ライドシェアとは?①Uberの仕組み&タクシーやカーシェアとの違い

昨年12月20日、岸田文雄首相が開いたデジタル行財政改革会議において、「全国各地で深刻となっている地域交通の課題を踏まえ、新たな運送サービスを24年4月から開始する」と表明。日本国内では普及が進んでいなかったライドシェアですが、海外でUberなどを体験し、日本でも利用できたら便利なのにと思っていた方も多いでしょう。そのライドシェアが、今年2024年4月に条件付きで利用できることに決まりました。

新しいビジネスプラットフォームとして企業からも注目され、異業種とのコラボやインバウンド拡大においても可能性を秘めるライドシェア。今回はライドシェアとは?というところから日本での現状まで、改めて調査してみました。

 

ライドシェアとは? Uber(ウーバー)などのライドシェアサービスの仕組み

「ライドシェア」は英語では「rideshare」と一語で表記されますが、語源が「ride(乗る)」+「share(共有する)」であることからも分かるように、そのまま「乗り物を共有する」、すなわち「相乗り」を意味します。

「相乗り」は、同じ方向に向かう人と乗り物を共有することです。しかし、最近では、一般のドライバーが自家用車を使って利用客を運ぶ有料ビジネスをさす場合が多いです。ライドシェアの先駆けと言われるアメリカ発UberやLyft(リフト)は、利用したことはないが名前は知っているという方が多いでしょう。Uberは2014年、日本でも配車サービス(都内においてハイヤーとタクシーに限る)を開始、2016年にはUber Eats (ウーバーイーツ)というオンラインフード注文・配達プラットフォームの提供を始めた企業です。

その有料ビジネス、ライドシェアは、利用希望者がスマートフォンのアプリケーションを通して配車を依頼すると、GPS機能を通じて現在位置が発信され、近くを走っているライドシェアを提供するドライバーが来てくれるという仕組みになっています。

タクシーがなかなか捕まらない状況や場所でも迅速で手軽に配車を依頼でき、ドライバー側も空いた時間にお金を稼ぐことができるというメリットがあります。

このように、ライドシェアの最近の意味は、自動車利用希望者と一般ドライバーをマッチングさせるアプリ(仲介業者)を介してドライバーが有料でサービスを提供するビジネスということです。

英語圏では「ridesharing(ライドシェアリング)」とingを付けて言われることが多く、類語には「carshare(カーシェア) / carsharing(カーシェアリング)」「ridehailing(ライドヘイリング)」などがあります。

これらは厳密にはどう違うのでしょうか?

「ライドシェア」と「タクシー」「カーシェア」などとの違いは?

ライドシェアについては先に解説した通りですが、「カーシェア」や「ライドへイリング」について簡単に述べると以下のような意味になります。

カーシェアとは?ライドシェアとの違い

登録を行った会員間で車を貸し借りするサービスで、企業が車の提供・管理を行うものと、個人が自家用車を有効活用するためにマッチングアプリなどを使用して利用希望者に貸し出すものの2種類があります。レンタカーと比べると短時間・短距離でも低コストで利用できるサービスが多く、戻す前の洗車や給油が必須でないことがほとんどです。

つまり、ライドシェアが特定の目的地までの配車を提供するのに対し、カーシェアは特定の期間使用できる車両を提供するという違いがあります。

ライドへイリングとは?ライドシェアとの違い

ライドヘイリングの語源は「ride(乗る)」+「hailing(呼び止める)」で、「車を呼び止めて乗る」、すなわち日本語では「配車サービス」を意味します。ライドシェアとの違いは他の利用希望者と相乗りしない点にあります。ライドヘイリングでは、ドライバーは同じルートを移動する複数の乗客を常に乗せるとは限りません。

しかし、ライドシェアを利用する人も、ほとんどの場合、他者と相乗りをすることがないため、実際は「ライドヘイリング」も「ライドシェア」も同じ意味として使用されています。

BBCやニューヨーク・タイムズなどの国際的な機関では、路上からライドシェア車両を呼び止める(hailing)ことが違法であることから、「ライドシェア」という用語を使用していますが、用法に一貫性はないようです。

ライドシェアとタクシーとの違いは?

先ほども触れたように、タクシーは路上から合法的に呼び止めることができますが、ライドシェアの車両は呼び止めることができない点が大きな違いです。

しかし、タクシーに似ていることから、ライドシェア車両を「アプリタクシー」や「eタクシー」と呼ぶ人もいるようです。

 

タクシー不足の解消だけじゃないライドシェアのメリット しかし完全解禁には問題が

ライドシェアのメリットは、タクシー不足の解消や公共交通機関が発達していない過疎地のニーズに応えられるだけではありません。

自家用車の所有者が減ることで道路の交通渋滞が軽減され、一人乗り車両からのCO2排出量の削減にも繋がります。これは、燃料や移動コストが削減されるというドライバーと利用者双方にとってのメリットになるだけでなく、環境にもやさしいサービスと言えるでしょう。

また、線路上を走る乗り物と違って柔軟な移動が可能になり助かる、あるいはドライバーや同乗者と話す機会を得ることで精神的に良い効果が得られるなどの声も聞きます。

しかし、一方で全く反対の情報もあります。ライドシェアの利用増加が交通渋滞や交通事故死の増加を招いているというアメリカの現状や公共交通機関の方がCO2排出量が少ないというデータです。

ライドシェアが完全に解禁されるには、様々な問題を総合的に判断し、より持続可能かどうかが判明してからになりそうです。

 

続編「ライドシェアとは?②世界の市場規模&日本の普及状況」ではライドシェアの世界市場規模や日本での普及状況について、来週配信予定の「ライドシェアはなぜ禁止?日本の法律は改正されるのか」ではデメリット・問題点について詳しくお伝えします。引き続きご覧ください。

 

 

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