おにぎり海外の反応/アメリカのコンビニでも買える!?

おにぎり海外の反応

以前の記事(海外コンビニ事情|24時間営業?おにぎりはある?)では海外にもコンビニはあるものの、残念ながら欧米のコンビニにはおにぎりは売っていないとお伝えしました。しかし最近は寿司やラーメンのブームに続き、欧米でもおにぎりブームが到来しています。その背景には日本食ブームだけでなく、健康志向やヴィーガンのブームもあります。米がグルテンフリーであることや、具によってはベジタリアンやヴィーガンの人でも安心して食べられることが人気を後押ししています。

このようなおにぎりですが、海外(特に米を主食としない欧米)で受け入れられるのには地道な努力や工夫がありました。

おにぎり海外の反応、SNSより

ここ最近の海外のSNS上では「おにぎりを作ってみました」という投稿が目立ち、米の炊き方や崩れないように作るコツなどが、ユーザー同士でシェアされています。中に入れる具もバラエティーに富んでいて、日本の家庭でよくあるのと同じようにフリカケを混ぜている人もいれば、テリヤキチキンを入れている人もいます。寿司のように醤油をつけて食べる人もいるようで、白いご飯をそのまま食べるのが得意でない人も多い印象です。

同じ日本食でも、寿司やラーメンはどちらかというとレストランで食べるものですが、おにぎりは家庭で作ることができるため、主婦層の間でじわじわ人気が出てきているようです。

海外おにぎりブームの道のり

少し前までは欧米でおにぎりを知っている人といえば、日本のアニメが好きな一部の層というイメージでした。しかしながら彼(彼女)らでさえも実際に食べたことがあるのではなく、「時々アニメに登場する三角形の食べ物」という程度の知識があるだけだったようです。

このような状況の中で、おそらく最初に欧米でおにぎりブームが起こったのはサンフランシスコでした。2008年に「アメリカでも美味しいおにぎりが食べたい」と創業した「Onigilly」が現地で徐々に人気になり、現在は4店舗経営するチェーン店になりました。その後2013年には「おむすび権米衛」もアメリカに進出しています。

そして、おそらくアメリカの次にブームが起きたのがパリです。食への関心が高い一部のフランス人が日本食レストランやスーパーにあるおにぎりの存在に気が付き、興味を持ち始めたのです。パリの公園や地下鉄で日本人が自作のおにぎりを食べていると、見知らぬフランス人に「私も作ってみたいのですが……」と、話しかけられたというエピソードも耳にしました。2017年にはアメリカに続き「おむすび権米衛」がパリにも進出します。

他にも日本人が比較的多く暮らす、オランダのアムステルダムにもおにぎり専門店があります。

海外のおにぎり専門店に行列が!?

おむすび権兵衛・米国ニュージャージー店(筆者撮影)

コロナ禍では自宅で食べられて冷めても美味しいおにぎりの需要が増加し、日本国内でもおにぎり専門店の新規参入が相次ぎました。小麦の価格高騰も相まって、普段の食事をパンからお米に切り替える人も増えたようです。

実は海外でも同様にコロナ禍でおにぎりの人気が加速しました。「おむすび権米衛」は現在でもパリとアメリカの両方でその人気を維持しており、どちらの国でもオープン時と比較して5倍の売り上げに成長しました。その人気ぶりはランチタイムとディナータイムには行列ができるほどです。並んでいる人の層を見ると、アジア系の人以上に現地の比較的年齢の若い白人や黒人が中心という印象です。日本では朝食やランチで需要の高いおにぎりですが、欧米ではパーティーフードとしての需要もあります。

海外のおにぎり人気に伴い、日本の米の輸出額も増加しています。

海外のローカライズおにぎり

私たち日本人にとって、おにぎりは子どもの頃から身近な食べ物でしたが、欧米の人たちにとっては未知の食べ物であったはずです。その証拠に「おむすび権米衛」がアメリカに進出した当初はスィーツと勘違いする人や、のりを食べられない物だと思って剥がす人などもいたそうです。

アメリカで創業した「Onigilly」はおにぎりを現地の人にも馴染みのあるサンドウィッチ型にして、具を隠さずに見せるように工夫することで徐々に現地で浸透していきました。

また、「おむすび権米衛」と「Onigilly」の両方で共通しているのは、日本ではあまり見かけない具を入れて販売していることです。スパム、スパイシーツナ、トマトオリーブなどが入ったおにぎりを定番商品として店頭に並んでいます。日本通ではない海外の人は、味の濃い具を好む傾向があるようです。そのようにローカライズすることで現地の人に受け入れられ、ブームが加速していきました。

トマト、オリーブ、チーズなどの入ったおにぎりは「パリおにぎり」として日本のSNSでも話題になっており、逆輸入おにぎりが日本でブームになるかもしれません。

海外のコンビニでおにぎりが買える日は近い?

現在パリはおにぎりブームの真っただ中ですが今年2024年はパリ五輪があるので、世界中にブームが広がるかもしれません。パリでは流行ったものは一時のブームではなく、定番化することが多いため、おにぎりも定番化が予想されます。

そうなれば海外のセブンイレブンなどのコンビニでおにぎりが販売される日も、それほど遠くないかもしれません。

追記:2024年8月より、アメリカのセブンイレブンでおにぎりの販売が開始されました!

Previous
Previous

2024年 海外のトレンドキーワードから予測する流行るもの

Next
Next

シェアリングエコノミーとは①なぜ普及?市場規模&メリット