シェアリングエコノミーとは①なぜ普及?市場規模&メリット

2008年に開始したAirbnb(エアービーアンドビー、通称エアビー)を皮切りに様々なタイプのシェアリングエコノミーが登場し、市場を賑わせています。「ライドシェアとは?①Uberの仕組み&タクシーやカーシェアとの違い」では一般ドライバーがUberというプラットフォームを介し移動が必要な人に運転サービス付きの自家用車をシェアするビジネスをご紹介しましたが、これもシェアリングエコノミーの1つです。

シェアリングエコノミーがなぜここまで普及したのかを市場の特徴やメリット、背景から探り、ユニークな事例を2記事に渡ってご紹介します。

シェアリングエコノミーとは?総務省によると

総務省のウェブサイトでは、シェアリングエコノミーとは、「典型的には個人が保有する遊休資産(スキルのような無形のものも含む)の貸出しを仲介するサービス」であると定義されています。

わかりやすく言うと、個人が所有するモノや場所、スキルなどを、インターネットを介して必要とする人に提供したり、共有したりする仕組みです。企業なども参加できますが、ほとんどが個人同士の取り引き、CtoCビジネスである点が特徴です。

 

シェアリングエコノミーの市場規模と市場の動向

シェアリングエコノミーの市場規模

世界のシェアリングエコノミー市場規模

2022年に3,871億ドルと評価され、7.7%のCAGRで2032年までに8,271億ドルに達すると予測されています。

日本のシェアリングエコノミー市場規模

2022年度にコロナ禍で過去最大規模となる2兆6,158億円となり、2032年度には最大15兆1,165億円に拡大すると予測されています。

シェアリングエコノミー市場は「ライドシェア」や「スペースシェア」人気で成長が加速

市場の成長加速は、オンライン配車サービスの利用の増加、コワーキングスペースの人気の高まり、消費者の嗜好の変化など、様々な要因によるものです。消費者は所有権よりもアクセスをますます優先するようになっており、スマートフォンを数回タップするだけで配車を予約したり、スペースを借りたりといったサービスにアクセスできる手軽さを好んでいます。

また、「モノ消費」から「コト消費」を求める近年の消費行動の変化も関連しています。旅行や宿泊などの分野におけるシェアリングエコノミープラットフォームは、物質的な所有よりも思い出に残る交流を求める傾向に沿って、ユニークでパーソナライズされた体験を提供するため、コト消費の流行と相まって人気が出ています。

さらに、技術の進歩によって可能になったハイパーローカルシェアを求める消費者の増加も市場の成長を推進する主な要因です。ハイパーローカルシェアは、地理的に非常に限定したエリア内での商品やサービスの共有のことで、よりパーソナライズされた効率的なユーザーエクスペリエンスを実現します。

例えば、アメリカのDoorDash(ドアダッシュ)は、消費者の地元の飲食店やドラッグストア、量販店などと提携して食品や日用品を迅速に提供しており、地元の商品を即日入手できる安心感や利便性を求める需要に応えています。

このようなローカライズされた効率的なコミュニティ中心サービスのセグメントにおいて、当市場はより成長すると予測されています。

 

▼コト消費についての詳細はこちら

若者のコト消費&トキ消費は海外でも盛ん?具体例.成功事例

シェアリングエコノミーはなぜ普及?メリットは?

インターネットの普及と“持続可能性”が影響

インターネットの台頭により、誰もが情報を発信して他人と共有し、簡単にビジネスを開始できるようになったことは言うまでもありません。さらに、スマートフォンの誕生によりアプリケーションが開発され、モノ・サービスの提供者や必要としている人を見つけるところからオンライン決済までの売買が、単純な操作で安心してできるようになりました。そうして、シェアリングエコノミーのようなビジネスモデルが実現可能になったのです。

この仕組みが多くの人に受け入れられ、普及した背景には、後でご紹介するメリットだけでなく、コロナ禍を経て変化した人々の価値観や持続可能性への意識の高まりがあります。

先に述べた、モノの所有より体験、すなわちコトにお金をかけたいと思う人々の増加もコロナ禍が影響した価値観の変化です。また、シェアリングエコノミーの本質である、本来は廃棄されていたものを再活用することは、大量生産・大量消費を削減し、それに伴う二酸化炭素排出量の削減にも繋がります。

シェアリングエコノミーはインターネットの普及によって誕生し、持続可能な社会を目指す動きが活発化する現代にマッチしたことで普及が進んだと言えるでしょう。

シェアリングエコノミーのメリット

シェアリングエコノミーサービスは通常、所有権や従来のサービスと比較した場合、よりコスト効率の高いソリューションを提供します。つまり、消費者が経済的負担を負うことなく、期間限定とはいえ自動車や建物などの高額なものも含め、リーズナブルに手に入れられる点が最大のメリットです。

一方、提供者は自身が必要としない期間に車や家を貸し出したり、不要になった衣類などを販売したりすることで収入を得ることができます。遊休資産が新たな資産を生み出すということです。

この個人資産の有効活用は、地域やコミュニティを活性化させ、経済効果を生み出す可能性もあります。提供するものはモノだけでなく個人が持つスキルも可能なので、空き時間に仕事をすることもでき、柔軟な働き方の実現や労働力不足の解消にも繋がります。これらは、無駄や廃棄の削減、自然環境負荷の低減とともにSDGsに貢献すると評価されており、シェアリングエコノミーは持続可能な社会のために不可欠な存在となっています。

 

シェアリングエコノミーの課題は?補償や法律の問題

個人的にも社会的にも多くのメリットがあるシェアリングエコノミーですが、デメリットや課題もあります。

まず挙げられるのが安全や保障に関する問題です。プラットフォームを介しているとは言え、個人間のやりとりになるため、信頼性が保障されない場合もありトラブルになる可能性もあります。トラブルが起きた場合の補償がどこまで効くかもプラットフォームによって違い、責任の所在などが明確でないものもあります。

もう一つは法の整備が追いついていない点です。日本ではシェアリングエコノミー全体を規制する法律はありません。未だ黎明期で変化が予測できない情報通信技術であるシェアリングエコノミーに対して、相当な時間と労力のかかる法律制定は難しいようです。

また、シェアリングエコノミーには様々な業態があるため、全体的な法律よりも個別規制法を制定する方が意味があるのではという意見もあります。サービスごとに規定の内容を細やかに設定するのには相当な時間を要するでしょう。

しかし、シェアリングエコノミー市場が成長していくには、安全性や経済性の観点のリスクから利用者を護る何かが必要です。それは各プラットフォームが定める規制のみで可能になるのか。画期的なサービスだからこそ、これから考えていかなければならない問題が山積みです。

 

 

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出典:

https://www.alliedmarketresearch.com/sharing-economy-market-A230672

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h27/html/nc242110.html

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