ウェルネスツーリズムの市場規模/インバウンドに向いている理由
ウェルネスツーリズムとは?ヘルスツーリズムとの違い
英語のウェルネス (wellness)とヘルス(health)は日本語に訳すとどちらも「健康」ですが、ヘルスが病気ではない状態と指すのに対し、ウェルネスは心身ともに元気な状態を指します。したがってウェルネスツーリズムとは、旅先でスパ、ヨガ、瞑想、フィットネス、スポーツ、健康的な食事などを行い、気分をリフレッシュしたり新しい発見をしたりすることを指します。
似ているものにメディカルツーリズムがあり、こちらは医療行為を伴う旅行で、医師などによる診断や治療、疾病の予防、リハビリテーションが含まれています。
ウェルネスツーリズムとヘルスツーリズムの間に違いはなく、ウェルネスツーリズムとメディカルツーリズムの両方を合わせたものがヘルスツーリズムと呼ばれています。
コロナ禍を経て世界的に健康への関心が高まる中、それと比例するようにウェルネスツーリズムやヘルスツーリズムへの関心も高くなってきています。
日本&世界 ウェルネスツーリズム市場規模
米国のグローバル・ウェルネス・インスティテュートによると世界のウェルネスツーリズムの市場規模は、2020年に約56兆円を記録し、2025年には約166兆円に達すると推計されています。米国グランドビューリサーチの調査では、2030年まで毎年平均12.42%成長する予想です。
日本に関してはウェルネスツーリズムを含むヘルスツーリズムの市場規模を経済産業省が公表しており、2020年に2兆9,778億円を記録し、2025年に4兆960億円、2030年に6兆657億円、2050年には12兆6,946億円に達すると推計されています。
海外のウェルネスツーリズム事例
1. ヒマラヤを眺めてアーユルヴェーダ(インド)
ヒマラヤの麓にあるホテルAnandaにはアーユルヴェーダに専念できるセラピー、瞑想、パーソナルヒーリング、ヨガなどを含む宿泊プランがあります。セラピーの間の休憩中には山々に囲まれたティーラウンジでゆっくりとお茶を楽しむことも出来ます。
2. 古城でフィットネス(イタリア)
イタリアの古城を改装したホテルBorgo Egnaziaでは、高級なスパ体験に加えてヨガやサイクリングなどのアクティビティが用意されています。南イタリアの料理を堪能しつつも、ホテル内のジムでワークアウトも可能です。
3. 睡眠に特化したラグジュアリーホテル(イギリス)
ロンドンの高級街チェルシーに位置するThe Cadogan, A Belmond Hotelでは、専門家を連携した睡眠プログラムを提供しています。就寝前の飲み物、香り、音、枕など快眠に特化に特化したサービスを受けられるだけでなく、リクエストすれば催眠療法士との対面セッションも可能です。
イギリスでは特にウェルネスツーリズムの一環として、スリープツーリズムが注目されています。
インバウンドにウェルネスツーリズムを
ウェルネスツーリズムは消費額が高いという特徴があります。グローバル・ウェルネス・インスティテュートによると、2022年の世界のウェルネスツーリズム旅行者の消費単価は1,764ドルで通常の国際旅行者より41%高かったことが分かりました。
日本には既にウェルネスツーリズムに適した観光資源が多く存在しています。既に海外の人たちにも人気ですが、温泉、座禅、写経体験、精進料理、宿坊などがそれに当たります。また、長寿国であることや日本食が健康的であることも海外の人たちに知られています。
成長市場であるウェルネスツーリズムをインバウンドに取り入れることで、外国人観光客の消費額を上げることが可能になりそうです。
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