茶を飲んでいるように見受けられます。

イギリス人が好むお茶の種類の調査では、1位がイングリッシュ・ブレックファスト54%、続いてアールグレイ18%、驚くべきことに緑茶が同率18%という結果になりました。

将来はイギリスで抹茶が定番の飲み物に?

緑茶が既にイギリスで定番の飲み物になっていることは分かりますが、抹茶もその可能性を秘めています。

イギリス人が最も好むイングリッシュ・ブレックファストは濃い紅茶であるため、普通の緑茶よりも濃い抹茶はイギリス人好みの味であるとも言えます。

ただしイングリッシュ・ブレックファストとアールグレイを飲む人の85%がミルクを入れているため、抹茶の濃い味がそれ単体で受け入れられるかは未知の部分が大きいかもしれません。

抹茶ラテや抹茶スイーツが人気であることから、ミルクに合う抹茶ならイギリスや海外の国々で受け入れられやすいのかもしれません。実際に英語で抹茶を使ったレシピを検索すると、抹茶ミルクや抹茶ベイリーズ(アイリッシュウイスキーがベースのクリーム系リキュール)などが人気のようです。

また、意外なようですがイギリスでもほとんどの人が普段はティーバッグの紅茶を飲んでいるため、抹茶も同じくらい気軽に楽しむことができれば、もっと普及していくのではないでしょうか。

いずれにしても、イギリスは抹茶や日本茶を受け入れるポテンシャルが大変高い国であるといえます。弊社では日本企業の海外進出をサポートしておりますので、ご興味のある方はお問い合わせより気軽にご相談ください。

Previous
Previous

デザイン思考とは①デザインは経営に必要?【簡単説明・メリット・欠点】

Next
Next

音声マーケティングとは④ソニック・ブランディング【イギリス・海外企業ランキング】