FSC認証とはどういう意味?簡単に分かる“紙”のSDGs

FSC認証とは

以前の記事(脱プラスチックは意味ない?環境問題対策で意識すべき事柄とは)では、プラスチックでも紙でも使い捨てを無くすように努力することが重要だとお伝えしましたが、それと同等に重要なのは環境に配慮した製品を選ぶことでしょう。この記事では環境に配慮した紙製品に与えられるFSC認証やFSCマークについて紹介します。

FSC認証とは

FSC認証とは、森林の生物多様性、地域社会や先住民族、労働者の権利を守りながら適切な管理下で生産された紙製品を認証する制度です。FSCとはForest Stewardship Council (森林管理協議会)の略称で、90年代初頭に誕生した国際的な組織です。

認証には森林管理だけではなく、製品の流通に至るまでの全プロセスが審査されます。審査はFSCとは異なる第三者機関が行うため、透明性も保たれています。認証を受けると製品にFSCマークを記載することが出来ます。

再生紙ではダメなの?

環境に配慮した紙というと、FSC認証を受けた製品というよりは再生紙を思い浮かべる人が多いかもしれません。再生紙とは古紙パルプを配合した紙全般ことで、仮に古紙パルプの配合率が低くても再生紙と呼ぶことが出来ます。しかしエコマークを記載するためには、古紙パルプを70%以上含んでいる必要があります。

環境に優しいという面ではFSC認証の製品に引けを取りませんが、回収紙を原料とする古紙パルプを使用すると、新しいパルプ(バージンパルプ)から作られた製品より品質が劣るデメリットがあります。

FSC認証にもデメリットがある?

再生紙に比べて品質が高く、かつ環境に優しいFSC認証にもデメリットがあるのでしょうか。

2000年5月にグリーン購入法が制定されましたが、紙に関しては「古紙パルプ配合率70%以上」という記述があり、FSC認証に関する言及はありませんでした。この頃はせっかくFSC認証を受けても、その努力が公に認められていない印象もありました。しかし2005年には「古紙や環境に配慮したバージンパルプ(森林認証材)を多く使用していること」と改定され、FSC認証が公に認められる形になりました。

FSC認証のデメリットを挙げるなら、森林管理や生産工程の管理にコストがかかることでしょう。そのため消費者の視点では他の製品よりも値段が高いと感じてしまうことが、デメリットになり得ます。

FSC認証を受けた紙に印刷する場合

FSC認証を受けた紙に印刷して製品化する場合、印刷会社がCoC(Chain of Custody)認証を受けていない限り、最終的な製品にFSCを付けることが出来ません。認証を受けた印刷会社は下記のリンク(FSC公式WEBサイト)から検索可能です。

FSC認証 印刷会社 一覧

FSC認証マークのある商品例

FSC認証は身近な製品にも付けられています。例を挙げると、年賀はがき、ハウス食品の紙パッケージ、ネピアのティッシュペーパーなどがあります。

紙袋環境に悪い説は嘘?

脱プラスチック反対派が唱える紙袋は環境に悪いという説ですが、FSC認証のように環境に配慮していることが客観的に証明されている製品もあります。

環境問題やSDGsに関しては様々な意見や論調があるため偶然知った情報をすぐに鵜呑みするのではなく、気になることは少し深く調べて、様々な観点から考察するべきなのかもしれません。そうすることが本当のSDGsに繋がるのではないでしょうか。

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