海外コンビニ事情まとめ/’おにぎり’はある?24時間営業?
日本のコンビニエンスストアが海外の人に人気
東京オリンピックの際には、海外の報道陣の間で日本のコンビニフードのクオリティーの高さが話題になりました。たしかに日本のコンビニには美味しいお弁当やおにぎり、レジ前のホットフードなど、日本人にとっては当たり前でも海外にはない商品やサービスが充実しています。
身近であるはずのコンビニが話題になるということは、「もしかして海外にはコンビニがないのだろうか?」と思う方もいるかもしれません。
コンビニは海外発祥!おにぎりはある?24時間営業?
日本発祥のように思えるコンビニですが、コンビニエンスストアの業態が発祥したのはアメリカだと言われています。アメリカではガソリンスタンドの中に小さな店舗があることが多く、その業態が日本のコンビニに似ています。現在日本で一番の店舗数を誇るセブンイレブンも1927年にアメリカで誕生しています。セブンイレブンが日本に進出したのは1974年で、1号店である豊洲店は日本のコンビニ文化を牽引する存在になりました。これ以降、コンビニは日本で独自の進化を遂げてきたのです。
セブンイレブンは世界中に約8万店舗あるため発祥地のアメリカはもちろんのこと、アジアやヨーロッパにも多数の店舗を持っています。しかしセブンイレブンだからといって、海外店舗でも日本と同じようにおにぎりやお弁当が売っている訳ではありません。コンビニフードも国に合わせてローカライズされており、アメリカのセブンイレブンには温かいホットドックなどがあります。ちなみに中国や台湾のような米が主食の国のセブンイレブンには、おにぎりを置いていることもあるようです。
営業時間に関しても国や地域によって違いがあるかもしれませんが、筆者自宅近くのニューヨーク郊外のセブンイレブンは24時間営業です。
イギリス/ロンドンにもコンビニはあるの?
セブンイレブンはヨーロッパではノルウェーやデンマークに店舗がありますが、2024年現在イギリスにはありません。イギリスでは「コンビニエンスストア」と呼ばれる店舗は一般的ではありませんが、コンビニに似た店舗は多数存在しています。
イギリスのコンビニ① 大手スーパーや薬局の小型店(TESCO, Sainsbury's, M&S, Boots 等)
イギリスの大手スーパーマーケットチェーンにはテスコ、セインズベリー、マークス&スペンサーなどがありますが、いずれも大型店だけでなく小型店があり、駅の近くや構内、ガソリンスタンド脇などに店舗を構えています。これらの店舗にはサンドイッチやサラダなどが置かれているため、かなりコンビニに近い存在です。最近ではセルフサービスのコーヒーが置いてある店舗もあります。日本とは異なる雰囲気の食べ物が売られているので、旅行の際に立ち寄るのも面白いかもしれません。
おにぎりは見かけませんが、寿司を置いている店舗はよくあります。街中のバス停前などには24時間営業の店舗が稀にありますが、早朝から夜11時くらいまで営業している店舗が多い印象です。
大手薬局チェーンのブーツも店舗によってはサンドイッチや飲み物を販売しています。
イギリスのコンビニ② ニュースエージェント
一般的に日本のコンビニよりも狭く雑然としていることが多いですが、イギリスのニュースエージェントと呼ばれる店舗も日本のコンビニに似ています。ニュースエージェントという呼び名から想像できる通り、新聞販売店がついでに軽食や飲み物、文房具などを販売している印象で、店舗の雰囲気は駅の売店にも似ているかもしれません。ただし駅構内だけではなく、街の中にも店舗を構えています。日本のコンビニでも言えることですが、商品によってはスーパーよりも高く売られていることが多いので、食品をまとめ買いするのには向きません。
個人経営の店舗も多いですが、W・H・スミスのような大手チェーンもあります。W・H・スミスはヒースロー空港にもあるので、イギリスを訪れたことのある人は特に意識せずに立ち寄っているかもしれません。
店舗によってはAmazonやeBayなどネットショッピングの受け取りが出来たり、駅に近い店舗ではオイスターカード(ロンドン地下鉄用のカード)のチャージが出来たりと便利なサービスがあります。
イギリスのコンビニ③ オフライセンス
オフライセンスとは持ち帰り用のアルコールを販売する免許を持った店舗で、日本語には「酒屋」と訳すのが妥当かもしれません。反対にレストランやバーのように店内でアルコールを提供できる免許をイギリスでは’オン’ライセンスと呼びます。
オフライセンスの店舗はイギリスのあらゆる場所で見かけることができ、基本的には個人経営の小さな店舗であることが多いです。経営者の趣向や人種によって異なる商品が置かれているので、インド系の店舗ではサモサがあったりトルコ系ではフムスがあったりと、エキゾチックな食材を見かけることもあります。個人経営なので店舗によって営業時間が異なりますが、夜遅くまで営業している店舗が多いです。スーパーのように野菜や果物を売っていることも珍しくありません。
こちらも店舗によってはAmazonやeBayなどネットショッピングの受け取りが出来たり、オイスターカードのチャージが出来たりします。
結論! コンビニは海外にもあるが’おにぎり’は別問題
結論として海外にもコンビニや類似する店舗が存在することが分かりましたが、やはり日本のように企業の努力が詰まった商品やサービスは少ない印象です。また、海外で日本の米が恋しくなってコンビニに入っても、アジア圏以外でおにぎりに出会うのは難しでしょう。海外旅行や出張では不便に感じるかもしれませんが、日本とは異なる食品や雰囲気を味わうのも海外の楽しみと言えるかもしれません。