“日本人観光客は妖精?”休みの過ごし方【海外の反応】
前回の記事「日本人は’働きすぎ’ではない!?海外の休暇データを検証」において、実際の休暇数などのデータを比較してみたところ、日本人は働きすぎでも休みすぎでもないということが明らかになりました。
日本人が働きすぎと思われる原因は、どうやら休暇数によるものではないようです。日本の社会人は有給休暇や長期休暇が取りにくかったり、残業で1日の労働時間が長かったり、休みの日にもキャリアアップのための勉強をしたり……家族の緊急事態にも仕事が理由で駆けつけられなかったという話もよく聞きます。仕事中心の生活や仕事を最優先にすべきというような風潮が、日本人は働きすぎというイメージを創り上げてしまったのかもしれません。
そんな働きすぎと思われている日本人は、休暇をどのように過ごしているのでしょうか?夏休みなどの長期休暇で海外を訪れた日本人がどのように過ごしていて、海外の人からどう思われているのかを調査してみました。
日本人観光客への海外の反応①「日本人は妖精みたい」その理由は?
「日本人は妖精みたいな生きものだ」と海外の人から思われているという記事をいくつか拝見しました。これは観光客に限らず、海外で目撃した日本人に対しての印象ですが、「小柄」「日本人同士で集まる」「フレンドリーにすると恥ずかしがって逃げていく」「(飲食店などでは)対応が良いと集まるが、一度嫌な思いをするとスッと消えてしまう」「(旅先などでは)来たと思ったらすぐに別の場所へ移動してしまう」などという日本人の特徴や習性からそう思われているようです。
『怪談』の著者として知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)も、著書『神々の国の首都』に収められている「東洋の土を踏んだ日」において、日本についてこう表現しています。
「人も物も、みな、小さく風変わりで神秘をたたえている」「小さな妖精の国」
現代では、世界のあちこちで日本人を見かけることは珍しいことではありません。しかし、日本人を初めて見た人(特に妖精信仰のあるイギリスや妖精が登場する神話のある北欧のような国で育った人々)は、自分たちと異なる点が多く変わった人種=伝説の中にいるような生きものという意味で「妖精みたい」という表現をするのかもしれません。
日本人観光客への海外の反応② 日本人観光客にありがちな13の特徴or行動
イギリスの新聞記事で日本人観光客について書かれたものがあり、そこでは「身なりがよく、時間を厳守し、礼儀正しい」と述べられていました。これは日本人自身も、そう思われているだろうなと予想のつくものですが、具体的にはどう観察されているのか、以下に箇条書きでまとめてみました。
旅先でもきちんとした服装で時間を厳守する
礼儀正しく列に並び、チップを正確に支払い、声を上げたり、ギャラリーでこっそり写真を撮ろうとしたりすることはない
本能的な習慣によって敬意を持って頭を下げる動作がしばしば見られる
自分が出したゴミを持ち帰る
1人または少人数のグループで旅行することを好む
基本的にはガイドブックやツアーリーダーの指示に従う
パパラッチに匹敵するほどの最先端一眼レフから人気のスマートフォン&自撮り棒まで、写真を撮るためのデバイスをアクセサリーのように身に着けている
どこを訪れても最も有名な場所(最新の○○、最も歴史のある○○のような)をチェックするのが好きで、事前に綿密なリサーチをする
ロンドンのフィッシュ&チップス、パリのファッショナブルなビストロ、ニューヨークのハンバーガー、バルセロナのタパスのように、旅先での最も有名な料理に惹かれがち
旅行中は飲酒を軽く済ませることが多い
何キロものお土産を家族や友人、同僚、近所の人のために持ち帰る
現地の人々とコミュニケーションをとることに興味がありつつも、言葉が通じないことに対して恥ずかしさを感じている(現地言語の旅行用会話ブックやスマートフォンの辞書検索を使用して会話をする人も)
海外旅行でビーチを訪れる人は多くはないが、ビーチへ行く場合は頭からつま先まで紫外線防止服を着る
このように、一般的にはネガティブな印象はほとんどないようですが、海外のある掲示板サイトに投稿された「日本人観光客は海外ではどのように行動しているか?」という質問に対しては、少々違った見解が書きこまれていました。
海外にいる日本人は日本国内では秩序や道徳を保っていたとしても、日本社会を離れるとその制約なしにどう行動すれば良いか分からなくなり、一部の人は素行が悪くなっているようだというものです。
厳しい日本社会を離れたことで自由の身になったことを強く実感してしまい、今まで縛られていた分も弾けてしまうことは確かにあるでしょう。
「○○人だから~」と人種別で判断される時代ではないので、日本人だからこのように行動しなければならないというものはありませんが、これまでの日本人が培ってきた「礼儀正しい」「マナーを守る」「謙虚」などのイメージは大切にしたいものです。
日本人観光客への海外の反応③ 夏休みなどの過ごし方が不思議
※ここでの「海外」は主に欧米を指します。
長期休暇で旅行をする日本人は多いと思いますが、その過ごし方が海外の人から見ると不思議なようです。
休暇中にも関わらず早朝からスケジュールを詰め込み、できるだけ多くの目的地を訪れ、充実しているけれど慌ただしく旅程をこなしていくのが日本人の傾向としてあるからです。このような姿に働きすぎと言われる日本人のイメージが重なり、“休暇中でも休まない日本人”と思われているようです。
しかし、海外の人、特に欧米人はその逆で、せっかくの休暇なのでリラックスして過ごしたいと考えています。夏休みになるとビーチへ出かけて一日中のんびり過ごす人が多いです。中でも、フランス人はバカンス(フランス語で長期休暇、またはそれを利用した保養や行楽を意味する)と旅行を別として捉えおり、バカンスではビーチや田舎でのんびりしますが、旅行ではアクティブに行動するそうです。
また、日本人が旅先でお土産を買うために走り回っている姿も、海外の人から見ると滑稽なようです。昔から手土産や旅土産文化のある日本では、お世話になっている人にお土産を購入することが習慣づけられており、観光時間を削ってまでお土産を探す人もいます。
しかし、海外の人は、良いものが見つかれば家族や親しい友人に購入する程度です。元々、「お土産」と訳される英語「souvenir」には、旅行者が旅の記念として収集するものという意味があることからも、海外の人にとってのお土産と日本人にとってのお土産は少々違うようです。
有休を取ることに罪悪感を持つ日本人は、「(自分だけ)お休みを頂きありがとうございました」という思いで職場にもお土産を購入しますが(最近はお土産の義務をなしにしている職場もあるようですが)、そのような習慣も海外にはありません。
海外の夏休みの過ごし方を参考に、ときにはのんびり過ごしても
このように、海外の人の休みの過ごし方と比較したことで、休みと言っても本当の休みらしく過ごせていない日本人が浮き彫りになりました。旅行中の行動やお土産のくだりなど、言われてみれば確かにそうだと思い当たることが多かった人もいるのではないでしょうか。
一般的な日本の夏休みはもうすぐです。休むことへの罪悪感など持たず、当然の権利として海外式にのんびりした旅行などを計画してみるのも良いかもしれません。
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