脱プラスチックは意味ない?環境問題対策で意識すべき事柄とは

脱プラスチック意味ない

紙袋は環境に悪い?

脱プラスチック反対意見の中には「紙袋の方がプラスチック製の袋(ビニール袋)よりも環境に悪いのでは?」という声があります。たしかに北アイルランド議会が2011年に発表した論文では、紙袋の製造にはプラスチック製の袋の4倍に当たるエネルギーが必要だと明言されています。紙袋の原料となる木を伐採することによる環境破壊、製造時や輸送時に排出する二酸化炭素の量なども問題視されていました。さらにリサイクルの際に必要なエネルギーもプラスチック製の袋の方が少ないと述べられており、このデータだけを見ると「脱プラスチックは意味ない」と感じるのも、仕方がないように思えます。

なぜプラスチックが環境問題になるのか

プラスチックは太陽光や水にさらされ劣化が進んでいく過程で、メタンガスやエチレンガスを発生します。メタンは二酸化炭素の25倍もの温室効果を持っているため、紙よりも二酸化炭素の排出量が少ないとしても、必ずしもプラスチックの方が環境への影響が少ないと言い切ることが出来ません。このような温室効果ガスの問題もさることながら、プラスチックは海洋汚染の問題も抱えています。

日本ではほとんどの人がペットボトルなどのプラスチックごみをきっちり分別して廃棄しますが、ポイ捨てなどで偶然街の中に転がってしまうこともあります。また処理場で細かく粉砕されたプラスチックが、風で飛ばされることもあります。このようなプラスチックごみは最終的に海に辿り着きます。

2016年のダボス会議ではペットボトル5,000億本に相当する910万トンのプラスチックごみが、毎年世界中の海に流出していると報告されました。環境省の調査によると、日本では毎年推定2~6万トンのプラスチックが海に流出しています。

海洋ごみ問題対策としての「脱プラスチック」

海洋プラスチックごみは2050年には魚の量を超えるとも言われています。プラスチックはどんなに細かくしても基本的には微生物によって分解されないため、半永久的に海中に留まってしまいます。それを海の生物が誤飲することも珍しくありません。鯨のお腹の中からビニール袋が出てきたという話を聞いて胸を痛めた方も多いでしょうが、海洋プラスチックごみの影響を受けるのは海の生物だけではありません。

プラスチックに含まれる添加材には人体に悪影響を及ぼす物質もあります。プラスチックを誤飲した魚を大きな魚が捕食し、その魚を人が食べることになるかもしれません。プラスチックを含む魚を人が食べた場合にどの程度の健康被害があるかは研究中のようですが、スーパーで売っている魚を含む498種類の魚の消化管を調べた結果、65%からプラスチックが出てきたという調査もあります。

環境問題対策、個人でできること

「プラスチックが悪い」「紙袋の方が悪い」と意見をぶつけ合うことよりも、いずれにしても使い捨てを止めるように意識することが、環境問題対策には必要です。

レジ袋が有料になり環境問題以前に節約のためにエコバッグを持ち歩く人が増えており、現在の日本ではレジ袋を断る人が80%を超えています。ペットボトル飲料代を節約するためにマイボトルや水筒を持ち歩く人も増えましたが、それでも使い捨てのカトラリーやナプキンなどは無料でもらえることがほとんどなので、断らない人も多いのではないでしょうか。個人レベルでの環境問題対策として、とにかく生活の中で使い捨てをなくすよう意識していくべきでしょう。

個人で意識することはもちろん大切なのですが、それでも今までレジ袋をゴミ捨てに使っていた人が、代わりに有料のプラスチック製ゴミ袋を購入しているという皮肉なデータもあります。そこで次回の記事ではプラスチックや紙に代わる環境に優しい素材を紹介していきます。

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